さかあがりハリケーン 「深崎涼」シナリオの感想・レビュー

この物語の根幹となる「楽しくする」をテーマにしたシナリオ。
凍てついたココロをもつ少女をオープンハートさせるために大奮闘!!
本来は明るい少女が自分の殻に閉じこもってしまったのは何故か!?


巧は編入手続きの日、放課後の教室で物憂げにナンプレ(数字並べ?)をしている少女に出会う。話しかけるとクールに流されると思いきや、転校したてで独りであることを告げると性格は豹変。明るく爽やか弁舌軽やかに巧と戯れる。しかし哀れ巧は生徒会長のゆかりと知り合いであると漏らしてしまい独りじゃないことがばれると態度は一変。急激に冷たくなり適当にあしらわれてしまう。巧が委員長に就任し、クラスの意見箱の要望をこなしていくうちに、ある日「楽しくして欲しい」との投書が投げ込まれる。その想いは進学校で虫の息となっている生徒たち全ての願いであるとともに、涼の想いが込められていた。彼女の深遠を知るためには、まず学園を楽しくせねばなるまいて。巧の挑戦が始まる!!涼はそんな巧に自分を重ねてしまい、貶しつつ嘲りつつもさり気なく手を貸してやり助けていく。そう、過去の過ちを巧にさせないように。彼女に何があったのか!?文化祭開催への生徒総会にて過去にゆかりと一悶着があったことを匂わせる。


文化祭当日。全てが上手くいくかと思いきや、後夜祭にて事件発生。キャンプファイヤーにて花火を投げ込んだ生徒が居たのだ。だが、それを全て見通していた涼は何気なく花火を回収するや否や、巧の顔には平手打ち。彼女の過去のトラウマとなるのはキャンプファイヤーと花火であった。はーい、ここで急展開タイムですよー。涼は文化祭後にいきなり巧を性行為に誘って初めてを捧げた束の間、幸せになる資格なんてないとか言い捨て再び殻に閉じこもる。好きだから処女崇拝を捧げてくれたんじゃなかったの?巧が始める涼の過去調査委員会。ぶっちゃけこのシナリオこなしてないとゆかりシナリオの最後の和解とか意味不明なんじゃないかな?文化祭花火だけでどう類推しろというのだね?ゆかりは何も話してくれないしさ。で、結局は中学時代のトラウマが原因だったと。当時、涼は巧よろしく明るく活動的で、ツマラナカッタ中学文化祭を活発なものにしようと大奮闘。ゆかりとは陰に陽向に時には対立時には共闘しながら面白い文化祭を作り上げたのだ。だが画竜点睛を欠き、ファイヤーストームに花火を投げ入れた学生のせいでゆかりは火傷痕を負ってしまった。責任を感じた涼は周囲を拒絶し孤立に陥り住所も変更、中学浪人を送ることに。


涼のココロ開くためにはゆかりとの和解しかない。でもどうやって?涼シナリオでは卒業式イベントの音頭を涼にとらせる事によって解決策を探る(ゆかりシナリオではその描写は一切ないよ!!)まぁ、他ヒロインルートではあっさり解決でもじっくりねっぷりいこうじゃないか。冷たくしようと壁を作るが涼は本質的にはやりたがり。その本質を見抜いていた巧は、涼をして卒業式開催のブレーンにさせしむ。涼が考案したイベントは深夜の卒業式。式が終わる頃には花火の花束の贈呈という粋な演出。つまりは二人のわだかまりとなっいた花火イベントをここに再現し、謝罪の手紙を打ち上げパラシュートで届けて、二人を和解させようといいう算段だ。もう既にお互いのことを許しあっており、仲直りのきっかけがつかめなかっただけの不器用なおねえちゃん二人組みはこれにてきっかけをゲット、二人の仲は和解成立。つまらない日常を面白くしようとして失敗していった涼とゆかり。毎日が同じことの繰り返しで、つまらない、退屈。そんな想いを巧は打ち砕いたのだ!!「楽しくする」のは自分が楽しいことを他人に押し付けるんじゃない。みんなで楽しくなるんだということでハッピーエンド!!