雑録

ニュートンと林檎の樹「アイザック=ニュートン√」の感想・レビュー

科学に挫折した少年が17世紀後半英国における異世界転生を経て現世でもう一度科学に挑戦する話。
ニュートンは実は金髪ツインテ炉利であり、主人公くんは万有引力の法則を見つける手伝いをする。
最後は無事に『プリンキピア』を刊行して現世に舞い戻る別離エンドとなる。ビターっぷりが良い。
出会いと別れの経験をタイムトラベルで得たからこそ、現世でも強くなれるなんだ!!
しかしシーン回想を全て埋めるためにはハッピーエンド至上主義のご都合展開を読まなければならない。
別離の感動を味わったあとですぐに、ニュートンがタイムマシンを開発して現世に出現し、ご対面だよぉ!

アイザックニュートンのキャラクター表現とフラグ生成過程


  • ニュートンが承認欲求と自己顕示欲を吐露するシーンが最大の見せ場だと思う。
    • アイザックニュートンは実は金髪ツインテ炉利っ子だった!?と、いうわけで主人公くんたちがタイムリープした際に、ニュートン万有引力の法則を思いつくのを邪魔してしまったが故に歴史が変わってしまったので、その修正に乗り出していきます。主人公くんは17世紀後半のイギリスにおいて様々な女体化した科学者たちと交流し、一度は挫折してしまった科学と向き合っていくことになります。
    • ここでポイントとなるのが、ニュートンの研究動機。ニュートンは幼少期に母に捨てられていました。そのため研究業績を上げ、知名度を知らしめることで、自分の存在を認めてもらおうとしていたのです。この理由によりニュートンは人一倍承認欲求と自己顕示欲が強かったのですね。しかし異父妹との出会いによって今まで自分が支えとしてきた全てが折れてしまうのです。これは主人公くんの挫折とも酷似しています。主人公くんは自分が偉大なる祖父の血を引きし者であることを支えに険しい科学の勉強に耐え忍んできたのですが、実は父は養子で血縁関係などまるでないことを知り、心が折れてしまうのです。主人公くんもニュートンも不健全な理由から科学を拠り所にしたため、挫折も半端なかったのです。焼け焦げた林檎の樹の下に座り込みながら主人公くんに自分の学問に対する不誠実さを吐露するニュートンには一見の価値があります。
      • 以下本作品とは全く関係のない余談→→→はいはい、これ高校生時代の私を想起させますね。アイデンティティ拡散の危機に際し、自己の存在証明するために勉学を手段としました。案の定、勉学を「目的」ではなく「手段」としてしまっていたので、ポッキリと心が折れ、最後まで戦い抜くことができなかったのです。勉学には執着心とか信念とかがないといかん。粘り強く戦えません。特に高2から一生懸命コツコツ頑張ってきた物理を、高3の夏で投げ出してしまったのが私の高校時代の最大の汚辱かもしれません。駿台全国模試がどういった模試かを理解せず、その結果だけを見て勝手に挫折感を味わい、安易に諦めてしまうとは情けなや。もし本当に物理好きなら奮起するところだろーがよとね。理系で打ちひしがれていた記憶がまざまざと蘇ります。『花咲ワークス』の雄弁ウザ子も私の高校時代とそっくりだったので黒歴史に直面して吐いたが、この作品もいけねぇなぁ(誉め言葉)。主人公くんが挫折から立ち直った時には一人でハラショーしていました。


  • 全てのシナリオは主人公くんは挫折から立ち直るためにあった。科学っていいな!
    • 主人公くんの活躍により、ニュートンは対立した親友ハレーと和解し、異父妹とのわだかまりも解消しました。あとは『プリンキピア』執筆一直線です。本作ではニュートンの中のヒトは、金髪炉利姉妹であり二人いたという設定とのこと。しかし『プリンキピア』が完成に近づくということは主人公くんとの別れもまた意味していました。主人公くんはニュートンに対し自分たちが未来人であることを暴露していたのです。二人は最後の時間を丁寧に、しかし激しく求めあいながら過ごしていきます。そしてやってくるお別れの日。涙の別離とビターエンド。17世紀後半のイギリスにおける女性科学者たちとの交流は主人公くんを変えていました。彼女たちとの交流により、科学への信念に触れた主人公くんはもう一度、険しい科学への道へ挑む決意をしたのです。挫折系主人公くんが立ち上がるパターンはいつ見ても感動してしまうんですよねー私はヨォ。挫折系主人公くんモノの物語パターンは私ホイホイの記号となっていますね。
    • 以上によりビターエンドの余韻に浸っていたのですが、オマケシナリオを見てもシーン回想が埋まりません。何やら追加シナリオがある様子。クリックしてみると、何回もしつこく作品の世界観を壊すので見ないでねとか読まされたのですが、読まなきゃフルコンできない仕組みなので仕方がない。断腸の思いで読み進めていくと、そこにはハッピーエンド至上主義のご都合展開が待っていました。ニュートンは自身でタイムマシンを発明し現代の時間軸における主人公くんに会いに来たのです。で、お風呂で生殖行為する描写が埋まります。