雑録

天色アイルノーツ「白鹿愛莉」シナリオの感想・レビュー

天色アイルノーツの愛莉シナリオは、「アイデンティティ拡散の危機」。
目標を見失った留学生の力になってあげましょう。
この愛莉シナリオは他のシナリオと違ってキャラ崩壊が激しいです。
キャラ同士の掛け合いのテキストも結構滑っているように感じます。
複数シナリオライターの弊害が出てしまっています。

白鹿愛莉のキャラクター表現とフラグ生成過程

白鹿愛莉は炉利担当で暴走気味の従妹ガール。主人公くんの事を愛してやまないが、感情表現が幼稚で、逃げ出したり変なことを口走ったりしてしまいます。「暴走気味」ということを表現するためかもしれませんが、キャラクター同士の掛け合いにおいて、相手のことをけなしたり侮辱したりバカにしたりするテキスト風味となっています。同人腐女子であるシャーリィをことさら吊し上げたり、夕音が腹黒キャラであることを強調しすぎたりします。極めつけは主人公くんに対する偏見。自分が主人公くんと付き合うとどうなるかというシミュレーションでは、ニートを貶める発現が多数。いや、お前が恋に落ちた主人公くんはそんな簡単にニートになるのかよ?と思ってしまうこと請け合いです。まぁ、そんなわけで暴走少女があたふたする様子を読んでいきました。

そんな愛莉√のテーマとなるのが「アイデンティティ拡散の危機」です。愛莉は主人公くんが勤務する学園に留学してくるのですが、たいした目標もなく漠然としたままやってきたのです。そんな曖昧な愛莉に対して周囲のヒロインズは明確な目標を持っていました。これにより友達と自分の差異を意識し、劣等感に陥った愛莉は、なぜ自分が勉強しているのか分からなくなり、学習意欲を低下させていくのでした。成績低下に伴い、周囲から留学生の権限を剥奪し日本へ戻った方が良いのではないかという意見が出てきます。まだまだ巻き返しが可能な成績でしたが、愛莉は実家に戻ることにしてしまったのです。ですが乙女心は複雑で、愛莉は主人公くんに引き留めて欲しいので「実家に帰る」とか言い出していたのでした。教師と生徒の関係ではなく、従兄妹の関係でもなく自分を一人の女として見て欲しいと心の中で思うのでした。で、当初は愛莉の自由意志を尊重していた主人公くんでしたが、周囲のヒロインから愛莉の性格の裏を読み取れと諭され、愛莉を引き留めることに成功したのでした。最終的に愛莉は成績も盛り返し、研究テーマも見つかりハッピーエンドとなるのでした。