全九州周遊鉄道構想を実現することで主人公が事故のトラウマから解放される話。
ヒロインたちと向き合うことで観光鉄道に関する諸問題の解決策が浮かぶという形式。
解決方法は極めて杜撰なご都合主義で、詳述されずに成功するので、割り切りが必要。
「鉄道産業の復興」と「ヒロインとのフラグ構築」を「トラウマ解放装置」とした所に限界があった。
このライターは家族や地域などの狭い関係性を描くのは上手いが政治行政経済ネタは微妙になりがち。
グランドルートなので全てが上手く行った奇跡的な世界線の話と仮定して頑張って読み進めましょう。
ラストは鉄道復権のために「交通の足」を生み出すため新幹線を作るよエンドとなります。
前作は小奇麗にまとまっていたのに本作はむやみやたらに広げて無理矢理収束させた感じが強い。
九州周遊観光鉄道を富裕階層向けにブランド化して世界的な規模で成功させ、交通の足としては新幹線建設を目指すというノリ
主人公のトラウマ解放と九州周遊観光鉄道の建設
- 【1】主人公のトラウマ解放装置
- 主人公には鉄道事故で両親と妹を亡くしたというトラウマがありました。しかも家族を亡くした原因は主人公が妹に先頭車両を見せようとして台風の中での運行中にも拘わらず車掌や乗務員の命令を無視して席を離れたからでした。一方ハチロクはその鉄道事故を起こした蒸気機関車を操っていました。台風で橋が崩壊したので機関車を転覆させ、墜落から免れようとしたのです。つまり主人公の家族を死に追いやった事故そのものを起こしたのがハチロクだったのです。こうして主人公とハチロクは最高のパートナーでありながら、お互いに苦しみを抱えていたのです。グランドルートは、主人公が自分のせいで最愛の実妹を死なせてしまったという自責の念から解放されることが基本路線となっています。このトラウマ解放のために、鉄道産業の復興とヒロインとのフラグ構築が利用されるのです。
- 【2】全九州鉄道周遊計画
- 鉄道産業の復興については、全九州を鉄道路線でつなぎ、そこに富裕階層向けの鉄道ツアーを走らせることが試みられます。人吉市周辺の地域振興レベルでは何とかまだ説得力がありましたが、規模が拡大するにつれてキナ臭くなっていきます。九州(律令制下の旧国名による行政区分)ならではのブランド化を図るため、客車を旧国名をイメージした9つのパターンに分けるとか言い出したのを始めとして、(現実においてコロナ禍による外国人観光客の死滅を目の当たりにしている状況下で)インバウンドを提唱して海外からの投資を呼び込むとかいう展開になっていきます。色々と問題が発生する中で、あまりにもご都合主義的に片が付いていくので、ライターのマッチポップ感は否めないかと思います。あと問題が大きくなりすぎると行政や経済の話になり、「蒸気機関車と機関士」という側面は薄くなりがち。みくろがデゴイチまで担当しだすのってプレイヤーの皆さま的にはアリなの?ハチロクアフター(実質オリヴィ√)でアメリカ式と日本式のレイルロオドの違いを強調し、アメリカ式が汎用性に優れる一方で日本は一つの機関車とセットという点から物語を構築していたのに、みくろはデゴイチと組んじゃいます(一応、本文中にみくろがD51を動かすことについてのフォローはある)。
- 【3】新幹線エンド
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参考
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