雑録

さくら、咲きました。1周目強制「烏丸都ルート」の感想・レビュー

『さくら、咲きました。』の烏丸都シナリオは「リアル宇宙船地球号」。
隕石直撃による人類滅亡の危機に対して、宇宙移民として地球をでていくまでを描く。
人間は死を考えることでまた、生きることをもまた考えられる。
男のエゴで女の未来を奪うことに苦悩するがご都合主義で一緒に宇宙に脱出します。

烏丸都のキャラクター表現とフラグ生成過程


烏丸都はクラスメイトで隣の席。普段はクールを気取って取っつきづらい性格設定ですが、それは単に寝ぼけて無愛想になっているだけでした。本来の都さんはフレンドリィーで生活部に入部すると本来の都さんが垣間見られるというわけですね。都さんが生活部に入った理由は「生きる活力」を見出すためでした。永遠に続くと仮定される生命の中で、生きることへの執着がなくなり、生きる活力を失うことへの焦燥が感じられつつも、「日々を精一杯生きる」ことを悟っていくのです。ここで生命の意味、死生観などがたびたび触れられていますが、この作品のメインイベントとなるのがやはり「地球滅亡」でしょう。様々な媒体で地球滅亡系は取り上げられていますが、この業界でも「eden」や「そして明日の世界より」などがありますね。限られた時間設定により生命がより浮き彫りになるという演出は、不治の病を扱うQOL系の作品とも通ずるものがあります。本作でも限られた時間の中で恐怖を味わい、精神崩壊しかけていくヒロイン達。そんな情緒不安定なところで生への肯定をしてあげればフラグ成立!!都さんの場合は、一緒に天体観測をします。



で、フラグ成立後に物語を動かす原動力となるのは「宇宙移民計画」に都さんが選ばれちゃったよ!!ということ。なんでも都さんは遺伝子的にめしべとして有能だとか。自分の恋心が好いた女の未来を奪ってしまうという状況に対し、一緒に滅亡を迎えるか、それとも生き残って欲しいかということで煩悶する主人公くん。そこへ都さんは一緒に宇宙へ来て欲しいのとおねだり。だがどうやって?宇宙移民計画メンバー選考の書類を見ていたら、なんと調理師も募集していたよ!!ということで主人公くんのお料理修行が始まり、この修行を通してもまた二人の情交が深まっていく。しかし、結局のところお料理試験には不合格でしたよ。この結果を受け、宇宙にはいかない、愛する人と死ぬんだとのたまう都さんでありましたが、主人公くんは都さんには生きていて欲しいと苦渋の決断。ですがこの主人公くんの煩悶も無意味に終わります。なんと都さんが懐妊し、孕ませた主人公くんは一緒に宇宙にいけることになったのでした。そして地球に残る大切な人たちとのお別れ会を経て、宇宙へ脱出し、まだ見ぬ赤ちゃんに思いを馳せてハッピーエンドと相成りました。主人公くんはお料理修行に努力したり、生命についての苦悩をしたりと、試練を乗り越える姿が見ていて良いのですが、孕ませ赤ちゃんエンドはせっかくの煩悶が無駄になった感が・・・。女だけ未来へと託すか、一緒に死ぬかで選択肢あったりしたら面白かったかもしれません。