さかあがりハリケーン 「大澤柚」シナリオの感想・レビュー

柚シナリオは、引っ込み思案な女の子の目標かつ支えとなるおはなし。
主なイベントは「学園祭の企画」と「女の戦い」の二つ。
不器用で要領が悪く自己評価が低くて自信がない女の子がどれほど魅力を持っているか知らしめろっ!!

学園祭の企画


晴れて学園祭までこぎつけた巧一味。具体的な内容を煮詰めていくことになるが、裏方や調整や会議で精一杯な巧たちはイベントを起こす暇もない。そんな中、普段は引っ込み思案な柚が噛み噛みながらも企画を打ち出す。曰く、学園にまでたどり着くまでの長い階段を参加者に楽しんでもらいたいとのこと。様々な仕事に忙殺されながらも、巧は柚と一緒に企画を考えていく。だがそこで柚が目にしものは、みんなに大人気な巧の姿。柚は、自分以外のヒロインズと巧が懇ろ仲であるとの噂をいちいち気に留めてぐちゅぐちゅと悩みだしちゃうの。巧はエロゲ主人公朴念仁補正というか、自分のような人間が異性に好意をいだかれるわけがないと思っているので、優しさという残酷さで柚に接してしまう。巧と付き合うことは分相応があり思い上がりなの!?と悩んじゃう女の子のときめきシンパシー乙女っぷりを表現。そんなぐちゅぐちゅ状態の柚になんとか自信を持ってもらおうと、巧は坂道企画で画策する。その要旨は「柚をお姫様に見立て学園までの案内係をさせよう」というもの。柚はなんとかその案を呑むものも、本番になって自信喪失。そこを巧が励まして云々っていう流れですよ。一見すると、また巧が自分が面白いって他人に押し付けてるだけじゃね?となりますが、このイベントは柚の自発的なものだと信じたいね。坂道階段企画は大成功し、柚とフラグ成立でほっぺにチュー。えっちした?とあからさまに訊いてくる周囲に巧はチェリーボーイ扱い。

女の戦い


無事にフラグが成立し巧の熱情は女へと向かったため、学園の雰囲気は落ち着いたものに。学園を面白いものにしたいんじゃなかったの?女にかまけててそれでいいの?彼女の両親との対決はないの?と突っ込みながら、巧と柚の初歩的初々しいカップルライフが始まる。ここまで来ると巧みの存在感が急激に薄まり、問題は、巧への好意をあからさまに示していたヒロインのうちのひとり楠ハルとの対決へ。柚は分相応な自分が巧を勝ち取ったことに対して、ハルるとの関係に陰を落としており、あんなに仲の良い親友だったのに接触を拒むようになってしまう。しかし、ここではあまりにもサバサバしたハルが力技で強引に解決。ハルは柚が巧のことを好きということを待っていたのだ。かつての対決では、柚は巧への想いを恋愛感情と認識できなかったものの今回は違う。ハルに対して明確に巧みが好きだと告げる。嗚呼ハルは良い女だなぁ。スクイズのパロディを巧にぶつけ、柚に巧みを託すのであった。柚は巧のおかげで精神的に成熟し不器用で要領が悪いけど前に進む勇気を得た!!大丈夫、巧と一緒ならなんだって出来るとハッピーエンド。なんかシナリオの分量短いかも?女の戦いイベントには爽やかさが残った!!