【感想】ブルーアーカイブ「にぎにぎと ゆきゆきて」(2024.03.27-04.11)

里浜ウミカ曇らせ劇場。ウミカを闇落ちさせることだけを主眼にして描かれた感がある。
突如ゲヘナ学園が百鬼夜行へ修学旅行に来ることになり、その準備と運営で大慌て。
しかも担当は適当にルーレットで決められお祭り運営委員会が割を食うことになる。
その上狙ったかのようにシズコが不在でありウミカが仕切りをしなければならなくなる。
助けを求めて修行部に行くも、ここでも不自然にしっかり者のミモリが不在であった。
ウミカを主役に据える為に、適材の人物が軒並み排除されていることに違和感があるのだろう。
シナリオは基本的にスケジュール通りに進行させられずにウミカが曇っていくというパターン。
多分「伝統的な祭事の観光化による神性の消失」をテーマにしようとして失敗したのかもしれない。

ウミカを曇らせる為に用意された舞台装置

シズコ不在の中、なんとか頑張ろうとするウミカだが……

今回の主役を張るのは里浜ウミカ。彼女はお祭り運営委員会の1年生の身であり書類仕事や行政事務には長けていたが、運営や交渉にはまだまだ経験が浅かった。なぜそんな彼女がゲヘナ学園の修学旅行の仕切りをやることになったのか。ゲヘナ学園が来ると言うのに、百鬼夜行の実質的な長であるニヤは何も準備をしていなかった。さらには、その対応をルーレットで決めたとか言って、お祭り運営委員にやらせることになる。さらには委員長のシズコが狙ったかのように不在であった。また、ウミカたちは修行部のメンバーに協力を求めることになるのだが、ここでも一番しっかりもののミモリが意図的に不在であった。かくしてトンデモ任侠ヲタクのフィーナ、精神年齢小学生男子のカエデ、いつも寝てばかりいるカビゴンのツバキしか人材がいなかったため、ウミカが仕切らざるを得ない状況が作られたのであった。
 

何一つ上手くいかずソウルジェムが曇って行くウミカ

またゲヘナ学園側においても、学園の良心である風紀委員会が百花繚乱との会談があるとかなんとかで旅行そのものから外されてしまう。そのためゲヘナの生徒たちは手の付けられないヤンキー集団と化したのであった。ウミカが必死でガイドを務めようと説明しても、誰も聞いちゃいなかったのであった。ここからは展開がパターンに入り、見学地に行く→旅行を失敗させようと魑魅一座が画策する→だがゲヘナの生徒はまるで気にしない→結果オーライだが進行予定からは遅れてウミカが曇って行くという繰り返しになる。
 

ウミカの自虐タイム

ここで介入してくる魑魅一座についてなのだが、彼女たちが抱えている狙いをシナリオのテーマに据えればまだ読み応えがあったかもしれない。魑魅一座は自分たちの地域で行われているお祭りが観光資源として消費されることに不満を抱いており、祭事としての奉納がエンタメ化し神性が失われることに納得できなかったのだ。それ故、事ある毎に邪魔してきたというワケ。これは現代的にもインバウンドにより伝統行事が外国人観光客の見世物となることで興味深いテーマだし、観光目的となったこと神事が歪曲化されていくという点でも深みがあるテーマにできた。しかしながらこのテーマも雑に処理され、単なる魑魅一座が介入するためだけの理由付けとされてしまった。
 

何とかミスを挽回しようと頑張るが全ては裏目に出る

ラストでは曇っていったウミカがとうとう闇落ちする。落ち込むウミカに対し、皆は旅行にはアクシデントがつきものであるし予定表通りにスケジュール進行させるなんて全てを知っていない限り無理だよと慰めてくれるのだが、彼女はそれを曲解するのだ。スケジュールに幅を持たせるために後で運ぶ花火を事前に搬入して安心感を得るのだが、これが災いとなって神事の最中に暴発してしまうのである。ウミカは自分の安易な行動により全てが無茶苦茶になってしまったと自罰意識に苛まれ精神崩壊!ついに闇落ちしてしまう。そんなウミカを救うのが我らが先生というのもパターンであり、優しい言葉でウミカを励ましていく。結局、この花火暴発事件も体験型イベントの一環として処理され、事なきを得た。こうしてウミカは無事に修学旅行の仕切りを終わらせることができ、行事中に色々と手伝ってくれたゲヘナのエリカやキララとも友好を深めることができた。

風紀委員会の人々は折角の修学旅行だったのに出番は最後にごくわずか。ウミカたちをサポートしてガイド能力を身に着けた先生が、ヒナとアコをエスコートして3Pハーレムとなる。イオリとチナツのことも思い出してあげてください・・・。

ついに精神崩壊し闇落ちしたウミカ