雑録

紅い瞳に映るセカイの感想・レビュー

真紅先生ゲー第3弾。真紅先生には過酷ないつも過酷なシナリオが待っている。
相変わらず日常パートは眠くなる眠ゲーだがそれはシリアスの前段階。
今度の真紅先生にはこの業界ではありがちな記憶リセット病の試練が与えられる。
記憶リセットによる初対面無限ループに主人公くんは次第に心を摩耗させていく。
果たして真紅先生を救うことが出来るのか!?というところでネタばらし。
なんと記憶リセットシリアス展開は主人公くんが描いた物語でしたというオチ。
まぁ死生観パートと子孫への継承による永続性の場面は良かったと思う。

シナリオ概要

  • 攻略ヒロインズ再集合
    • 「いろとりどりのセカイ」シリーズのヒロイン達は少し可哀想な存在です。何故かというと彼女らは、主人公くんが真紅と結ばれるために、主人公くんによって創造された、都合の良い部品にしか過ぎなかったからです。第2作目の「ヒカリ」ではこれら部品であるヒロインズたちが主人公くんに対して反逆を起こし、自分たちの存在意義を問い詰めることが、構造上の面白みとなっています。そして「ヒカリ」では主人公くんがヒロインズたちに贖罪をするために「最果て」で苦悩し、また現実世界に取り残された真紅もシングルマザーをしながら心を摩耗させるというシリアス展開が待っているのです。そんな二人を救済するため娘の青空が頑張るというのが「ヒカリ」の見どころ。さてそんなヒロインズたちが第3弾でも再集合するわけですが・・・相変わらず日常パートはグダグダですし、ヒロインズたちもほとんど活躍しないですなぁ。今回もヒロインズたちはシリアスパートに移行するための装置のような存在。ヒロインズたちが主人公くんに真紅とのラブラブエピソードを聞かせてくれとねだり、主人公くんが真紅先生のデレモードを得意気に語るのですが、真紅にとっては自分が主人公にだけ見せることの出来る恥ずかしい様子を晒されることとなり、夫婦喧嘩の始まりとなるという流れです。

  • シリアス展開は主人公くんが描いた作中作品というオチ
    • 突如始まるシリアスパート。もう真紅先生に過酷な人生を与えることで物語りを進めるのを辞めてあげてください。夫婦喧嘩により外に飛び出した真紅は事故にあい、記憶を1時間しか保てない記憶リセット病にかかってしまうのでした。この業界では記憶リセットでシリアスやるのはお約束でef.やプリコレなど同工異曲の作品がいっぱい。御多分に漏れず主人公くんが真摯に真紅の世話をしつつも記憶リセットによる心の摩耗が描かれていきますよ。ここでの独自性をあげることができるとしたら、お互いにお互いを思いやりながらもすれ違ってしまっている様子を読者に示しているということ。「記憶リセット真紅」の他にも「生き霊真紅」が発生しており、「生き霊真紅」は主人公くんが家を出て行ってしまったと思い込んでいるのです。この二人の真紅に気づいているのは娘である青空だけで、この青空が両親を救うために大奮闘していきます・・・。
    • まぁ、そんなシリアスパートは主人公くんが描いた作中作品であるのだけどな!!夫婦喧嘩までは現実の事実です。喧嘩の仲直りの方法を娘の青空にたずねた主人公くんは、真紅のために物語を書くことにしたのです。こうして生まれたのがシリアスパートである「紅い瞳に映るセカイ」。別に真紅先生は記憶リセット病でも何でもなかったんだね!人間万事塞翁が馬。夫婦喧嘩をきっかけにして、職業作家にも関わらずスランプ状態に陥り創作が出来なくなっていた主人公くんは再び作品を描くことが出来たのでした。スランプから抜け出した主人公くんはお世話になったヒロインズにお礼を返し、ヒロインズたちもまた主人公スランプ脱出おめでとうパーティーを開くのでした。そこにはウェディングドレスを着た真紅が待機しておりハッピーエンドで終わります。

  • 死生観パート
    • わりとグダグダな日常パートを読み進めることができるのは、死生観パートがしっかりしているからという側面もあります。日常パートは負の感情を抱える主人公くんが楽しかった記憶を思い出すという構成で展開されるため、死生観パートでは何があったんだ!?と読者を上手く惹き付けることに成功しております。主人公くんが不安に駆られるのは、死による真紅との別れ。主人公くんの生存理由は真紅先生なわけですが、生命である以上いつか来る死別は免れることはできず、将来に生じるお別れに思いを馳せてナイーブになっているのです。そんな主人公くんに対して真紅先生は子孫の継承による永続性を唱えます。「たとえいつか、私たちが揃って歩みを止めてしまうときが来たとしても、私たちがこうして手を繋ぐことで出会えたあの子が、ずっと幸せに笑っていてくれたなら。私たちがこの世界で見つけられた気持ちは全部、消えてなくなることはない。それが私たちがここにこうして生きてきたことの証明で、細やかなことかもしれないけれど、それが私たちの永遠なんだ」。こうして相変わらず迷ったり悩んだり後ろ向きになったりしがちな主人公くんでしたが、今日も妻と娘に支えられて生きていくのでした。※ちなみに今回主人公くんがナイーブになっていたのは娘の入学式で自分たちの手を離れていくことに一抹の寂しさを感じたからでした。