リコポケ11話「親に敷かれたレールを何も考えずに走り続けた結果、職業で挫折してしまった人生の末路」の感想・レビュー

親からの期待に何も疑問を持たず言われるがまま進学・就職したが仕事に耐え切れずドロップアウトした話。
モリーさんは代々ポケ医者の家系であり自身もそうであるように期待され自分でも疑問に思わなかった。
言われるがままに勉強して進学・就職したが、主体的意志による自己決定をしてこなかった報いを受ける。
ポケセンで患者を待ち、ただ治療するだけの毎日はモリーさんの性分にあっておらず次第に心が蝕まれていく。
その結果モリーさんは退職するに至ったのであった。そんな彼女を心配する親とは現在も上手く行っていない。
いくらフリード博士の所属医師とはいえ、定住せず流浪の暮らしをする娘に対し、親は家に帰って来いというのだ。
親に反発するモリーを見て、年長者ズはこちらから連絡しないから親は心配して連絡してくるのだと評する。

主体的な意志決定をしたリコを見て、ドロップアウトしたモリーさんが眩しく感じる

親と上手く行っていないモリーさん
  • 自分のやりたいことを見つけようともしなかったモリーさん
    • 今回の主役はまさかのモリーさん回。フリード博士の所に集うクルーたちはどうやらワケアリ集団のようで、彼らを中心とした群像劇をやるっぽい感じ。これまのリコポケでは一貫して、自分のやりたい事は何かを自分で見つけ自分の判断で自分の意志を貫くことがテーマとなっていた。リコがその役割を担わされていたわけだが、そうするのは大変難しいことでもある。と、いうわけで、そうできずに大人になってしまった者の象徴としてモリーさんの過去が描かれた。

 

主体的意志決定をしたリコを眩しく感じ、そうでなかった自分の過去を語るモリーさん
  • 職場で上手く行かず退職したモリーさん
    • モリーさんは代々続くポケ医者の家系であり、恐らく優秀でもあったのだろう。親の言うことに何も疑問を持たず、敷かれたレールを滞りなく歩み続けて行った。しかし挫折を経験しなかったモリーさんは就職してから自己の意志を持たなかった報いを受けることになる。ポケセンでの勤務はモリーさんの気質にあっておらず、ソウルジェムが澱んでいき、ついには退職に至った。モリーさんはただポケセンで患者を座して待ち、唯々バトルで傷ついたポケモンを治すだけの日々に耐え切れなかった。積極的に現場に出て怪我や病気で苦しむポケモンの治療に当たりたかったのであった。

 

ジョーイさんを続けることができなかったジョーイさん、それがモリーさん
  • 挫折した後でも人生は続く
    • 挫折したモリーさんが行き着いた末路がフリード博士の飛空艇であり、各地を流浪しながら傷ついたポケモンを治療することで代償行為と成して行った。そんなモリーさんだからこそ、リコが思春期において主体的意志決定を行ったことを眩しく感じており、年下の少女に過去を話す気になった。モリーさんとリコは、干からびた水棲ポケモンの治療を行うのだが、この時に過去の挫折を語っていく。モリーさんはいくらフリード博士の下に所属しているとはいえ、飛空艇での流浪の日々はルンペンプロレと変わらないのかもしれない。また世間体や親戚づきあいにおいても肩身が狭い思いをしているのかもしれない。それでも今、挫折のトラウマを抱えながら、ホントウに自分がやりたかったものと向き合っているのである。年齢を重ねてからの挫折はダメージが大きく、もう何にも成れないという絶望が付き纏いがちである。だが挫折した後でも人生は続く。所得や社会的地位といった点だけで考えれば、モリーさんの末路は嗤われるのかもしれない。それでもモリーさんは自分の性分に合っていて強みが生かせる場所に辿り着いたのであった。

 

その他みどころ

ドットちゃんがガチヲタであると思い込み同志を見つけたと大喜びするリコちゃん

ポケモン感想まとめ