まいてつ(共通√)の感想・レビュー

地方創生物語。滅亡の危機に瀕する地方をどのようにすれば救うことができるのか?
工場を誘致して産業の発展を図る開発派に対し、主人公くんたちは環境保全を唱えて立ち上がる。
どんなに国の環境基準を満たしていても排水汚染は止めることはできず実家の酒屋が大ピンチ。
主人公くんたちが取る手法は鉄道を利用した観光産業の育成。
そして地方が活性化すれば工場誘致でも観光でも問わない金融資本サイドも登場する。
それぞれの主張をするヒロインたちの意見をうまく吸い上げて地元の発展に貢献しませう。

共通√概要(わりとまじめに地方創生する)

  • 地方領主層の子弟が酒屋を守るために故郷へ帰るそうです
    • 主人公くんは鉄道事故で家族を亡くし天涯孤独となった後、熊本県の酒屋に養子として引き取られました。事故のショックで抜け殻と化していた主人公くんを支えたのは引き取ってくれた酒屋の家族たちで、徐々に主人公くんは人間の心を取り戻していきます。そして勉学を身に着け帝大にまで進学していったのです。しかし主人公くんは自分を庇って死んだ双子の妹の幻影を打ち払うことができずにいました。そんななか、地元の工場誘致問題が主人公くんの耳に届きます。工場が誘致されれば水が汚染され自分を救ってくれた酒屋が大ピンチではありませんか!!問題を目の当たりにした主人公くんは帝大を休学し、地元にはせ参じます。そして工場誘致問題をなんとかすべく立ち上がったのだです。しかし、地方の衰退はとどまることをしりません。カネが稼げなくなれば滅亡は必至。主人公くんは家の酒屋を守る為には地元そのものを守らなければならないことに気が付くのです。「恒産なくして恒心なし」とはよく言ったもので、主人公くんは民衆のため地方領主層として工場誘致に代わる産業開発に取り組むことなります。


  • 環境保護のため工場誘致に反対し観光産業に力を入れるようです
    • 工場誘致以外での産業開発にはどのようなものがあるでしょうか。まぁ地方創生ったら観光業だわな。…というわけで、主人公くんは民草の暮らしを見て回ることになります。そこには質としては非常に高いサービスを提供するものの、集客の方法が分からず手をこまねいているだけの現実があったのです。経営難にあえぐ私営の地方鉄道、閑古鳥のなく川下り観光などなど。上手くいってるのは主人公くんの酒屋における焼酎販売くらいのものでした。そこへ主人公くんの義姉からアドバイスが。地方創生に先立つものはカネであり、主人公くんが持つ経営資本を組み合わせてカネを作るように婉曲表現で示されます。主人公くんの持ち札は、遺産の蒸気機関車ハチロク、市長を社長とする私営鉄道、工場誘致に反対する地元派の人々のコネクションでした。そこで主人公くんは市長が保持する私鉄に汽車のハチロクを走らせ、それを軸に温泉の湯治や自然体験を組み合わせてツーリズム開発を企画するのでした。


  • 先立つものはカネであり資金繰りに奔走します
    • 鉄道のような巨大なインフラ整備が必要な事業は金食い虫であり、単体で黒字化することは至難の業とのこと。線路を敷き、それを保線するためには莫大な資本投下が必要なのです。ヒロインBの市長が運営する私鉄はすでに設備疲労が限界に達しており、とうとう事故が起こってしまいました。大事には至らなかったのですが、観光業を本格化させるに至ってはきちんとした整備の必要性を痛感します。ここで主人公くんの人身を担保に4億を借りる話が浮上し、これが√分岐の伏線となるのです。もし観光産業の育成に失敗し、カネが返せなくなれば主人公くんが抵当となることが示唆されます。養父による政略結婚の手ごま√、銀行に入行し金融資本の手先となる√が匂わされます。また、機関車ハチロクの復興に成功し、試験運転を成し遂げた主人公くんには3つの可能性が示されます。ハチロクとともに鉄道事業に専念して観光の集客する√、ヒロインBの市長と市政運営をするよ√、ヒロインCの義妹と地域密着するよ√の3本です。こうして主人公くんは思想の異なる各ヒロインを選んで地元の活性化に邁進していくことになります。たぶん主人公くんの鉄道事故ハチロク鉄道事故は同じものであり、両者がどのようにトラウマを克服するかが結構楽しみかもしれない。