雑録

天色アイルノーツ「火宮木乃香」シナリオの感想・レビュー

天色アイルノーツの木乃香シナリオは「記憶喪失タイムリープ少女」。
サブヒロインのシナリオで短いけれども、しっかりと楽しむことが出来た。
むしろ木乃香を真ヒロインにして世界設定構築の謎の解き明かしとかやってくれてもいい気がします。
そうすればただのキャラゲーから抜きんでた存在になれたのに少し残念です。

火宮木乃香のキャラクター表現とフラグ生成過程

火宮木乃香は記憶喪失の素直クール系のヒロイン。自分を客観視したような口調でしゃべります。禁書目録のミサカ妹のような感じ。木乃香はある意味この作品の世界観を代表する存在といっても過言ではありません。共通√ではこの木乃香の登場を契機にして個別√に分岐していくからです。なぜ突如としてファンタジー世界の都市国家が日本上空に現れたのかとか世界設定の謎と密接に絡まってくるので、木乃香攻略を通して世界観の構築に触れても面白いんじゃないかなぁと思っていたのですが、そうはなりませんでした。木乃香√で扱われるのは「知識と感情」についてです。主人公くんが木乃香の部屋の片付けを手伝うところから物語は動き始めます。木乃香にゴミの分別をさせたところ、彼女はドンドンごみを捨てていったのでした。この様子を目の当たりにした主人公くんは木乃香には過去が無い分執着がないと考えるようになるわけです。そんな少女を少し寂しいなとも思うわけです。そんなわけで、主人公くんは木乃香に一歩踏み込み、想い出作りをしていくことになるのでした。

木乃香は主人公くんにお弁当を作ってあげたり、勉強を教わったり、下宿をしている居酒屋の買い物をしたりしながら時を過ごしていきます。色々な経験を積み重ねて行く中で、木乃香は知識としては知っている感情を実際に感じ取り、人間らしい反応を返すようになっていくのでした。主人公くんに良くして貰う中で複雑な人間の感情の機微を経験していった木乃香は、主人公くんに次第に惹かれていくのでした。主人公くんも木乃香の気持ちに向き合いフラグ成立。こうして懇ろな関係を築いていくのですが、主人公くんは木乃香保有する知識が少し古い知識だということに気づいていきます。調査の結果、木乃香は30年以上も前の水難事故でおぼれ死にそうになったところから、タイムリープしてきたことが発覚しました。自分の存在について怯える木乃香に対し、主人公くんは心の支えになります。勇気を出して家族に会いに行こう!とエンドを迎えました。木乃香をサブヒロイン扱いではなく裏☆真☆ヒロインにすれば、物語も深まったのになぁと残念でならない。