雑録

天色アイルノーツ(体験版)の感想・レビュー

過去にトラウマを抱える教員(社会科)がリベンジを図る学園モノ。
雰囲気としては『遙かに仰ぎ、麗しの』が近いかな?
「教育」とは何かについて悩む主人公くんが、明るいノリのテキストの中で成長していく。
体験版は5章の途中までプレイできる。
教員モノはどうしても自分と比較してしまう。

雑感

主人公くんは過去の教員生活で問題を起こし、鬱になって教職を辞そうとしていた。だが所属していた研究室の教授のコネで再び教職を志す→再チャレンジできる社会を要求。この時点で採用試験を受けまくって何とか年間契約に引っかかった私と格差社会を感じる。高校の社会科(正確には地理歴史科・公民科だが)は採用が少なくて、就職できないんだぞー、こんちくしょー。で、私は鬱ゲーなノリ大好きなんですが、テキストは明るくバカっぽい感じでさくさくとストレスを感じさせずに進んでいく。けれども主人公くんの成長を生暖かく見守る一方で、教育関係のネタを振られると、情緒が不安定になるぜ!「教育とは教えるだけではなく、はぐくみ、そだてるんだ」とか定型文をだされると言われると精神的ダメージが大。そして、「ボクは社会科を教えるためだけに、教師を続けようと思ったわけじゃない」とか「ボクは教育者になりたい」とか吐かれると、「生まれてすみません」と言いたくなるね。私は!社会科教えたいから!!、世界史教えたいから!!、教員をやっているよ。そのためなら、他科目をもたされようが、25コマ以上持たされようが、担当以外の校務分掌押しつけられようが、部活で休日潰そうがいとわない。全ては世界史を教えるために!!マァだから担任も持たせてもらえないんだろーな。



で、ヒロインについて。私は、主人公くんの「存在理由の肯定」とか「他者需要願望」とか「精神的成長」とか「社会と個人の在り方」とかに興味を持っていて、ヒロインとそのシナリオはそれを満たすための装置だと思ってます。だから主人公くんが過去のトラウマをどうヒロインによって払拭されるかに注目しているのですが、この作品のメインヒロインは腐女子です。社会的価値観に反する趣味・趣向は秘めている所に粋ってもんがあるのであって、堂々と公言なされると野暮ったくなってしまうぜ。この腐女子ヒロインは風景画の才能に秀でているものの、本人の興味対象がデフォルメ絵にあり、「個人的興味関心と社会的な希求との相剋」に悩んだりするんだろーなと予想。『かにしの』のヒロイン達が現実的な?問題に対して取り組んでいたのに対し、この作品はあくまでもファンタジー世界のノリが強すぎるんだよなぁ。そのおかげで主人公くんの悩みが深刻になりすぎない一方で、薄っぺらくなってしまっているとも言えよう。