グリザイアの楽園(体験版)の感想・レビュー

説教ゲー風味だけど、やっぱり面白いよなぁ、グリザイアシリーズ。
あのね商法」に踊らされ、発売日の木曜深夜に買いに走っている私の姿が目に浮かぶようだ。
一時のテンションだが、やっていて、なんかこう生きる気力ってのが湧いてくるね。
体験版では、物語の目的とヒロインたちの決意までが描かれる。
一姫お姉ちゃんも難なく復活し、防げ「通信傍受型諜報活動網奪取計画」!!

グリザイアの楽園の体験版まとめ

  • 一姫お姉ちゃんについて
    • 一姫おねえちゃんは伏線通り、国防省の地下で存在していた!!だが、精神的な脳味噌だけでの存在で、生身の人間としては生存していなかった。なんでも天音ルートのエンジェリックハウルで、肉体は激しく損傷していたものの死亡はしておらず、脳に多額の保険金がかけられていたので、脳だけで復活したのだとか。こうして一姫お姉ちゃんはエシュロン・システムすなわち「通信傍受型諜報活動網」の電子頭脳に組み込まれたのだった。このシステムはとてもすごいという設定。あらゆる情報を統制化におくことで、人間や社会経済を支配しコントロールできるとのこと。この「一姫お姉ちゃんシステム」をめぐって、NIPPON・サムおじさんの国・国際テロ組織の思惑が交差していく。ユージ先生に対しては、一姫お姉ちゃんから、このシステムのために死んでと告げられるのであった。

  • ユージ先生の状況について
    • ユージ先生は国防省に拘束されていた。カザフスタンの在日領事館襲撃のマスコミ報道は、対テロ組織に対するブラフ。国家権力により、ユージ先生はテロリストに対する交渉材料とされていたのだ。ユージさんは、『グリザイアの果実』で5人の少女を救ったことと対価に死を望むが、そこへ亡霊となった麻子が諦めるなと発破をかける。そして、亡霊となった麻子の激励と一姫お姉ちゃんのために、ユージ先生は再び立ち上がる決意をする。ユージさんの目的を簡潔に説明すると以下の通り。
      • テロ活動者であるヒース・オスロ大量破壊兵器を持ち込んでおり、日本にやってきた。ヒース・オスロの目的は、エシュロンシステム、すなわち「一姫お姉ちゃんシステム」の強奪である。これを強奪できれば社会経済を操れるし、新技術は良いカネになる。こうして「通信傍受型諜報活動網」を手に入れようとしているのである。
      • それに加え、ヒース・オスロが進行している計画として「デザインソルジャー計画」がある。遺伝子操作と薬剤の併用で最強の軍人を生み出す計画である。このため、計画の成功例であり、貴重なサンプルであるユージ先生の身柄引渡しが求められている。
      • これらに対する政権側の交渉カードがユージ先生である。「ユージ」個人と「一姫お姉ちゃんシステム」の使用量20%を対テロ組織に引き渡すというものであった。この時、ユージ先生が対テロ組織を暗殺できれば目的達成。もし失敗してしまったとしても、敗残兵と革新しすぎた情報装置を持て余さずに済むというわけで国家にしてみれば損は無いというわけだ。


  • ヒロインたちの動向について
    • ヒロインたちは、ユージ先生に全員救済されたが、個別ルートの将来像には入らなかったという設定のよう。領事館襲撃のマスコミ報道を見たヒロインたちは、ユージのために、自分たちに何ができるのかを考える。手がかりとなるのは、ユージ先生の小部屋のクローゼット。このクローゼットはユージ先生の感情の掃き溜めとなっており、ヒロインを救うための苦悩と自分の存在についての懊悩が吐き出されていた。これを垣間見たヒロインたちは、ユージに救ってもらった友情に報いることを心に決める。だがどうやって行動するのか?何もやれることは無い。国家に反逆するための決意を示すことが体験版での主なヒロイン側の描写となる。ここでヒロインたちが情報を知るための装置となるのが、「迷宮」でユージ先生の同期であったエロゲオタ外国人の糞ナードさん。今は蕎麦屋となっていた。彼が語る友情の話についてはグッときてしまったね。こうして、このエロゲオタ糞ナードによって、ユージさんの目標を知ったヒロインたち。交渉材料の一部となってしまったユージさんを救うことが目標となる。学園の閉校を契機に、少女たちは、ユージ救出作戦へと行動を開始するのであった!!と体験版終了。


  • グリザイアの楽園 個人的「説教集」
    • 重要なのは今何をするかではなく、何が起きてもうろたえない気力と、どんなことになっても立ち向かえる基礎体力を養っておくことだ。
    • 師匠が言うには、どんな経験をして、何を見て、どう思ったか、そしてどんな男と出会ってきたかで、男の価値は変わるそうだ。
    • 嫌だ嫌だと言っているだけでは何も変わらない。世界を変えるには先ず自分が変わらなければならない。
    • 俺にやれることを、やれるとこまでやるだけだ。風見雄二に、苦手はあっても不可能は無い。無理などという言葉は、それを口にするから実現できなくなる。一度、無理だと思ってしまえば、もう何をやっても上手くいかない。
    • 私たちが抱える言葉にしがたい不快感は、無知からくる思考の齟齬に遠因している。
    • 見る前に飛べ、悩む前に走れだ。
    • 喧嘩も弱いし意気地の無い僕だけど、僕も仲間や友達のために、何かができる男になりたいって、そう思ったんだ。
    • 社会から弾き出された脆弱な不適合者が、今まさに己が牙を研ぎ澄ましつつ、世界に噛み付く。その時を待っていた。
    • 負けなければそれでいい。戦績を焦る必要はないのよさ。生き残れば必ず勝利の機会はある。そんな考えの下、しぶとく生き残ったやつこそ、エースになる。
    • 苦楽を共にし、互いの傷を理解し、思いやることのできる仲間と口にしたパイ缶の味は、きっと何物にも比べようのない味がするのだろう。
    • 何かを見捨てて逃げた結果に得られるのは、どうすることもできない後悔と、他者を怨むことしかできない自分。そしてそんな自分が心底嫌になれば、生きていることすら罰になる。自責だけが罰になる。