【感想】僕らの雨いろプロトコル 第1話「元凄腕ゲーマーであったが事故で父を亡くし妹が不具になったことでトラウマとなっていた少年がバイト先の借金返済という大義名分を得て復活する話」

題材を現代風(eスポーツ)にして、ゼロ年代泣きゲー風味挫折系主人公の復活モノをやる作品。
主人公の時野谷瞬はかつて一流ゲーマーとしてバリバリにならしていたものの事故をきっかけに手を引いた。
事故は詳述されていないが、父が死亡し妹は下半身が不具になりゲームに触れるとトラウマが発動するレベル。
フツーだったら生命保険が入るであろうが父が加害者であったり妹の治療費がかかったりしているのかもしれない。
母子家庭で家計は苦しい様子が描かれており主人公は幼馴染の実家が経営するネトゲカフェでバイトに勤しんでいる。
妹の治療費を捻出するため、それなりの給与を欲しており、給付型奨学金を貰って進学できる大学を目指していた。
だがバイト先のネトゲカフェの経営がピンチになり借金返済のため一攫千金するべく再びネトゲに触れることになる。
トラウマが発動し上手く操作できない時野谷瞬だがかつてのネトゲ仲間と出会ったことで復活を果たす。

死んだ父親は生命保険入ってなかったのかよというツッコミは野暮

父親の死と妹が下半身不随になった事故のトラウマ

ゼロ年代に流行った挫折系主人公×かたわ少女の泣きゲー的展開をeスポーツで2020年代にお届け。基本路線はゼロ年代系お涙頂戴の挫折からの復活を扱うため、eスポーツをどれくらい魅力的に描けるかで作品の評価が変わってきそう。本作の場合はeスポーツの中でも銃を持って相手を殺すFPSに分類されるゲームであり、アニメ内でゲーム画像が流れるのだが、FPSを知らないと主人公の腕前が凄いのか良く分からない。今の所、ゲーム面の方では一般人には魅力は伝わらないかな?って感じのレベル。それでも視聴を続けられるのは世話焼き幼馴染のお姉さん(のぞねぇ)とお兄ちゃん大好きっ子炉利妹(美桜)の存在である。主人公のバイト先のネトゲカフェの娘でもある望は主人公の家の事故のことなども良く知っておりアレコレと世話を焼いてくれる。家にカネをいれるためバイト戦士になり、特待生を維持するため勉強を頑張っている主人公を嫁のように支えているのだ。妹は事故により下半身が不具になりほぼ寝たきりの生活を送っているためお兄ちゃん大好きっ子な駄々甘少女として懐いている。この二人の存在が物語を支えているといっても等しい。
 

妹の介護

第1話は挫折系主人公復活モノにありがちな展開で自分ではなく第三者の都合で大義名分が与えられるパターンが発動する。バイト先の店長(のぞねぇの父)が経営に失敗し監督していたeスポーツのプロ選手チームが脱退してしまうことから物語が動き出す。主人公が一流の凄腕ゲーマーだったことを知る店長は、彼に大会出場を懇願するのである。躊躇する主人公であったが、彼がトラウマと自罰意識により大好きだったゲームを封じていたことは皆が知っていた。そのためこの借金返済は彼にゲームを正当化させる免罪符となったのである。そしてまたもう一人のヒロインを登場させるために、主人公がトラウマを克服するきっかけ作りの存在として設定される。主人公は長らくゲームを離れていたことやトラウマによりいまいちパフォーマンスを発揮できずにいたのだが、かつてのゲーム仲間ばくれつ君がチャットを飛ばしてきたことで復活するのだ。そのばくれつ君こそがメインヒロインである三枝悠宇だったというワケ。個人的には幼馴染ののぞねぇエンドになって欲しいのだが、三枝悠宇√なんだろうな。
 

のぞねぇ可愛いね
ばくれつ君の存在でトラウマ克服する主人公

2023年秋アニメ第1話感想まとめ