レヱル・ロマネスク 第1話「コンテンツ産業を活用した観光振興による地域活性化事業」の感想・レビュー

蒸気機関車」による地域活性化の取り組みを題材にした『まいてつ』の派生作品。
『まいてつ』が地方鉄道とコラボしようとして失敗した黒歴史をどう扱うかに注目が集まる。
コンテンツツーリズムの研究史上、失敗事例として必ず触れなければならないのが『まいてつ』。
『レヱル・ロマネスク』で観光振興に本気で取り組むのなら、この問題こそ扱って欲しい。
しかしてその実態は・・・ハチロクの亜種量産キャラたちがワチャワチャしているだけであった。
そもそもハチロクが主人公じゃないんかい!?と思ったのは私だけではないはず。

雑感

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  • コンテンツツーリズム研究における『まいてつ』の歴史的意義
    • 『まいてつ』はコンテンツツーリズムの研究史上、非常に重要な作品である。その理由は二つある。一つ目は、『まいてつ』という作品自体が観光振興による地域の活性化をテーマとしており、「蒸気機関車」を始めとした鉄道のコンテンツツーリズムを扱っているからである。二つ目は、現実世界において『まいてつ』が地方鉄道とコラボしようとして失敗したからである。すなわち観光振興をテーマにした作品であるにも関わらず観光振興に失敗したという点で特異的なのである。マンガ、アニメ、ラノベ、ゲームなどのコンテンツが一般にも受け入れられるようになってきたとはいえ、まだまだ根強い偏見があるため安易にコンテンツ活用やキャラクターIPに手を出すことへ警鐘をならすことになったのである。同様の問題は宇崎ちゃん献血事件やラブライブみかん事件で再燃したことは記憶にも新しいであろう。
    • また、『まいてつ』の派生作品である『レヱル・ロマネスク』が「地方鉄道の経営改善のための勉強会」をテーマにすると聞いて、どのようにコンテンツツーリムが内包するSIT(スペシャル・インタレスティング・ツーリズム)の問題を克服していくのかに注目が集まっていた。SITとはある特定分野に強い興味を持っている人たちをターゲティングにしたツーリズムであり、①ターゲット層においては当該コンテンツに興味があるだけなので、舞台となる地域的特性に最初から関心があるわけではないこと、②コンテンツを知らない地元の一般人にとってはコンテンツツーリストの行動は奇怪に映ることなどがしばしば問題になる。
    • 以上により、『まいてつ』というコンテンツを扱う以上、割と真剣に「地方鉄道の経営改善のための勉強会」に取り組むものだと思っていたら、「グッズ製作」とか言い出して拍子抜けした。

 

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  • 情報詰め込みすぎで、事前の予習が無いと、とてもではないがついていけない
    • のっけから設定の説明を文字資料で提示され、しかも瞬時に切りかえ。一時停止することが前提で作られているのか?1回の放送では読み切れない。『まいてつ』の知識が要求されており、プレイしていなければおいてけぼり感が否めない。さらに怒濤のキャララッシュ。ハチロクの亜種である各地方鉄道をモチーフにしたキャラが大量に出てくる。しかも架空の日本という設定なので、名前がもじってあり、素人ではどの鉄道なのかパッと見じゃ全く分からない。中国の鉄道キャラまでいるし、このキャラは中共のキャラなのか台湾のキャラなのか・・・。
    • で、地方活性化のために各キャラたちがアイディアを出していくという形式らしいのだが、第1回目はグッズ製作とだけ告げられて幕を閉じた。・・・アニメ本編だけでは全く理解できないし、原作の『まいてつ』プレイ済みでもついていけない。かなりの予習と下調べが必要かもしれない。
    • そもそも『まいてつ』の魅力はハチロクに負うところが大きいのに、ハチロクが主人公じゃないんかいというツッコミを入れたくなったのは私だけではないはず。本作の主人公は「すずしろ」というキャラらしいのだが、(今の時点では)なんか微妙(あくまでも個人的な感想です)。ハチロクが主人公じゃダメだったの?

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