ダンジョン飯7話感想「生態系を守るとかいうのは人間の傲慢であり、人間もまた生態系に組み込まれているのだ」

センシ回その2。魔法を忌避してきたセンシがマルシルとの交流により理解を示す話。
どこぞの社会運動家のように自然保護や生態系の維持に拘るセンシは近代文明を否定する。
近代文明が自然を破壊する元凶であるとし、頑なにその利用を拒絶するのである。
だが自然は人間の手に負えないものであり文明はそれに順応するものだと理解するようになる。
つまりは人間もまた生態系に組み込まれているのでありそれを守ろうとかいうのは傲慢なのだ。
悟りを開いたセンシはマルシルの魔法にも理解を示すようになり視野狭窄が啓けた。

近代文明は自然を破壊するものではなく、自然の脅威に対応するため人間が生み出した生態系の一種

マルシルと和解し髭を洗って貰うセンシ

センシの掘り下げ回その2。今回は魔法を忌避する理由と偏見からの脱却が描かれる。水上を渡らなければならないライオス一行は水上歩行の魔法をマルシルにかけてもらうのだが、魔法アンチのセンシはそれを拒否する。ではセンシが取った方法とは!?それは水棲のウマの魔物に乗るという発案であったが、案の定水の中に引き摺り込まれてしまう。センシが可愛がっていたウマは、その背中にセンシが乗ることを虎視眈々と狙っていたのである。流石のセンシもショックは大きかった。それを不憫に思ったマルシルは、魔物の身体の一部を作って石鹸を作ってあげることにする。自然主義者のセンシは髭を洗うことなどしたことがなかったが、マルシルの心意気に触れ、石鹸で髭を洗い、ブローし、フワモコになる。こうしてあんなにも魔法を嫌っていたセンシだったが、マルシルの人柄により魔法を受け容れていく。
 

マルシルやライオスとの関わりの中から啓蒙されるセンシ

またマルシルとの交流はセンシに自分の考えが傲慢であることにも気づかせていく。センシは自然保護を唱え生態系の維持に固執するナチュラリストであり、マルシルの魔法が魔物を殺し過ぎることを批判していた。生態系が崩れてしまうではないかと。だが巨大軟体動物との戦いにより、人間が生態系を守るという考えそのものが驕りなのだということを悟っていく。小型魔獣が増えているのに中型魔獣が減少していることに違和感を抱いていたセンシであったが、その理由として中型魔獣が大型軟体動物に食われまくっていたことを知る。その大型軟体動物をライオスたちが食ったことによりバランスが元に戻ったのだ。さらにライオスが生食いしたことにより寄生虫に当たっている姿を見て、センシは啓蒙される。人間もまた生態系の循環に組み込まれているのだと。こうしてセンシは単なる視野狭窄な偏屈さから抜け出したのだ。

マルシルかわいいね集

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雑炊&かば焼き

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