ダンジョン飯3話感想「魔物食により魔物を体内に取り込むことで、自らが魔物になりたいという仄暗い欲求を満たすライオス」

今回はライオスがいかに魔物への偏愛を持っているかという側面が強調されたお話であった。
ライオスは魔物に造詣が深く、観察眼と洞察力を持ち、貝上群体魔物の新たな生態を解明するが……
解明するだけでは飽き足らず、魔物を摂取し、自分の中に取り込みたいという欲求があった。
その背景には自らが魔物になりたいという後ろ暗いライオスの願望が見え隠れする。
その証左としてライオスは寄生していた貝状群体の魔物を仲間に内緒でコッソリ確保していた。

魔物を食べることは、自ら魔物になりたいというライオスの代償行為

魔物の生態について従来の学説を覆す真相を解き明かしたライオス

今回はライオスの魔物狂いの側面が描かれた。具体的には動く鎧の秘密を解き明かすというもの。従来の学説では、鎧は魔力で近くにいる第三者により操られているという説が濃厚であった。それ故、鎧は無機物なので食べることは出来ないと考えられていたのである。だがどうしてもライオスは鎧を食べてみたいという願望を持っていた。

ともあれ、彼らの目標はファリン救出であり、食料になる可能性も低いのにあまりかかずらってもいられない。そのため相手をせずスルーし先を急ぐ作戦を取るのだが、通例とは違って動く鎧たちが一斉に扉を塞いだため先に進めなくなってしまう。これに対しライオスたちは囮作戦を取り、マルシル、チル、センシたちが囮になって動く鎧を引き付けている最中に、ライオスが扉を開いて次の部屋に進むという方針を立てる。次の部屋でライオスが見た物は、さらに強そうな動く鎧の上位種であった。ライオスは死闘の中でも相手を分析することに長けており、彼の観察眼と洞察力が素晴らしいものであることを視聴者に提示する。なんと動く鎧は魔力で操られていたのではなく、隙間に貝状の生物が入り込み群体で鎧を動かしていたことを見抜くのだ。さらに盾の後ろにへばりついていた卵を発見したことから、ちょうど彼らの産卵時期に当たり、防衛本能を刺激していたのだと見抜く。そのため卵を遠ざければ万事解決!と、いうことで盾ごと卵を後ろの部屋に放り込み、全てを解決した。

問題解決後は魔物食タイム。センシも初めて料理する魔物ということで若干渋るもライオスは貝柱に似ていることなどを指摘し何とか説得、乗り気にさせる。こうして動く鎧に寄生していた貝状群体生物を炒め物、焼き物、蒸し物、汁物に調理していくこととなった。何だかんだ言っても最後までちゃんと付き合って食べるマルシルのお約束の芸も光る。魔物に関して偏愛を見せるライオスの姿が、その変態性が、マイルドな感じにされつつも提示された。ゴールデンカムイの姉畑支遁に通ずるところがあるな!ライオスがヤヴェー奴であることの証左として、仲間に内緒で貝状群体魔物をコッソリと確保していた。ライオスは壊れた剣の代用品として、動く鎧の剣を拝借したのだが、そこに貝状生物の残滓が住み着いていたのであった。

何だかんだでライオスに付き合うマルシルたち
今回の料理