雑録

星ノ音サンクチュアリ「神領寺姫翠」シナリオの感想・レビュー

星ノ音サンクチュアリの姫翠シナリオは孤高を貫く少女の解放。
馴れ合いを嫌い鍛錬に励む孤独な少女の寂しさの心を受け止めてあげればフラグは成立。
共通ルートの学園異能バトルのチームプレイや個別ルートのフラグ構築までは面白いです。
しかし、その後はおざなり感が否めません。
体験版の流れからして主人公くんが戦略型団体戦を率いて戦うと思っていたのに!!
最後の方などはシナリオに異能バトルモノの必然性が見られなくなって行くので、残念です。

神領寺姫翠のキャラクター表現とフラグ生成過程

神領寺姫翠は孤高を気取り誰とも馴れ合わない黒髪ロング。過去に主人公くんと離ればなれになった幼なじみであるにも関わらず、その過去を封印してそっけなく生活しています。そんな孤高を気取る姫翠のガス抜きのために、我らが主人公くんは色々気にかけてあげる毎日を過ごしていました。そんな二人の関係性変化のきっかけとなるのが、チームを組んでの団体戦の試験です。個別能力だけ磨き、他者との協調性にかける姫翠をチームメイトと連携させて勝利を狙います。独りでも大丈夫だと突っ張る姫翠に、仲間との絆の大切さを感じさせながら、一緒の時間を過ごしていけば好感度はうなぎ登りさ。この団体戦まではとても面白く手に汗握りながら中二系異能バトルを楽しめます。体験版では試合前で終わってしまったので、続きも気になるところ。主人公くんが手塩にかけて育てたヒロインズを引き連れて、いざゆかんや特別試験。主人公くんの戦略型作戦指揮系統を存分に味わっていくのですが・・・。な、なんと!特別試験は1回戦しか行われず、テロリストに対する街の警備などに場面は移行していきます。そこでは主人公くんの特殊能力が体内埋め込み型「加速装置」だということが判明します。ですが、前半部分で物語を動かす流れとなっていた団体戦は、「チームプレイの大切さを身につけさせるためであった」とあっけなく終了!えー、ちょっと待って!もう主人公くんの戦略型異能バトルは終わりかよ!?そりゃないぜ。


そして個別はヒロインの内面に重点が当てられます。特に姫翠は主人公くんと幼なじみであり、懇ろな仲であったにもかかわらず、そのことを頑なに否定しているので、その関係性変化がプレイヤァにとっては気になるところであったでしょう。姫翠が孤高であらんとしたその理由は家庭問題にありました。姫翠は幼少期にテロリストに狙われたことにより、母親が過保護になり、娘である姫翠の人間関係に強く干渉するようになっていったのです。そのため友達の家庭が権力で移転させられたり、金の力で友達関係を解消させられたりと悲しい思いに沈んでいったのです。自分の無力さが周囲の人間の迷惑になるのなら、私は自立する力を手に入れる!!と孤高であろうとしていったのです。しかし「誰かを頼るわけにはいかない」と虚勢を張る姫翠の心情は誰よりもぬくもりを求めていたのです。そんな姫翠の心の弱さを肯定してあげればフラグは成立!恋人となった二人は乳繰り合う日々を過ごしていくのでした。ここまでは結構丁寧に描かれており、異能バトルがなくとも及第点なのですが、ここからの流れがダイジェストモードなノリになってしまうのです。(1)「付き合うことになってから能力の制御に違和感を感じるようになり、成績も落ちてしまったので少し距離を置くことになる」→(2)「テロリスト事件発生」→(3)「実は恋人になってから力が増幅されていたので、能力の制御ができなかったというオチ」(分かりやすいチャート方式)。そんなわけで、恋人として付き合ううちに、自分では知らなかった世界を見ることができ、人間として成長することができる!!とハッピーエンド。後半部分はもう少しシナリオを頑張って欲しかったなぁと思いました。