歴史-文献
参考になった箇所をまとめておく。 帝国日本の欠陥 明治憲法体制の問題点 「統帥権独立」の始まり 明治憲法の分立制に対する井上毅の説明 明治憲法体制下におけるリーダーシップ 陸海軍の対立、陸軍省と陸軍参謀本部の対立、海軍省と海軍軍令部の対立 陸海軍…
『呉市史』の第三巻は明治16年から大正15年までの呉海軍について記載してある。 以下、呉市の通史に関する箇所をまとめておくこととする。 鎮守府開庁以前 明治16年 海軍省水路局の基本調査の開始 「日本の沿岸を東西二部の海軍区に分けた(常泊所-東京湾・長…
本論の内容 軍港都市としての呉は空襲と敗戦により断絶したが、占領政策の変化と自衛隊の創設により軍隊の街として連続しており、「赤れんが」という海軍イメージの利用により、空間的な広がりを見せている。 はじめに 平和産業港湾都市 「平和産業港湾都市…
※掲載順 『史学雑誌』127編第5号(2018.5) 佐藤理恵「維新期佐賀藩海軍とその終焉」(『佐賀大学地域学歴史文化研究センター研究紀要』一二) 佐賀藩海軍の動向を追い、明治新政府海軍への収斂を展望した 山田裕輝「幕末期萩藩の海軍建設とその担い手」(『年報…
第一節 戦争・敗戦 一、北海道空襲 及び 二、敗戦 第二節 米ソの影・米軍占領と北方領土 一、飢えとヤミ市 二、米軍が上陸、間接統治 三、北海道社会党の実力 四、農地改革 五、北方領土返還をめざし 第三節 田中道政とその時代 一、初めての民選長官誕生 二…
アイヌ史研究に関する問題点のメモ 現在のアイヌ史研究で重要なこと(21頁) 「「アイヌ民族を取り巻く現状を正しく見据えた研究」をしていかなければならないということ」 問題意識の欠如(21頁) 「〔……〕研究者の関心のある問題をアイヌ民族を取り巻く現在の…
原敬を考える意味−はじめに (17-28頁) 本書の趣旨「原の第一次大戦後の新状況への対応」(18-19頁) 「本書では、原の生涯をたどりながら、彼が第一次世界大戦後の新状況にどのように対応していったのかを見てみたい。そのことで、理想を持ちつつ現実的に対応…
戦後歴史学・階級闘争史観・明治維新は単なる封建勢力内の権力移動という論調の明治維新。 この1冊だけ講読するのではなく、近年の新書などではどのように明治維新が描かれているかとかの対比をすればよかったかもしれない。 大衆向け新書⇒講談社現代新書(板…
明治維新を、天保12(1841)年の幕政改革から明治10(1877)年の西南の役の期間における、絶対主義形成過程と捉える歴史叙述。 概要 倒幕派の背景には尊攘思想があったので、明治新政府は対外膨張を孕んでいた。征韓論は、対外膨張VS国内統治の対立ではなく、権…
概要 王政復古の大号令の思想は公議政体論と共通するため、慶喜の新政府への参加の是非が問われたが、薩長は強行的に旧幕府との戦争を引き起こした。故に新政府は批判を受けたため、自己の権力を正当化するため五箇条の御誓文や政体書を出した。だが、それら…
概要 尊王攘夷運動は8月18日の政変、禁門の変により挫折した。第一次長州征伐に際し、奇兵隊などを組織したことで、藩主を擁する藩庁側に銃火を浴びえることができ、封建道徳的名分論に関して倒幕派は尊攘派よりも深みを増した。一方、条約勅許により開国は…
概要 欧米列強の外圧よりも幕末日本にブルジョワ的萌芽があったという内在性を重視している。 当初、尊王攘夷論は幕府を強化するための理論的根拠だった。尊王攘夷はいつから反幕府となったのか。それは継嗣争いに敗れた改革が井伊攻撃の口実を違約調印に求…
戦後歴史学・階級闘争史観・明治維新を絶対主義革命と捉える。 第一節 問題の所在 明治維新の起源は天保期(p.37) 「19世紀3,40年代の天保期の政治過程の中に、すでに明治維新の政治的本質の原型が形成されていた」 天保期の特徴(p.37) 「封建的土地所有と耕…
植民地帝国日本の始まり 「遼東半島還付が日本政府や国民に与えた深い挫折感は、日清戦争後に出現した植民地帝国の実体そのもの(いわば即時的な植民地帝国)を、自覚的な植民地帝国(いわば対自的な植民帝国)に変える内面的動機となりました。これによって日本…
この本を読むにあたっては戦後歴史学についての知識が必要。 一 明治維新史の学問的確立の条件 明治維新史を含め日本近代史が最も未開拓な分野であった理由 「〔……〕第一に基礎史料が充分に公開されなかったこと。公開された少数のものも、その多くは、学界…
本書の趣旨 大日本帝国とは何だったのか、その本質はどこにあるのか、どういうかたちで滅亡していったのか、そのことが現在のわれわれにとってどう関わっているのか、これらを明らかにする。 以下 参考になった箇所抜き書き 満洲国崩壊の意義 「満洲は朝鮮や…
本章の趣旨 日本降伏の要因に、原爆要因やソ連要因だけではなく、本土決戦要因と条件要因を加えて考察する。 本章の視覚(1) 昭和天皇の決断に最も大きな影響を与えたのは、実は本土決戦要因であった。 実際、8月10日の御前会議において、昭和天皇は、降伏理…
第3章の趣旨 米ソの軍事的圧力が、日本をソ連に接近させたという観点から、日本の軍事・外交政策の双方を再検討する。 そして、その政策は戦争終結の時期や条件の問題とどのような関係にあり、その中で、昭和天皇はどのような政治的役割を果たしたのかについ…
第二章の概要 1944(昭和19)年7月7日、絶対国防圏の一角であるサイパン島が陥落し、7月18日、東条内閣は総辞職する。第二章は、反東条内閣は必ずしも和平運動ではないのではないかという疑問からスタートし、東条内閣瓦解の原因を明らかにする。 第二章で明ら…
第一章概要 1944(昭和19)年2月11日、陸軍大臣東条英機(首相、陸相)は参謀総長を、海軍大臣嶋田繁太郎は軍令部総長をそれぞれ兼任(併任)したが、これは異例の事態であり、統帥権独立の伝統に反したものだった。一章では、統帥部(大本営)の改革論に着目し、国…
まえがき(pp.19-20) 概要 一九一五年の「二十一ヵ条要求」に対応してとられた、アメリカ政府の政策についての研究。 論点 中国政府から支援の多大の期待を寄せられたアメリカ政府が「二十一ヵ条要求」をめぐる日中交渉にどのような対応を示すか。 目的 1.先…
『シベリア抑留』の第二章。第二次世界大戦中における日ソ関係、日ソ戦争、樺太・千島への侵攻、引揚げまでが書かれている。 以下、参考になったところなどのメモ ドイツ降伏後、日本が和平交渉の仲介役として選んだのはソ連 仮想敵国のソ連に仲介を依頼する…
1 陸海軍の情報分析 分析とはどのようなプロセスか(pp.110-114) 情報分析の重要性 分析・評価は、収集したインフォメーション(生情報やデータ)の断片をつなぎ合わせてインテリジェンスを生み出していく過程。 収集したインフォメーションを生かすも殺すも情…
1 通信情報 X機関の設立(pp.80-84) 通信情報への着目の始まり 日露戦争中、ロシアのウラジオ艦隊「ロシア」、「クロンボイ」二隻が東京湾口外に出現した際、ウラジオ艦隊の発信電波を傍受。 組織的暗号解読活動の始まり 1929年、軍令部第二班(情報)に四課別…
この本の特徴 日本の戦争を欧米の侵略に対する抵抗であったと正当化し、シベリア抑留がソ連の国家的犯罪であるとする論調。 1.内容の要約 まえがき 本書の目的 シベリア抑留が少しでも多くの現代人に知られること。 シベリア抑留とは何か 概要 ソ連の対日参…
本稿の趣旨 少国民世代に付与された植民地教材(教科書や児童書)は、植民地が内包する様々な問題を見て見ぬ振りさせる効果を持つものであった。 以下本文より 1930年代の少年向け娯楽小説及び漫画事情(pp.67-69) …1930年代というのは、大日本雄弁会講談社の少…
本稿の趣旨(p.1) 1940年9月の日独伊三国同盟調印、翌10月の大政翼賛会成立から、41年12月の対英米開戦決定に至る日本の政軍関係の特質を、国際関係をふまえつつ明らかにすること… 以下気になった箇所まとめ 太平洋空間における自由貿易から大陸空間の計画経…
文章の趣旨 盧溝橋事件(1937年7月7日)を端緒とする日中戦争。それに先立つ2年間にその後10年の日本の原基が形作られた。それまでの時代との史的連続性をふまえつつ、1935年からの10年間、「アジア太平洋戦争と「大東亜共栄圏」」の時代を考察する。 以下気に…
概要 世界恐慌の打撃により「危機の時代」を迎えたアジアにおいて模索された新たな地域秩序と国際体系が論じられている。 30年代の世界状況(pp.4-5) 30年代を世界恐慌から始まって一直線に第二次世界大戦に至った時代と短絡的にみることはできない。また、ド…
本書の趣旨(pp.2-3) 日本と中国・東南アジアのを複眼的に見ながら、ファシズム型総力戦体制の形成と崩壊(満州事変勃発から日中戦争・アジア太平洋戦争終結)の過程を、総合的・構造的に明らかにしていきたい。 その際、戦前・戦中のファシズム型総力戦体制と…