星恋*ティンクル「超展開☆旧石器時代人=宇宙移民説話」の感想・レビュー

娘を宇宙移民船に置き去りにした夫婦の、地球における子孫たちが、数万年の時を経て、コールドスリープした娘を宇宙へ迎えに行く話。
伏線として張られていたサブヒロインズたちの異能保持はすべて宇宙移民によるものだった。
メインヒロインのナギは宇宙船から投射されたホログラム的な存在。
宇宙船の耐用年数が尽きかけている今、ホログラムとフラグを成立させた主人公くんは実体を救わんと欲す。
こうして主人公くんは攻略したサブヒロインズ(異能を継承した始祖の子孫たち)の力を借りて宇宙へ挑む。
最後は宇宙移民船に辿り着いた主人公くんが無事に凪を救出し大気圏突入を成功させ、地球帰還エンドとなる。

概要


  • 封建遺制の背景は宇宙移民だったでござるの巻き
    • 閉鎖的で因習が蔓延る田舎町。その地域を牛耳るのは三種の「神技」と呼ばれる異能を保持した御三家と呼ばれる特権階層でした。その町でしか見えない「ナギ」と呼ばれる星の伝説を秘匿することで既得権益の保持を図っていたのです。物語全般を通して、なぜ「ナギ」という星はこの町でしか見えないのか、また三種の「神技」という異能は何を起源としているかが伏線として張られてきましたが、全てはグランドエンドのためにあったのです。なんとメインヒロインの凪は宇宙に漂う移民船から投射されているホログラムであり、本体はコールドスリープ状態にありました。その凪を救うのがグランドエンドの目的となります。
    • 宇宙移民船は交配を重ねながら世代交代を行い、移住先を探していました。しかし宇宙での病気におかされついには最後のカップルだけになってしまいます。しかしその時、ついに旧石器時代の地球へと辿り着いたのです。けれども地上に降りるには、地球の文明はまだ早すぎました。こうして環境が安定するまで宇宙船で待機することになったのですが、ついにカップルのうち女性の寿命がつきかけてしまいます。彼女は死を地上で迎えることを望み、つがいとなる男性もまた一緒に死のうと地球へ降り立ちます。宇宙移民船団の人工知能に自らの娘を託して。この宇宙船の人工知能が凪の守護霊として描写されていたリーベルだったのです。リーベルは凪パパを糾弾しますが、娘よりもパパは妻を選んだのでした。その結果、リーベルは凪の母の役割をしながら、子育てをすることになったのです。


  • コールドスリープをする凪を救うため、数万年後の子孫である主人公くんたちが助けに来る
    • 凪パパと凪ママは地球に降り立ってもすぐには死にませんでした。なんと物語の根幹をなす三種の神技とは宇宙船リーベルから無線ダウンロードされる便利ツールだったのです。こうして凪の両親は三種の神技を駆使して生き残り、地球で子種を残します。いつか自分たちの子孫が凪を助けに行くことを信じて。凪パパ&凪ママの子孫たちは三種の神技を便利ツールではなく異能として現代まで継承してきました。その異能保持者となったのが、主人公くん、ポンコツ低スペックイモウト、金髪ツインテールツンデレ巫女、ドジっ子Mメイドだったのです。
    • そしてついに宇宙移民船リーベルは耐用年数の限界を迎えてしまいます。座して死を待つよりは・・・と、AIリーベルは凪をコールドスリープ状態にし、凪のホログラムを地上に送って、仮想人生を歩ませることにしたのです。これが物語の時間軸であり、主人公くんはこのホログラムを攻略して結ばれたのですね。凪は主人公くんたちが宇宙に来れるなど到底思っておらず、もうすぐ死ぬので記憶操作して自分の存在を忘れさせようとします。ところがどっこい、主人公くんの活躍が始まります。AIリーベルに励まされた主人公くんはヒロインズと一致団結し、宇宙を目指します。宇宙目指すよ編はカットされてしまうので、主人公くんはあっさりと宇宙移民船に辿りつきました(せめてここで主人公くんと父親の和解シーンは入れて欲しかったものよ)。そして大気圏突入。宇宙移民船リーベルは砕け散ってしまったものの、凪も主人公くんも無事でありハッピーエンドを迎えます。