ダンジョン飯21話感想「ダンジョンの謎編~島主サイド/不老不死の住民サイド~」

魔物を食べて自給自足しながら妹を救いに行く話から一転、ダンジョンそのものの謎の話へ。
最初は珍奇な魔物食という側面が強かったダンジョン飯もセカイ設定考察系へと話がシフト。
大抵の作品は話が作者の脳内で生み出した世界観の説明になるとつまらなくなってくるのだが…
なんとこの作品はセカイ観が深みのある物になっており食べる事の根源的テーマに迫るのである。
今回はそのセカイ観の一端が示され、カブルーサイドとライオスサイドからアプローチされた。

ダンジョン飯のセカイにおけるダンジョンとは何か

迷宮攻略に一番近いライオスが魔物の事しか考えていないという悲劇

いよいよ今回からダンジョンそのものの謎について迫る。カブルーサイドとライオスサイドからお届け。まずカブルーサイド。リレミトにより地上に戻ったのも束の間、なんとダンジョンが所在する小島が西方のエルフたちに目を付けられており、島主が脅されている状況にあった。ここでカブルーの過去が語られ、エルフとの関係性が示される。各地にあるダンジョンは魔物が溢れ出すようになり、エルフたちがそれを管理しているのだとか。カブルーは過去において自分の故郷のダンジョンが暴走し、滅亡した過去を持っていた。その二の舞を防ぐことこそが彼の行動原理であることが判明する。自分で攻略できれば全てが上手くいくのだが、実力不足により悉く全滅。そのため迷宮の謎に一番近いパーティーを探しライオスが妥当だと判断するが彼は魔物の事しか考えていなかったのである。このまま放置しておけばエルフたちの想いのままになってしまう。と、いうわけでカブルーは迷宮の封鎖を提案。しかし隊長から謀略は見抜かれており、お手並み拝見されることになる。
 

ミノタウロスを搾乳して昂奮するライオス

一方でライオスたち。イヅツミが何も無いところを見ていることから、ライオスは自分の幻聴が幻聴ではなく霊体の仕業であることに気付く。これがダンジョン攻略のフラグとなっており、黄金郷へと導かれることになる。ここの住人たちは不老不死となっており、生きる上で何もしなくて良いのだが、何もしないと発狂してしまうので、意味もなく労働をしているのであった。畑を作り作物を育てて魔物を家畜化し、無理やりにでも仕事をする。その証左としてライオスたちは食事に招かれるのだが、住民たちは食事を必要としていなかったので、料理に味付けがついていない程であった。狂乱の魔術師の箱庭世界の呪縛から逃れるために黄金郷から逃げて塵となったデルガル。そしてその孫を筆頭に黄金郷の住民たちから不老不死の呪縛から解き放つことを求められる。妹を助けることが目的であったライオスは、それを達成するために世界を救うことになる。

ダンジョン飯感想まとめ