果つることなき未来ヨリ(体験版)の感想レビュー

今はやりの異世界転生×戦後70年の太平洋戦争ブームな軍人モノ。
帝国海軍ゼロ戦操縦士がファンタジー世界でレジスタンスとして大活躍する。
アメリカ海軍の甲板に特攻したら、異世界だった!
「祖国や国民を守るため」というお題目で自己の生命の虚しさを正当化する若者が、異人種との関わりの中で、歪んだ自己の価値観を如何に変容させるのかが見もの。まぁそんなことは二の次で単純に現代知識を用いてファンタジー世界で俺ツエーする様子を楽しめれば良いかと。

体験版感想


  • 主人公のイチローゼロ戦パイロット
    • 社会的下位層が現状を打破するためには
      • 少年期のイチローは身寄りがなく親戚をたらい回しにされ、農業労働に従事する日々が続いていました。このままでは貧乏小作となるか下層労働者となるかしか選択肢が残されていません。そんなある日のこと、イチローの頭上に航空機が現れます。大空を自由に空飛ぶ姿は少年の胸をときめかすことになります。現状から抜け出したいという空への憧れ一心で猛勉強をしたイチローは軍人となるのでした。当時の社会状況を解説すると、寄生地主制と封建的家父長制により一部の特権階層に富が集中するという歪んだ社会構造になっていました。故に社会的下位層は軍人となるか国策移民となるかでしか現状を変えられなかったのです。2.26事件で統制派に反旗を翻したのも寒村出身の兵士でした。また国策移民としては満蒙開拓団などが挙げられます。当時、土地所有は農家の次男三男にとっては熱望するものであり、自分の土地が持てるという希望をもって大陸へ渡ったのです。これらの理由により日本が戦争に走った原因は歪んだ社会構造が背景にあると分析され、戦後占領軍によって財閥解体や農地改革などが目指されたのです。
    • 自分の命が無価値なものであることを認めたくないんだ
      • 特攻は戦略的作戦がとれなくなった日本が行った全く意味のない行動であるといえるでしょう。しかし時に特攻は徒に美化される傾向にあり、お涙頂戴モノとして演出され感動するように仕向けられるのです。ナショナリズムも昂揚しちゃいます。ではなぜ特攻が美化されるかというと、自分の命が無価値なものと認めたくないからです。自分の命が全く意味なく終わることに人は耐えられないのです。そのため、国家のためだの民族のためだの親友のためだの家族ためだのと正当化することで自分が特攻することには意味があるんだ!自分の命は無駄ではないんだと言い聞かせているのです。
      • 一郎が空を飛ぶ理由は親友の妹のためでした。一郎はゼロ戦パイロットになった際、自分の後ろを任せられる程の腕を持つ親友ができたのです。しかしその親友は自他と共に技量を認められていたが故に、整備不良の機体を回されることが多くなり、ある時の戦闘でとうとう撃墜されてしまったのです。親友の妹;勝子に死を告げにいったのは一郎でした。両親もなく戦時下で苦しい思いをしていた勝子にとって兄の死は過酷なものであり、一郎に辛い言葉を浴びせます。一郎は親友のため、勝子のため、特攻兵に志願することになります。特攻の日の当日、一郎の目の前には勝子の姿が。もう誰にも死んで欲しくないと嗚咽する勝子を残して一郎はアメリカ海軍の甲板に体当たり。しかし一郎は異世界転生をしファンタジー世界に飛ばされてしまったのです。自分の命がある限りは勝子のために国を背負って戦うことを信条とする一郎は、日本に帰るために行動することになっていきます。


  • ファンタジー世界でレジスタンス
    • 軍人精神で異種間同盟を結べ
      • 一郎はファンタジー世界で龍族の皇女に拾われます。皇女は独裁国家に対しレジスタンスを行うゲリラ戦部隊のリーダーだったのです。皇女が言うには異世界転生には前例があり、マレビトによる先進知識の伝授は過去にオーバーテクノロジーをもたらし悲劇を生んだことがあるとのことでした。一郎は元の世界へ戻る手がかりを得るため、皇女のレジスタンスに協力することになります。異世界からやってきた一郎の存在は異種族の間に折り合いをつけるためにはうってつけの存在でした。体験版では各勢力に一郎が乗り込み様々な問題を解決することを代償に交渉し、異種間同盟を成立していく様子が窺われる描写がなされていきます。
    • 竜騎兵となりて敵を討て
      • 一郎はゼロ戦パイロットなのですがファンタジー世界に航空機があるわけもない。ではどのようにして飛行属性を活かすかというとドラゴンに跨る竜騎兵となるのです。体験版では一郎が飛龍舞台の指揮官となり、軍事教練を施す場面をプレイすることができます。この教練場面がまた面白い。人間を認めようとしない跳ねっ返りの龍族たちを、一郎は個体能力の劣る龍を操って返り討ちにしていきます。一郎にフルボッコにされた龍族たちは、その能力を認めざるを得ません。こうして一郎は飛龍部隊の指揮を取っていくのです。