RIDDLE JOKER「式部茉優シナリオ」の感想・レビュー

茉優先輩の親友かつ理事長の娘でもある「琴里さん」を助けるために異能制御装置を確立する話。
フラグ構築過程と異能制御装置の進展が段階的に繋がっておりシナリオ構成の巧みさが光ります。
デレ化した茉優先輩の破壊力もバツグンであり、キャラゲーとしてもニヨニヨできて楽しめる内容となっています。
コンプレックスのカタマリであり悩める茉優先輩と経験不足で歯がゆく思う主人公くんの二人三脚がみどころ。
最後は目的もなくただ任務をこなしていただけの主人公くんが愛する女性と生きるという目的を手にします。

茉優先輩√各章の概要


  • Chapter4 罪悪感
    • 茉優先輩√では文化祭の襲撃事件そのものはアッサリと片が付きます。同じ政府内のアンチ異能力派閥の犯行であったということで派閥闘争に勝利?し、ひと段落。しかし主人公くんには異なる問題が発生していました。それな何かというと「主人公くんの服に返り血がついているのを茉優先輩に発見されてしまった問題」。主人公くんの養父は組織を感づかれた可能性があるとして早急に真偽を確かめろと主人公くんに命じます。しかしそれは杞憂に終わり、茉優先輩は心から主人公くんを心配して今でもヤンチャしているのでは?と気遣ってくれたものでした。
    • 一安心といったところでしたが、喜びも束の間、今度は任務として異能学園の研究棟への潜入を命じられます。そのためには研究者として働く茉優先輩に接近する必要があるとのことで、主人公くんはグイグイと茉優先輩に近づきます。当初は任務だからと割り切り好意を利用して茉優先輩のパーソナルスペースにスルっと入り込んだのですが、次第に主人公くんは罪悪感に苛まされるようになります。茉優先輩はあくまで主人公くんへ好意をもって接してくれているのにも関わらず、自分はそれを利用してしまっていいのだろうかと思い悩むようになっていくのです。スパイ映画宜しく女を堕として情報をゲットという展開に後ろめたさを隠せません。その気持ちはついに任務にまで及んでしまいます。主人公くんは肩もみを申し出て茉優先輩を指テクで逝かせている間にPCから情報を抜き取り研究棟に潜入することに成功したのですが、、、茉優先輩が研究棟で植物人間?と化している少女に近況を独り言ちている姿を目撃してしまうのです。本来の任務をすっぽかして食い入るように茉優先輩をストーキングしてしまう主人公くん。一体、その植物人間は何なのか?Chapter5へ続きます。


  • Chapter5 正体バレ
    • 主人公くんが任務上グイグイ攻めてくる様子を見て茉優先輩は、悪い気がしません。年下のオトコノコがなんか自分のところに来てくれるときゅんきゅんしてしまいます。優秀な茉優先輩は予習も欠かさず主人公くんとのアレコレを想像して知識の蒐集に没頭します。主人公くんがスパイ活動にいそしんでいるのを露知らず、主人公くんが潜入しているにも関わらず自慰行為に耽るのでした。はい、ゆずソフトさん様式美のオナバレ展開ですね。茉優先輩の自慰に釘付けになってしまった主人公くんはPC情報の抜き取りに失敗し仕切り直しとなります。これを受けて義妹が提案した選択肢は3つで、研究棟に忍び込むか、茉優先輩を性奴隷にするか、講義棟にある茉優先輩の研究室に潜入するか。義妹は茉優先輩を垂らしこむ選択肢を押すのですが、おなぬーを覗き見した主人公くんは後ろめたさが半端なく、講義棟の茉優先輩の研究室への潜入を選びます。しかし茉優先輩はログイン履歴から第三者が自分のアカウントを使用していることに気づいており、主人公くんはまんまと罠に嵌ってしまうのでした。潜入者が主人公くんであると知った茉優先輩は、複雑な心境に陥るのでした。
    • こうして良い感じに築いてきた二人の関係性はオシャカとなり、スパイ活劇的な情報の駆け引きが行われるのですが・・・半ばギャグ回でニヨニヨしてしまいます。駆け引きに慣れていない二人が駆け引きをしようとしてお互いの恥部を曝してしまい二人で自滅する姿はグッときます。茉優先輩の事情は以下の通り。孤児院後の茉優先輩は中学校でも異能保持者を隠していたこと、しかしその中学校で異能保持者であるにも関わらず人間の尊厳を保ち堂々としている親友に出会たこと、これにより茉優先輩も異能を受け容れることができ異能学園に進学したこと、異能学園では勉強を頑張り親友とはお互いに研究職を目指そうと約束したこと、茉優先輩が自分に与えられた仕事の代理を親友に頼んだこと、その仕事で親友は能力の暴走を引き起こしてしまったこと、暴走を抑えるために親友は植物人間となったこと、茉優先輩の目的とは親友を復活させること、それには暴走を制御する方法を研究しなければならないこと、ついでにその親友は理事長の娘であること、以上により留年を重ねていること。これらをすべて主人公くんに明かすのでした。一方で主人公くんも茉優先輩に惚れてしまったことを告げ、一人の人間として茉優先輩の助けになりたいことを告げてフラグが成立したのでした。
    • 報告を聞いた主人公くんの養父は吃驚仰天。せめて式部茉優を垂らしこんだので裏切る心配がないという風に報告してくれればと思い悩みます。それでも主人公くんに恋愛せよと養父自身が吹っかけていたこともあり、さらに隠されていた異能暴走事件の真相も知れたということで、トントンで内々に処理されることになりました。


  • Chapter6 助手と書いてカレと読む
    • デレ化茉優先輩炸裂劇場!!年上のお姉さんぶって余裕のキャラを演じようとしながらも、実は茉優先輩の方が甘えただったというはなし。フラグ構築後、茉優先輩の助手となった主人公くん。理事長からなぜ他の人材ではなく主人公くんを?と問われた時に、率直に親友であり理事長の娘でもある琴里のことをすべて話してあると開き直る先輩カッコいい。その割に周囲に主人公くんと付き合っていると明言できなくてモジモジしちゃう先輩かわいい。そんなわけで主人公くんはヒロインズに対して自分が茉優先輩に惚れたのであり、駄々をこねて助手にしてもらったと説明するのです。そんな主人公くんの行為に先輩はさらにきゅんきゅんしちゃうのですね。さらに好感度が高まると先輩は琴里に甘えていたように主人公くんにも甘えたいとのぞみ、抱きしめてとおねだりしてくるのです。主人公くんはそんな茉優先輩を受け容れながらも、どうしても琴里の存在と自分を比較せざるを得ず、自分は先輩にとって琴里の代償なのではないかとケツの穴の小さいことを考えてしまったりもするのです。主人公くんの男らしさはそんな自分の卑屈な感情を先輩に対して白状できること。主人公くんの悩みを知った茉優先輩は、ヤキモチを焼いてくれる主人公くんを可愛く思い、決して琴里の代償ではなく親友ではなく彼氏だからこそ主人公くんに甘えたいというのでした。そしてついに、茉優先輩はヒロインズに対しても主人公くんと付き合っていると述べることができたのです。助手と書いてカレと読む!!


  • Chapter7 異能暴走抑制法〜メモリー繊維と脳のコントロール
    • フラグが構築された後、二人はイチャラブを繰り広げますがオボコでネンネな先輩は生殖に対して尻込みしがち。一方主人公くんも性的未交渉であり拒否されると踏みとどまってしまいます。向かい合わせな青信号の二人をどうやって進展させるのでしょうか?これにはそれぞれの周囲が貢献します。主人公くんは友達ポジションの男の娘に背中を押されます。茉優先輩サイドは女子会が開催され、性的なことに興味津々な二条院羽月さんにより性交渉についての質問がなされるのですが、そこで茉優先輩はまだ未開通であることを暴露せずにはいられません。この女子会で先輩はアレコレとアドバイスを受けるのでした。こうしてお互いに関係性を深める決意をし、ついに肉体的に結ばれます。
    • さて、シナリオ展開の方はどうなっているでしょうか?茉優先輩は初体験のことを親友の琴里に報告しに行きたいと言い出します。主人公くんはこれに応じて二人で研究棟に向かうのですが、そこにはなぜかホントウなら眠っているはずの琴里が起きており異能を暴走させて襲い掛かって来たではありませんか!?この時主人公くんは自分の異能をフルに使って琴里先輩を鎮めます。そしてついに主人公くんは自分の異能が「脳のコントロール」であることを明らかにするのです。これを知った茉優先輩は異能制御法を思いつきます。脳をコントロールできるなら意識的に異能の出力を抑えられるはず。その異能をメモリー繊維に記憶させれば、意図的に能力者の出力を抑えられるはず。さすれば、異能の暴走は止められると。こうして琴里さん復活に向かて具体的な進展がなされたのでした。


  • Chapter8 異能制御装置完成!琴里の復活
    • 異能制御装置の確立に向けて頑張る二人ですが、茉優先輩がサクサク進むのに対して主人公くんは停滞しがち。脳をコントロールして出力を下げるなんてどうやったらいいんだ!?焦燥感に駆られる主人公くんに対し、茉優先輩はだったら「使い果たす」感覚を身体に覚えさせればいいのでは?と提案し、主人公くんの精液を搾り取ろうとご奉仕を始めます。茉優先輩の口淫に耐え兼ねる主人公くんですが、ここで茉優先輩は物質固定の異能を駆使して主人公くんに発射させません。脳が焼け付くほどの快楽を与えられた主人公くんはそこで異能制御の感覚を掴むのです。異能の出力を絞ろうとするのではなく、異能の流れそのものを止めてしまえばいいのでは?と。こうして性交により異能制御装置の確立に成功します。茉優先輩が語るのですが、ここまでの過程はフラグ構築とリンクしており、この装置こそ愛の結晶であると。そう考えると、シナリオの構成がきちんと仕組まれており、工夫がなされているのだと気づかされます。こうしてついに琴里の能力暴走は抑制され、復活を遂げるのでした。ちなみに琴里は植物人間状態でも意識はあったそうで茉優先輩が弱音を吐きに来たことを逐一記憶しており、主人公くんのことも知っていたのだとか。これがサガプラ作品だったら3P展開になってるでしょうね。
    • 琴里も復活し、留年していた目的を達成した茉優先輩でしたが、もう一年留年して主人公くんと同級生に・・・とか言い出しそうなそぶりを見せます。しかしここで主人公くんが必ず追いつくから先に行って待っててくれと先輩を送り出すのです。今まで自分の異能を持て余し、その能力を活かせるという承認欲求だけで任務をこなしていた主人公くんが、茉優先輩と生きるという人生の目的を設定できた瞬間でした。エピローグでは卒業する先輩を送り出すエンドを迎えます。