雑録

世界と世界の真ん中で「近江小々路」シナリオの感想・レビュー

近江小々路シナリオはホスピスに耐えきれなかった母親のはなし。
病気で死んでいく娘に向き合うことが出来ず精神崩壊してしまったママン。
そんなママンを見るのが辛くて遠ざけてしまった娘。
すれ違った二人の仲を取り持ち、安らかな死を迎えさせましょう。

小々路√のシナリオ概要


  • 天球儀の世界の謎
    • この物語は現世・天球儀世界・後世の三段階に分けることが出来ます。天球儀世界は現世において「行き場を失った強い感情が辿り着く場所」として設定されています。現世での未練が思念体となり一種の世界を作り上げるなんてリトルバスターズ。そして天球儀世界で現世での未練や執着と向き合ったヒロイン達は次に向かう後世世界へと旅立っていきます。近江小々路の場合、未練となったのは母親とのすれ違いの解消でした。しかし、本当はそれすらも小々路の未練ではなかったのです。実は主人公くんが小々路を幸せにしたいと願った未練が働いて、小々路の現世での問題を解決することになるという展開になります。


  • 母親とのすれ違い
    • ちょうど同日発売の『12の月のイヴ』でも母親とのすれ違いは描かれています。両者に共通するのが母親になるという覚悟もせず、ただ自分が気持ちよかった結果、子どもができちゃったということです。そのため、子どもが重荷になってしまうというパターン。小々路の母親もそうでした。小々路の母親は夫と相思相愛で子どもも愛していましたが、夫が病で倒れホスピスとなると精神崩壊。夫の死後、小々路も病に倒れるとさらに精神崩壊。自分野精神を安定させるためだけに子どものお見舞いにくるようになります。そのため娘の小々路は次第に母親に会うのが苦痛となり、来なくて良いと告げてしまうのでした。それ以来、母親は見舞いに来なくなり、小々路はただ死を待つだけになりました。


  • 主人公の存在
    • 主人公くんは「天球儀の目」と言われる現象でした。現世世界において未練や執着を持った思念体を天球儀世界へと導く役割を持っていたのです。そんな現象でしか過ぎなかった主人公くんを小々路は実際に認識することで存在として確定させます。ホスピスであった小々路の最期に付き合うこととなった主人公くん。小々路は母親とは和解出来なかったものの自分の最期を主人公くんが看取ってくれたので、穏やかに死を迎えていきます。その死に直面した主人公くんは小々路の死を受け入れることが出来ず、小々路の幸せを願って天球儀世界へと導かれていくのです。この時の主人公くんの願いの対象が小々路だったので、天球儀世界に小々路の思念体もやってくることになったのです。


  • 小々路の幸せ
    • 天球儀世界で主人公くんと結ばれた小々路は「母親とのすれ違い」という問題に向き合うことになります。そしてこの母親問題を解決するため、主人公くんとともに後世世界へジャンプ。後世世界は小々路がまだ母親を拒絶する前であり、主人公くんが肉体を保持しているという設定でした。精神的未成熟である母親に対して自立を促し娘と向き合わせる方法として「レシピ帳」作戦にでます。小々路が主人公くんとともにレシピを作成して母親にプレゼントすることで、母親に訴えようとしたのです。さらに主人公くんが小々路の母親に説教かましたりします。そんなわけで小々路は母親との和解にも成功し、主人公くんは自分の未練であった小々路が幸せにという願いを叶えたのでした。エンディングテーマが流れハッピーエンドで終わるかと思いきや、エンド後は既に小々路死んでます。どうやら後世世界でも小々路がホスピスであったことは変わらなかったみたいですね。このまま小々路の幸せな死を看取りました→ホスピスケアでビターエンド!というのもナルキッソスみたいで良かったのですが・・・。蛇足的なご都合主義展開発動!天球儀世界へ来て幸せな世界を!という描写が提示されて終わります。安易にヒロインをザオリクするのはあんまりなぁ。