雑録

アマカノ〜Second Season〜「沓野奏シナリオ」の感想・レビュー

温泉旅館の孫娘である車椅子少女のリハビリに寄り添うはなし。
キャラゲー。明確な目的はない。強いてあげれば身体的ハンディからくる卑屈さを打ち払うことか。
11月からヴァレンタインまでプレイできるのだがフラグ成立後から冗長で何度か眠ってしまった。
まったりとフラグ構築が進んでいくのでぼんやりしたいときなどにプレイするのが良いかもしれない。
個人的には温泉旅館の仕事の描写がもう少し深く掘り下げられていると良かったように感じた。

沓野奏のキャラクター表現とフラグ生成過程

  • 車椅子少女と温泉旅館でリハビリを目指せ
    • 一時期紙芝居ゲー業界で泣きゲーが流行ったころハンディキャップを持ったあまたのヒロインが生み出されました。その到達点が『かたわ少女』なのですが、最近の車椅子ヒロインといえば『この大空に翼を広げて』のメインヒロインなどがいるでしょうか?泣きゲーでハンディキャップを持つヒロインが描かれたのには理由があり、主人公くんがヒロインの障害を支えることでフラグの成立を表現することができ、また健常者との比較によりヒロインを苦悩させることで内面描写の掘り下げを行う機能をもたせることができたからなのです。
    • 物語は主人公くんが知り合いの温泉旅館に下宿する所からスタートするのですが、その温泉旅館の孫娘がヒロインの奏ちんなのです。冬ゲーで温泉というと『SNOW』や『ゆのはな』(厳密には銭湯だが)が思い起こされます。奏ちんは夜な夜な温泉旅館でリハビリを続け、杖を突いて歩く音は座敷童ならぬ「ゆきんこ」として旅館の都市伝説なり親しまれていました。それに感づいた主人公くんは「ゆきんこ」の正体を奏ちんと突き止め、一緒にリハビリに励んでいくことになります。また奏ちんは学校の勉強が苦手であることが判明し、主人公くんは勉強のサポートをもまた行っていくことになります。二人で過ごす時間が長くなればフラグは成立さ。主人公くんはお兄様とか呼ばれて親しまれることになります。
    • 余談ですが、勉強が苦手な奏のために、地形図もって巡検しにいくところが大好きです。扇状地の土地利用を実際に確認するところや河岸段丘などグッド。欲を言えばちゃんとした地形図と実際の地形を表示してもらえれば本当に喜んだかもしれない。地理ネタが増えれば良いなぁと思う今日この頃。


  • 身体的ハンディと自己卑下
    • 奏√で印象的な表現方法として「羞恥の認識」というものがあります。フラグ成立以前、奏は主人公くんに対して無防備な姿勢で接してきます。それに主人公くんはドギマギするのですが、奏自身は無意識だったのです。しかし好感度が蓄積されているごとに奏は自分が如何にこれまで無邪気に接してきたかを自覚することになり恥じらいを覚える年頃となるのです。これを本作のツンデレヒロインは幼少期に親から何も言われなかったので箸をテキトーに持っていたら、ある時周囲の皆が規範的な持ち方で食べていたことに気づきショックを受けたというエピソードをもとに語られていきます。周囲と比較し自己劣等に気づき羞恥の念を抱く展開です。そして主人公くんと交際していくと、奏はどうしても自分の身体的障害を自覚せずにはいられません。他のカッポォーが仲睦まじげに並んで歩く姿を見て羨んだり、奇麗な靴に憧れて落ち込んだりしてしまいます。そんな奏を助けてあげるのが我らが主人公くんというわけさ。足が悪かったからこそ主人公くんとフラグ構築できたのだと人間万事塞翁が馬・禍福は糾える縄の如しと積極的に肯定できるようになります。最後は料理が苦手な奏が特訓してチョコレートを作り、ヴァレンタインで相互交換をしてエンドを迎えます。