雑録

この青空に約束を―「六条宮穂シナリオ」の感想・レビュー

お嬢様の「ひと夏の想い出」の諦めを決意に変えるおはなし。

六条宮穂のキャラクター表現とフラグ生成過程

六条宮穂は清楚系お嬢様。誰にも優しくし、わけ隔てなく接するが、その分印象に残りづらく親に言われるがままの人生を送ってきた。そんな宮穂が初めて言った我侭が半年間だけ猶予を貰いつぐみ寮の大家兼学園理事代行になること。せめて少女には青春時代のひと夏の思い出をと思い、六条家は束の間の自由を宮穂に与えた。誰もが彼女をお嬢様扱いしたが、人間として扱ってくれたのは寮生たち。彼らに感化されながら、宮穂は生き生きした自分を見つけていく。そんな彼女の身近な異性だったのが主人公:航の存在。きゅんきゅんしすぎりココロは高まり、処女を捧げちゃうの。どうしてお嬢様が処女を捧げても使用人たちはかまわないんだい?それはホレ、理由があったから。


その理由は、屋敷の人たちの認識では寮で暮らすのは「ひと夏の想い出」としか捉えていなかったから。つまりここで起こったことは全て幻想世界のユートピアな想い出として「今」だけしかない一時のものであると考えていたから。本土に戻ってしまえば、島のことなど想い出にしか過ぎなくなり、宮穂は「お嬢様」として、その想い出を糧に現実世界で暮らしていかねばならないと。航との情交はそんな儚い夢。だから、避妊さえしていればどんな行為だって多少は多めに見ていたのであった。また、宮穂も最初から諦め、航とは「これっきり」だと思って構えている気配があった。人の感情は一時のものなのか?そんなの納得いかないと思いし航は、その事実を突きつける。航が「諦めない」ことの象徴としたものが、郷土史研究科でもあった宮穂の祖父の著作体全集を作ること。クリスマスイブにその頑張りを叩きつけ諦めないことの大切さを安西先生のように示す。啓蒙された宮穂は、航と一生結ばれることを決意し、航は六条家に認められるように努力をし始めるのだったとハッピーエンド。