ダンジョン飯14話感想「トーデン兄妹(特にライオス)に対し異常に拗らせた感情を持つカブルー」

ライオスパーティーから一転、カブルーたちへと視点が移る話。
カブルーは人間という種族そのものに興味を持っており人文・社会系に強かった。
個人一人ひとりが持つ思惑が集団になると相乗効果を発揮する事に興味を惹かれていた。
そのためダンジョンで会った個人は事細かにその人となりを覚えていたのであった。
また人間に興味があるため対人戦には滅法強く、チンピラたちを嬲り殺しにしていく。
だが自分の信条が絶対的に正しいと思い込んでいるフシがあり冷酷な所も併せ持っていた。
そして高邁な理想を掲げるも魔物戦に関してはからっきしであり実力が伴わない。
ライオスたちに対しては人間に興味が無いと断罪し、見下しながら危険視していた。

ダンジョンが探索され尽くすと冒険者離れが深刻になり魔物が溢れて外部を侵食する

トーデン兄妹に粘着するカブルーさん

戦争によって戦争を養う。戦争によって利益を得ている者たちにとっては戦争など終わらず永遠に戦ってくれていればいいのだ。ダンジョンが所在する島の領主もそうであり、別にダンジョンの謎を追究しなくとも冒険者たちが落とすカネにより利益が上がればそれで良かったのである。お前らは一生ダンジョン探索していろ。だが枯渇しない資源が無いように、ダンジョンも探索され尽くされてくる。お宝の無いダンジョンなど攻略するうまみも無く真っ当な冒険者たちは去り、残るのはチンピラ。チンピラは迷宮攻略も魔物討伐も行わないため、次第に魔物が溢れていきダンジョン外にも漏れ出していき、最後は現実が侵食されていく。それを防ぐためにカブルーは迷宮の秘密を解こうとしているのであった。だがカブルーは高邁な精神を持ちながらも実力が伴わず魔物に殺されてばかり。また他者を推察することができるが、それで全てを分かった気になり、自分の思想にそぐわない人物に対しては見下しがちであった。ライオスたちに対しては人間に全く興味が無く魔物にしか関心が無いと評しており、危険視していた。そんなわけで人文社会系に長け世渡りや交渉は上手いが実力は無く迷宮を攻略できないカブルーは、強いパーティーに寄生することを試みる。異邦人のサムライがファリンを愛しており心配で憔悴していることを見抜くと、話術で近づき取り込もうとする。こうしてもう一人の主人公とも言うべきカブルーを視点に描かれたのが14話だった。

巧みな話術で相手の懐に入り込み利用する
今回のダンジョン飯