雑録

タペストリー 真里谷遥海シナリオの感想・レビュー

タペストリーの部長シナリオは「人間の感情を持つ」というおはなし。
天才の名を冠された少女は、いつしか世間を生きることに息苦しくなっていった。
そんな少女は、死の宣告を受けても日常を送ろうとする少年に興味を持つ。
ちょいと部長の価値観の相違と手芸部ドタバタ劇の描写が諄いかもね。

真里谷遥海のキャラクター表現とフラグ生成過程


真里谷遥海は手芸部部長。どこか飄々としていて捉えどころがなく、かつ全てのことを見透かして判った気になっている孤高の天才。飛び級して海外の大学を出たけれど生きることに目標を見出せずぷらぷらやってて普通の高校生活を送りたいという理由で在籍している。そんな張り合いのない人生を送っており刹那的で享楽的、はじめに関しても当初は暇つぶしの退屈しのぎの対象としてセフレ関係として手を出してくる。部長ルートでは病気の件をきちんと手芸部メンバーに告げるのだが、そうしたらみんなの態度が変わっちゃった。俺を哀れみの目で見るな!!そんななか普通に接してくれたのが部長だけで、休み時間のたびに屋上で部長と語らうことに。しっかし、はじめが病気になるという負の側面を抱えることではじめて興味を示したのだから、部長は困ったちゃん。性行為の快楽に溺れて膣内に射精してもらう過程において、何がしかの感情を抱けると思っていたけど、全然退屈な日常は変わらなかったの。はじめは純粋に先輩に想いを寄せていたのに、哀れその関係は肉体だけのもので、ココロまでは繋がっていなかった。振り向かせるためにドタバタ騒ぎを繰り返すが全て失敗に終わる。


死に気丈に立ち向かうはじめに興味を引かれていた部長は、はじめと一緒に死んでやるとかのたまうので、とうとう堪忍袋の緒が切れちゃいます。はじめは死にたくて死ぬんじゃない。生きたいんだと叫ぶ。そこでちょうど発病し、部長は目の前ではじめが倒れたことで、どんなにかはじめのがことが大切だったかを知る。人間としての感情をはじめを通して知りたいと願った部長は、はじめの入院生活を付きっ切りで付き添う。はじめは自分が生きた証として、タペストリーを残したかったのでその手伝い。死んでも思いは残るんだ。そんなはじめの生き様を見せ付けられた部長は、人を好きになったり恋愛とかいうやつは、目の前にいるひとを無くしたくないというのと同じじゃないのかぁ云々と思うようになりはじめる。はじめが死んだことでその気持ちを明確にした部長は、もう生きることを退屈だなんて思わない。遠藤周作『深い河』よろしくインドはガンジス川を眺めることで死生観や人生に達観した部長は、はじめの遺灰をガンジス河に撒き散らし、生きる決意をするのであった。