アマツツミ 最終話「水無月ほたる-蛍-最後の1週間」の感想・レビュー

主人公くんが自らの命と引き換えにメインヒロインを救うはなしシリーズ。自己犠牲モノ。
ホスピスであるが故に世界を呪ったメインヒロインは、1週間で記憶リセットされるコピーを生み出す。
で、主人公くんはコピーの方に恋情を抱き、コピーを生かす為に自らの命と引き換えにオリジナルを殺す。
安易に主人公くんを復活させなかったのは評価できるが、主人公くんとの子種妊娠エンドが読み取れる。
クリア後は選択肢が増えてホスピスのオリジナルを救済できるようになるのだが、ご都合主義感も満載。

水無月蛍のキャラクター表現とフラグ生成過程


  • ホスピス×思念体コピー×記憶リセットモノ
    • メインヒロインはホスピスで余命幾ばくもありませんでした。故にこの世界を呪ったため、自らの思念体をコピーとして生み出せるようになりました。しかしコピーは記憶を1週間しか保てず、日曜になると死に月曜になると新たな思念体が生み出されるという設定です。はいはい記憶リセットモノですね。主人公くんは思念体コピーの方に恋情をいだくのですが、オリジナルのメインヒロインに会うと世界を呪うその姿に嫌悪感を抱きます。そのためコピーの方を生かそうと努力していくことになります。オリジナルの方がもう死ぬというので、コピーを生み出せるのも最後になりました。それがサブタイトルの「最後の1週間」というわけですね。コピーほたるを記憶リセットせずに生かすために主人公くんが取った手法とはどのようなものだったのでしょうか?それはコピーと結婚式を挙げることで自分の名字を与え別個体と認識させることでした。そしてオリジナルの方に生への執着を諦めさせ、コピーへと生存を譲渡させようとするのです。生きることに拘るオリジナルに対し主人公くんは一緒に死んであげると提案します。ホスピスでありこの世を呪うことにも疲れていたオリジナルは生存概念をコピーへと譲渡するのでした。こうしてオリジナルと主人公くんは消失し、コピーは新たな生存概念を得て記憶リセットも無くなります。ここで主人公くんが安易に生き残ってましたーとかやられると興醒めなので、復活させなかったのは良かったのですが、最後にお腹をなでる描写からあー子種妊娠エンドねーと微妙な気分になったのでした。



  • 世界を呪うメインヒロインのオリジナルを救え
    • ほたるコピーエンドを迎えると選択肢が増えてオリジナルを救済できるようになります。まぁこれはオマケみたいなものかなー。オリジナルほたるはホスピスであるが故に世界を呪い、コピーほたるを木偶人形扱いするので、コピーほたるに惚れた主人公くんが怒りを覚えるのですが・・・。追加選択肢ではオリジナルほたるの世界に対する想いに触れることで、憐憫を抱くようになるのですね。こうして世界に対する呪いを理解した主人公くんはオリジナルほたるの閉ざされた心をオープンハートします。そんなわけでオリジナルほたるが主人公くんを受け入れる態勢になればご都合主義フラグは解放さ。オリジナルとコピーできちんと和解しようぜという展開になります。1周目では主人公くんの命を引き換えに、オリジナルとコピーの存在概念を入れ替えていましたね。しかし2周目では和解したことによって二つの人格の併存が可能となりました。これによりオリジナルの肉体は死を迎えても魂を融合できると思いつくわけです。ついでに主人公くんは死にそうになるのですが、第二話で救済した響子の友人の死霊に助けられます。こうして主人公くんは、自分が言霊を操る神であることを棄てることを代償にほたるを救うのでした。以上により神から人間になった主人公くんと、コピーとオリジナルの魂が融合して同一化したほたるはハッピーエンドを迎えます。ご都合主義っぽいなー。他のプレイヤの皆さまはこういう展開を受け入れられる派ですかね?