八日堂茉莉アフターはホントウにオマケ程度。開発陣はシナリオについて何も思わなかったのだろうか…?
最初に茉莉アフターをやってしまったため、あまりの短さに呆然としてしまった。
一方でルミネアフターはきちんと作られており、本編で回収されなかった根本的な問題をきちんと解決。
杓子定規な規則に囚われていたルミねぇは適切な匙加減と人生の楽しみを見出し、山県大瑛伏線も回収。
さらには本編ではギャグに走ってた房中描写をおねショタプレイに路線変更してきています。
八日堂朔莉after「八日堂さんは舐める」
- ホントウにオマケ程度なもの
- 本編において来日した目的を達成した女優:八日堂朔莉さんは、日本に居ても意味がないのでアメリカに帰ると言い出します。周囲のヒロインズも仕事した方がいいでしょという冷静な判断。完全に才華くんのワガママで朔莉さんを引き留めることになるのですが、全く何もしない無為な2年間を過ごさせるわけにもいきません。そんなわけで、朔莉さんが日本にとどまる意義を見出させるのが主な内容です。その手段は女優である朔莉さんが演ずる脚本を才華くんが執筆して朔莉さんに認めてもらうというもの。いやなんかもうダイジェストモードすらなくほぼ場面転換だけで脚本が仕上がります。しかも、それを演じる所まではやりません。流れとしては才華くんの脚本しょうもないなぁ、じゃあ私も手伝ってあげるわー的なノリ。そんな感じで日本に留まることが決まってよかったね的エンドとなります。唯一面白かったのは、髪の毛を食べる病気のことをラプンツェル症候群という豆知識が増えたことくらいかな。
大蔵ルミネafter「弟なるもの」
- ルミねぇが抱えていた諸問題の根本的な解決
- 杓子定規な雁字搦めの規則に囚われる少女が軟化していくところがみどころです。ルミねぇは才華くんにとっては最強のお姉ちゃん。しかしながらそれは姉として気丈に振る舞っているからなしえていた側面であり、本来のルミねぇは豆腐メンタル。本編では見事にメンタルクラッシュしておりましたね。従来ルミねぇは一心不乱にピアノに打ち込み、機械的に超絶精密な演奏を行う技術マシーンに過ぎませんでした。ですが、ルミねぇはそれが正当で正答だと思っており、周囲から評価されているのは自分の実力!と思い込み、周囲を歯牙にもかけなかったのです。しかし、実は裏で大蔵家がルミねぇに賞を取らせるように圧力をかけていたことを知って、自分がピエロであると気付いて精神崩壊したのでした。
- そんなルミねぇでしたが、徐々に演奏することの楽しさを見出していきます。幼少期のようにピアノを才華くんのために弾いて、才華くんに楽しいと感じてほしいと思うようになります。また楽しんで音楽している山県大瑛に認めてほしいと、ルミねぇは杓子定規に囚われていた過去の自分から解放され、ファジーさを身につけていくのです。ルミねぇがこれまで考え方を否定してきた山県大瑛とともに、食事を楽しむためのディナーにおいて、雰囲気を良くするための演奏を一緒にやるところは感無量ですね。そして演奏会で1位になったルミねぇが規則を破って、指定された曲を弾かずに才華くんのための曲を弾いちゃうところは、一番の見せ場。完全にルミねぇが「いい加減」は「良い」加減を身につけた瞬間でありグッとくる演出となっております。
- あとショタプレイしてる時に才華くんが幼少期の制服をルミねぇに着せられるのですが、その服は遊星さんがデザインしたものであり、反抗期であった才華くんが遊星さんへの反発を無くせたところはつり乙のOPのBGMとも相まって結構好き。
- 山形大瑛問題について
- ルミねぇにとって乗り越えねばならないのが山県大瑛との確執。山県大瑛は大蔵次男家の第二子だったのですが、認知してもらえず、母親からも見捨てられました。そんな大瑛を引き取ったのが大蔵スルガ(乙りろのラスボス)だったのです。大瑛は自分を認知してくれなかった大蔵家を嫌って、母方の姓を名乗るのですが、大蔵家以外の者を認めない大蔵スルガからは家族になってもらえなかったのです。
- 衣食住と家政婦を与えられた大瑛は不自由はないものの孤独を抱えて少年期を過ごすことになりました。そして進路選択の際において大蔵スルガと対決することになります。大瑛は音楽系の学校に行きたかったのですが、保護者の同意書が必要であり、それに記入してもらえなかったのです。ここで初めて大瑛は、大蔵家や山県家とは関係なく、個人として家族になってくれとスルガに縋りつくのですが、クールにドライに切って捨てられます。発表会で高く評価された大瑛でしたが、保護者の同意書がなく唇をかむだけ。しかしそんな大瑛に、違う音楽学校のスカウトがやってきて、大瑛を取ってくれたのでした。後から大瑛が知ったことには、もし演奏が良ければスカウトしてやってくれと大蔵スルガが根回しをしてくれていたのでした。さらには保護者同意書の件もファミリーネームが違ければ無効であるものであり、大蔵スルガは山県大瑛の保護者としてサインできなかったのでした、と奇麗なオチがつきます。
- こうして大瑛は血筋云々ではなく個人としての関係を重視するようになります。大蔵家そのものは嫌いだけれども、大蔵家にいるからといって個人を嫌うわけではない。それを知ったルミねぇは個人として大瑛と和解できたのでした。
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