加藤陽子『満州事変から日中戦争へ』(岩波新書)感想メモの断片

日中戦争は討匪戦と見なされており、報償・復仇という見解が強かった。
当時の日本の為政者や国民がいかなる経緯で復仇を主張するようになったかのかを解き明かすことがテーマとなっている。

テーマの視点となっているのは以下の通り。

  1. 満蒙特殊権益
  2. ヴェルサイユ・ワシントン体制と20年代
  3. リットン報告書
  4. 内田外交
  5. 33年以降の中国の対日宥和
  6. 華北分離工作
  7. 日中戦争の特質

国際連盟脱退

松岡洋右「なんとかして連盟に残っていたかった」

  • 和協委員会 米ソ招請 日本政府反対
  • 19人委員会起草報告書 イギリス妥協申し入れ 日本政府拒絶

斎藤実内閣 内田康哉外相 「中国政府内の親欧米派の圧迫」
 熱河作戦との連動

満蒙問題

満蒙の権益(日本人に戦いを不可避とさせる憲法原理)
=戦勝による講和条約によって規定されたもの
→原初から国際法的な色彩を持たされて成立 国家権力との深い結びつき

近衛「国民政府を相手とせず」 何故和平交渉の打ち切り?

  • 積極的な意義付けを持たされないまま始まった日中戦争の意義付け
  • 革新官僚の議論により粉飾するも宣戦布告せず
  • 中立法のジレンマ→イデオロギーの必要

⇒東亜新秩序

野島博之「文学がとらえた戦争」

石川達三「生きてゐる兵隊」
不十分な補給のままの追撃戦による鬱憤、中国兵への蔑視の感情

  • シナ兵が追い詰められると軍服をすてて庶民のなかへと紛れ込む常套手段
  • 投降は卑怯だとする日本兵の文化的素地
  • 捕虜の取り扱いに困る

⇒この混乱の渦中に南京事件は起きた。





岩波新書からシリーズ日本近現代史(全10巻)が刊行されて、その第5弾を読む。
大学生なので結構新書とか読むのですが、学科メイトさんからなんで新書なんて読んでんの?とか聞かれるような校風なのです。
いや、別に・・・趣味?とか答えてます。

を読了したので気が向いたら感想書く。