ダンジョン飯4話感想「センシ回。ダンジョン内における食物連鎖と生態系の構築」

A-partはゴーレム畑。土で出来ているゴーレムの背中に畑を作りダンジョン内で野菜をゲット!
このゴーレムはセンシが管理しているものであり、多大な手間暇をかけて維持していた。
ライオスたちがその理由を訊ねるとダンジョン内の生態系の均衡を考えての深いものであった。
自然との調和というか、人間の畑や森の管理も自然の一部の中に組み込まれているんだよというお話。
B-partはレッドドラゴンに集落を追われ、新たな階層に移住してきたオークの話。
移住と言ってもそこには先住者がいるわけで、オークと人間の抗争に発展していく。
センシはパンを作りたいという理由だけでオークと交渉し、何故か全てが上手く行く展開となる。
マルシルとオークのレスバが見所でありお互いの主張を腹を割って話したことで和解する。
図らずも料理を一緒に作ることになり、共同作業を通じて相互理解が進んだ!というオチになる。

A-part:ゴーレム畑~人間による畑の管理も自然の中の一部であり調和~

ゴーレム畑による生態系の維持管理も自然の営みに組み込まれていたんだ

今回はセンシ回であり、真面目なお話になってきた。これまでは狩猟生活により取れた魔物を食べていくと言うゲテモノ料理モノとしての側面が強かったが、いよいよ食を中心とする生命そのものの深いテーマを扱う事が見え隠れしてきた。ダンジョン内では新鮮な野菜を取ることなどできず、ビタミン不足に陥るのは必定。だがセンシには何か考えがある様子。なんとセンシは2階と4階で狩りをし、3階では土で出来たゴーレムの背中に畑を作っていたことが判明する。こうして4話A-partでは農作業をすることになる。これまではゲテモノ食いであったが、今回はフツーに野菜なのね(ゴーレムの土で出来ているけど)。ここで語られるのは食物連鎖の一端であり、雑草を抜き、枯れ草が土に還り、糞尿を肥料として野菜を取る循環が語られていく。マルシルは糞尿が野菜となったことを想像し、ウェッとなってしまうが、チルチャックからそれは地上でも同じだと諭される。ライオスたちはセンシが多大な労力をかけてゴーレム畑を維持管理していることを知り、その理由を訊ねる。すると返ってきたのはダンジョンという生態系という観点からの答えであり、人間が畑や森林を管理していることも大局的に見れば自然の営みに組み込まれていることの一つであることが語られる。人間の管理がなくなれば、自然そのものに還るというのは誤りであり、そこにはただ荒廃があるのみだと言う。まぁその荒廃こそが自然そのままなのかもしれんが。

B-part:オークの移住~先住民との抗争と和解~

パン作りとレスバ

センシ回はB-partも続き、今度はセンシの旧知の仲であるオークが扱われる。なんとこのオークたちはレッドドラゴンに追われて自分たちの居住区から移住してきたのだという。そのため状況は逼迫しており、人間を殺しまくり略奪の限りを尽くす。これらを見ても平然としているライオスたちよ……。センシはパンを作りたいことしか頭になかったが、そのおかげでなんかすべてが上手く行った。ここでは移住における先住民との関係がテーマになり、はたまた冒険者の在り方にまで話が及ぶ。19世紀~20世紀前半の帝国主義下における移民と資本輸出の話でもあるが、何もその時代に限らず騎馬民族征服説とか大和朝廷の東征とかもそうだよなと。で、主にマルシルとオークの頭領がレスバを繰り広げていたのだが、ライオスにも話が振られ、日銭稼ぎで将来のことなど考えていない冒険者が糾弾されることになる。この会話に思うことがあったライオスは、迷宮の王となったことを念頭に入れて行動すると応えるのだが、それがまさに本当に王となるフラグであったとは。

今回の料理

ダンジョン飯4話の料理