自己肯定感が低く好きなモノに自信を持てないミチルが仲間たちに肯定される話。
千鳥ミチルは忍術研究部の部長。だがしかし忍術研究部は正式な部では無かった。
部への昇格には活動実績と他の3つの部からの推薦が必要だったのである。
活動実績は定期的な動画配信及び同人誌の作製・即売会への参加で満たしていた。
では何故、他の3つの部からの推薦が得られないのか。
それは部長のミチル本人が過去のトラウマにより忍者そのものを肯定出来ずにいたから。
忍者などアニメや漫画にすぎない無用の長物だと馬鹿にされることを何よりも怖れていた。
だがミチルのその態度こそが忍者に対する冒涜ではないか!?
苦悩するミチルに対しツクヨ、イズナ、イブキがそれぞれミチルを後押しする!
全てはニヤによって仕組まれていたものであったがミチルは見事に忍者を完遂する。
自分が好きなモノを周囲に馬鹿にされ続けた結果、好きなモノを好きと言えない臆病な少女が生まれた
- 千島ミチルの苦悩
- 千鳥ミチルは明るく活動的な忍者ヲタク!動画共有サイトでは自らのチャンネルで忍者動画を配信し、出版活動では同人誌を作って即売会で配布する程であった。だがしかし、忍術研究部を部として昇格できずにいた。その理由としては、他の部活から推薦を取り付けることができなかったから。いや、ミチルは過去のトラウマから自身の趣味を他者に開陳することに臆病であり、推薦して欲しいと言い出す事すら出来ずにいたのだ。ここら辺はいにしえのヲタクなら誰しも共感できるのではないだろうか。今でこそ市民権を得つつあるが、アニメ漫画ゲームなどはヲタクが好む低俗なものであり、趣味として公言するには憚られるものであった。ミチルも過去に忍者好きであることを馬鹿にされたのであろう。ミチルは自分が忍者を好きであることに自信が持てず卑屈になっていたのである。だがそのミチルの態度こそ忍者を冒涜するものであった。苦悩するミチルは逃げ道として、他の部活ではなくて先生に推薦してもらうことを思いつく。
- 観光イベントでの手伝いだったはずなのだが
- ミチル、メンタル崩壊
- 最初の方はアトラクションとして順調に謎解きゲームを攻略していたが、追い詰められた敵が本気になると、忍術研究部たちは窮地に陥ることとなる。ここでミチルは自分が部への昇格という安易な欲求に釣られてすぐに事態を報告せず隠蔽したためにイブキを危険に晒したことを痛烈に後悔する。それでも自分たちが問題を解決すると請け負えればよかったのだが、ミチルにそんなメンタルは無かった。
- ツクヨ演説とミチルの奮起
- 全てを諦めようとするミチルに対し、仲間たちが後押しをするシーンが本シナリオのハイライト。特にツクヨは名場面である。ツクヨは自分の長身(180cm)にコンプレックスを抱いていたが、それを長所として認め忍者にスカウトしてくれたのがミチルに好意を抱いていた。勿論ツクヨは、ミチルが自分を本当に理解してくれたのではなく、単なる人数合わせのスカウト目的であったことにも気付いていた。またミチルがどうして他の部活に推薦書を貰おうともしないのかについても薄々と勘付いていた。だが忍術研究部でミチルが良くしてくれたことは紛れもない事実であり、それがツクヨの救いとなったのだ。ツクヨの告白はミチルの心を突き動かす!ミチルがイブキと交わした忍者の誓いを思い出し奮起する姿は一件の価値アリ!イブキはミチルと交わした約束を信じ、攫われても泣き出さずに救出を待ち続けてくれていた。忍者としての矜持を燃え上がらせたミチルは、弱気な自分を克服して立ち上がるのだ!こうして誘拐犯からイブキを救い出し、ハッピーエンドに終わった。
- 大人としての責任・先生としての受容
- 事件後、今回の騒動を通してマスコミの報道もあり忍術研究部の認知度も上がったが、ミチルは自分のトラウマを克服するまでは部への昇格を一旦保留することにした。またミチルが先生に自らの過ちを詫びるシーンでの先生の対応はグッとくる展開。ミチルが先生に対して自分の弱さを露呈し、みっともないところを見せてしまったことを恥じるのだが、先生はそれを大人としての度量で受け入れるのである。ブルアカのコンセプトとして大人としての責任がテーマとして扱われるが、今回のミチルへの対応もその一種。ミチルに迷惑をかけられたことを迷惑とも思わず「大丈夫だよ、そういうのに付き合うのも先生だから」とミチルを受容するのだ!私もこんな先生になりたかったものである。
- もちろん指導もちゃんとする
- オチとなるのはニヤへの説教。ニヤは先生の実力を試すという自分勝手な都合により、忍術研究部の純粋な気持ちを弄び、イブキの身を危険に晒したのだ。先生は自分が試されるだけであったなら笑って済ませたであろう。だがニヤがやったことは他の生徒に迷惑をかけるものであった。流石にこれを看過することは今後の為にならぬ。先生は珍しく真面目モードになり説諭を開始。学園トップで才能に依存する余り「怒られる」という経験が無いニヤは、お灸を据えられる形となった。