16世紀における銀を中心とする世界経済の一体化

  • 発問
    • 現代世界はグローバル化社会と言われるが、世界がひとつになったのはいつからだろう。
    • どのようにして世界は一つになったのだろう。

〇世界経済の一体化
【新大陸】植民地←→銀【西欧】穀物←→毛織物【中・東欧】
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ポトシ銀山    商業革命・価格革命    グーツヘルシャフト
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アフリカ黒人奴隷  銀はアジア貿易へ     再版農奴制    
        (香辛料・絹・陶磁器)
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       中国(明)では一条鞭法−日本銀

☆価格革命…16世紀に新大陸から銀の流入し、カネ余りの状態になりインフレーションが生じる。
⇒封建領主は貨幣地代(固定)で生活していたので、インフレになると大打撃を受ける
⇒貨幣として流通の発展を助け、西欧では封建制から資本主義への移行を促進

☆商業革命…ヨーロッパにおける国際商業の中心地が地中海から大西洋沿岸へと移る。
⇒東方貿易を担ったイタリア諸都市、バルト海貿易を担った北ドイツ諸都市は地位低下
ポルトガルリスボン、スペイン領ネーデルラントアントウェルペンなどが栄える。

☆グーツヘルシャフト…土地領主が農奴制を強化し、賦役による直営農場で穀物生産を行う農場領主制。
←商業が活性化した西ヨーロッパ市場で穀物の需要が高まり、エルベ川以東の地域から西ヨーロッパへの穀物輸出が拡大。
エルベ川以東の中・東欧地域は、穀物供給地として、西ヨーロッパ世界と密接な経済的関係で結合

☆アジア貿易圏との接合
⇒ヨーロッパは新大陸の銀を対価にしアジア物産(香辛料・絹・綿布・陶磁器など)を大量に購入。
⇒メキシコ銀・日本銀によりアジア貿易圏における銀の流通量は一挙に増大。
⇒中国で銀の蓄積・流通がすすみ、銀納の税制が確立。

☆現代世界の途上国への影響
・アフリカ…奴隷として多くの労働人口を引きぬかれることに。
・南米…奴隷制プランテーションによりモノカルチャー経済化し社会がイビツに。