雑録

月あかりランチの感想・レビュー

多元世界から召還された問題を抱える少女たちを救済して元の世界へ返す話。
少女たちは自分たちの世界を滅ぼしてしまう危険性を持った魔女とも呼べる存在。
そんな少女たちの「先生」となって、それぞれの願いを叶えていく。
サブタイトルの通り『オズの魔法使い』がオマージュされている。

概要

  • 水際フユ
    • 戦争によって滅び行く世界から召還された少女。戦闘に特化したため感情を欠落させ機械人形となった。オズの魔法使いではブリキの役割で「ココロを持つこと」が願い。自分の身を守ること・生き抜くこと・危険性を排除することだけを目的とし、常に合理的思考のみを行うようになっていった。そんなフユが主人公くんやクラスメイトとの交流を通して、ココロを豊かにしていくところかこのシナリオのテーマ。主人公くんとの情交を重ねるうちに肉体的接触を望むようになるが、主人公くんはいずれ元の世界に戻るであろうことを考え、一歩を踏み出せないでいた。だが、フユはそれをも込みで、例え元の世界へ戻ってしまうとしてもココロをくれた先生やクラスメイトを糧に生きていくとの強さを見せ結ばれる。
    • 別れの時間まで精一杯過ごすクラスメイト達だが、ここで卓袱台返し発生。フユ達を多元世界から召還した魔女たちが殺し合いを始める。攻略ヒロイン一人に対して一人の魔女が存在しており、魔女が死ねばクラスメイトも元の世界へ帰るという寸法。ろくなお別れも出来ず、次々とクラスメイトが消えていく!フユを召還したのは最古の魔女「西野」さんで、戦闘人形であったフユのデータを取り「影フユ」を作り上げ魔女殺しを行っていた。まぁ、感情を手に入れたフユの方がただの人形より強いわな、ということで撃破に成功。フユはみんなと過ごした時間を抱いて元の世界へ戻っていくのであった。
    • 別れ際、、フユが礼拝堂へ祈りを捧げるシーンが印象的。かつてフユは戦場で足手まといとなる子ども達のために母親達が犠牲となった場面を目の当たりにしてどうしてそんな非合理的行動を取るのか不思議に思っていたそうな。そのため、母親達の行為の原動力となった「愛」を知りたかったのだ。こうして主人公くんに愛を教わったフユは元の世界で「先生」になりたいと旅立っていく。


 

  • 皇夏乃
    • 機械によって管理された世界から召還された少女。人々は接することなく電脳体として暮らし、辛いことや悲しいことなどを経験しないまま時を過ごしている。そんな暮らしは平和とはいえ生きているといえるだろうか?いや言えまい。そのため召還されたセカイで同年代の仲間や主人公くんと過ごすことは新しいことの連続でとても楽しいものとなっていく。だが、夏乃には「知識としてしか知らない」という欠点もまたあった。それは人間が持つ負の感情。恐怖・怯え・焦燥などといった生きる上では必要な感情。暴力により危機感を感じた夏乃は更なる暴力で相手をねじ伏せればいいという極論に達し、暴走を始めてしまう。復讐のスパイラルに陥ろうとする夏乃に対して、主人公くんは身を挺して分からせる。夏乃が屈服させようとしていた敵を庇い、相手の命を奪うことがどういうことかを知らしめるのであった。
    • 主人公くんの行動により夏乃は一人では学べなかったことを知りました。それこそが夏乃の願いであり「人との触れあいのなかで人間というものを知る」ということでした。こうして夏乃は充実した時間を過ごしていきますが、ここで問題が発生!なんと夏乃は元いたセカイでは電子体であったので、召還されたセカイはあまりにも物質的過ぎたのです。情報量がオーバーフローしてしまった夏乃は、眠りに落ちることが多くなり、そのうち永遠に眠ったままになってしまうというのです。孤独である元のセカイで生きるよりも、主人公くんや仲間がいるセカイで眠りにつきたいと願う夏乃。主人公くんは夏乃の願いを受け入れようと最後の時まで一緒にいようと誓うのですが、自分が夏乃にしたいことは果たしてそうなのでしょうか。主人公くんは気づきます。夏乃の願いを受け入れるだけが全てではないと。夏乃には生きて欲しいと。そんな分けで主人公くんは夏乃を元のセカイに戻すことを決意し、生きて「未来と可能性を求めてあがけ」と指導します。こうして夏乃には異世界ジャンプして多元世界を統合するという目標ができた。待っててね、先生ということでハッピーエンド。


  • アブリル=ポワッソン
    • ファンタジー世界から召還されたお姫様。気丈に振る舞えど、実は人一倍恐怖を感じやすくそれでも王女としてのプライドでココロに鎧を武装し、気品ある姿を演じていた。そんなアブリルの演技は完璧に近いものがあったが、その理想像が崩れてしまう。なんとアブリルの世界に魔物を呼び寄せた張本人が召還世界にいるではないか。パニックに陥るアブリルだが、そんなアブリルの恐怖心を受け入れ、どんな姿の少女でも肯定してあげればフラグは成立さ。ちなみにその魔物を呼び寄せた魔女は既に改心しており、なんてことはなかった。そしてアブリル√では王女として規則作りや環境改善などの政治改革に乗り出し、みんなが快適に過ごせるようになり、何も起こらないまま1年が経過した。なんとアブリルの政治運営により、問題を抱えていた少女や世界を呪った魔女達はすっかり満足し、自然と願いを叶えてしまっていたのだ。他の√で必死に足掻いて少女救済をしたのは何だったんだ!?満足したみんなはそれぞれが卒業していく。アブリルと別れたくなかった主人公くんだが、存在が消滅してしまうよりも生き抜くことがまた勇気と、アブリルを元の世界へと送り出すのであった。


  • 神無月秋奈(アキ)
    • グランドエンド。秋奈は引っ込み思案で図書館に籠もりがちな女の子。現世においては色々と良くしてくれる主人公くんにほのかな恋心を抱いており、誕生部プレゼントを渡そうとしていた。しかし、約束の場所へと向かう主人公くんは遅刻しそうになり焦った結果、交通事故で死亡してしまう。秋奈は絶望し、果てには世界を滅ぼす魔女となろうとしていた。そんな秋奈が連れてこられたのが思念体世界。ここでは魔女となる素質を持つ者を集め、隔離する施設だったのだ。秋奈は魔女となる自分と向き合うために記憶を消去されてアキとなる。一方、主人公くんは記憶を消去され肉体を再生された後、ここで教員として魔女候補生たちのトラウマを解消し、卒業させるという役割を担うことになる。「死んでしまった主人公くんともう一度会いたい」と願ったため、魔女候補生になってしまったアキを救うためにはどうすれば良いのか?それは主人公くんが思念体世界で少女救済を頑張り続けること。世界が違っても主人公くんが頑張っていることを思い出して自分の力にして欲しいと想いを託す。この思念体世界で魔女候補生たちはそれぞれ絶望に立ち向かう強さを得た。アキもまた現世において主人公くんを失っても生きていける強さを得た。こうして願いを叶えた少女と共にみんなで卒業式だ!ホワイトグラデュエーションでハッピーエンド。
    • 死んでしまった主人公くんが思念体世界で少女と交流しながら現世で生きるための強さを与えてお別れと書くと、ナツユメナギサでも同じテーマが扱われていた。