かけぬけ★青春スパーキング!「小日向響」シナリオの感想・レビュー

バイタリティ溢れる元気系猪突猛進幼馴染と地域合同学園祭を成功させる話。
前編は夏休み青春イベントをこなしながら響が主人公に告白させようとする。
後編はフラグ構築した二人が目標達成の充実感を得るべく祭りを企画する。
学祭準備期間中すれ違いの日々が続き、響は暗黒面に堕ちかけてしまう。
しかし養老施設のボランティアで知り合ったお婆ちゃんに励まされ復活。
学祭における青年の主張大会で主人公に本音を曝け出し青春エンドを迎える。
(主人公の家庭環境のトラウマは響√では一切扱われなかった・・・)

小日向響のキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 夏休みしたいことリスト消化編
    • 体験版において青春に目覚めた主人公は対立していたアクティブ部とボランティア部を合同して青春部を設立します。響√では部長に響が就任し、部員たちに夏休みにしたいことを挙げさせ、それらを片っ端から消化していこうという流れになります。勿論、ただ楽しむだけではなく、ボランティア部のことも鑑み、社会貢献活動も入れていきます(ボランティア部に所属していたモブ部員たちってどうなったんだろう?とかは無粋なツッコミかもしれない)。
    • ここでのテーマとなるのは響が主人公に告白させようとチキンレースを仕掛けること。幼馴染で親友でもある二人の絆は強固であり、お互いがお互いに好意を抱いており、もう既に好感度マックス状態。さっさと告白してしまえばいいのでしょうが、それでは完結してシナリオが成り立たないため「告らせたい」をテーマにイベントを進めていくのですね。
    • 青春イベント消化タイムでは、老人ホームのお婆ちゃんに優しく接してあげたり、町内の自治会長と交流したり、夜店の的屋のオッサンにその気勢を認められたりと色々なところに首を突っ込んではコネクションを築いていきます。主人公はそれに振り回される一方で、改めて響の魅力を知るのでした。個人的には響が両親と折り合いが悪いことがテーマになるのかな?とも思っていたのですが、それはもう既に解決済みでした。両親は響に厳格な躾を施し、縛り付けようとしていたのですが、結局は根負けしたそうな。小日向響は自由です。
    • で、前編の原動力となっている「告らせたい」イベントは響の敗北に終わります。夏祭りの花火でいい雰囲気になり響から告白してフラグが成立!主人公と響の幼少期の思い出も回収されていきます(主人公と響の家出イベント、幼少期に主人公が響の誕生日プレゼントのために溺死していたこと、橘花が巫女の死霊であることなど)。

 
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  • 夏休み地域合同学園祭編
    • フラグ構築後のテーマとなるのが、地域合同学園祭。響は残りの夏休みでみんなで目的を共有して何かを成し遂げたいと思うようになります。つまりは手段が目的化するワケですが、それもまた青春ということで、地域のお祭りに目を付けます。自治会長と交流した際、今年は地域で開催していた地元の祭りが中止となって残念という情報を仕入れてしました。これを利用して、折角だから学園ともコラボして大規模な夏祭りを行いたいと企画するのです。響は思い付きで大きなイベントを発案する役。それを細かく分析して実際に動くのは主人公の役。と、いうことで実務官僚タイプの主人公は粛々と書類作業を進めていきます。
    • 後編で描かれるのは二人のすれ違い。カリスマ性があり人を惹きつける魅力と行動力を持つ響でしたが、その一方で細かい作業は苦手。付き合ったばかりということもあり、しつこく主人公に付きまとい、そのウザさを遺憾なく発揮してしまいます。しまいには怒られてしょげてしまう響。さらに主人公がその他のヒロインと楽しそうにイチャコラしている場面を垣間見てはソウルジェムをその都度濁らせていきます。
    • そして準備も終わっていよいよ学園祭の当日。進捗運営担当の主人公と危機管理担当の響はここでもすれ違うことになり、ついに響はダークサイドに堕ちかけてしまいます。そんな響を救うのが、これまで培った人脈。養老施設のお婆ちゃんが響の暗黒面を吐き出させます。これまで響は主人公のためにスーパーヒーローになろうとして猪突猛進してきました。しかしここで自分の弱さを曝け出せることも強さだと知ったのです。学園祭のイベントの一つに青年の主張大会があったのですが、飛び入り参加した響は、主人公にもっと構って欲しいと叫び、地域・学園を巻き込んだ大団円エンドとなるのでした。

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参考