「大好きな律令官制を勉強しているのに官位相当制が良く分かりません。どうすればいいですか?」
「んー、別にいいんじゃないですかね?だって」
「「Ri-Tsu-Ryo Sei!」か!!久川姉妹をパロってないで真面目におしえてください」
「簡単に言ってしまうと、国家の役人に与える位と、その位を持つ役人の官職を対応させた制度」
「どういうこと?もっと分かりやすく噛み砕いて教えて欲しいわ。」
「律令制度の下では、天皇から国家の役人に、地位の序列である位階が与えられていました。正一位とか従四位上とか聞いたことあるでしょ?アレです」
「古典でやったかも?確か一位から三位までが正・従に分かれて全部で6位(正一位~従三位)。さらに四位~八位までは正・従及び上下に分かれる(正四位上~従八位下)。4×5で20位。あれそうすると全部で26位!?古典では全部で30位って習ったんだけど」
「八位の下に「初位」ってのがあって、これがまた大小上下で分かれるので4位分ある(大初位上・大初位下・小初位上・小初位下)。だから26+4で全部で30位。」
「それが位階ってやつね。で、これが何なの?」
「律令制では国家の役人がそれぞれ官庁の職に就く時に、それぞれの位階によって就ける役職が決まっていたのです。」
「ここで官位相当表が役に立つのね!えーっと太政官の太政大臣だと正一位と従一位が対応するのだわ。つまり、この表から正一位・従一位の位の人が、太政大臣になったと判断できるのね。」
「そしてそれぞれの官職は4等級に分けられていて長官が「かみ」、次官が「すけ」、第三位の判官が「じょう」、4番目の主典が「さかん」と呼ばれていました。それぞれの官庁でかみ・すけ・じょう・さかんに当てる字は違いましたけどね。」
「これも四等官の表を見ればいいのね。それぞれの官庁で、かみ・すけ・じょう・さかんに当てられていた漢字は~。神祇官は伯・副・祐・史。八省は卿・輔・丞・録。衛府は督・佐・尉・志。国司は守・介・掾・目・・・覚えきれんわ!!!」
「で、この官位相当表を見ていると自然と思い出してしまうのが「正八位下左衛門大志(しょうはちいげ・さえもんの・だいさかん)」なのです。」
「はいはい『AIR』のSummer編に出て来た柳也さんね。『Kanon』が20周年で話題になってたけど、KEYの二作目の『AIR』もPC版が2000年で、アニメも2005年冬アニメ。今の時代の子たちには通じないわね。」
「けど、この「正八位下左衛門大志」というワードだけでもすごい情報量でして、ここで興味持った子たちが律令官制を覚えるきっかけになりますでしょ?」
「確かに。「正八位下」という位階を与えられている官吏は、左衛門府という官庁では、「衛門大志」という官職に就く事が分かるわね。」
「タイトル変わってるし!」