雑録

タマユラミライ「水晶石みだり」シナリオの感想・レビュー

家業を受け継ぐことができず実家から追放された少女が家族と和解する話。
少女は淫魔の種族であったが搾精することが出来ず人間界に追放される。
それは餓死寸前に追い詰められれば、克服することが出来るだろうという荒療治だった。
暴走して周囲を枯死させていく少女を救ったのが霊媒師の主人公くん。
少女は淫魔となることを諦め主人公くんと添い遂げることを選ぶのだが、実家問題が心残り。
この家族との関係を克服することが本シナリオの主題である。
(途中で異種婚姻における寿命の違い問題が取り上げられたが投げっぱで終わった)

水晶石みだりのキャラクター表現とフラグ生成過程

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異種婚姻における寿命の違い問題はどこに行ってしまったのか?

  • 淫魔少女と主人公くんの出会い
    • 水晶石みだりは霊媒師の主人公くんに仕える淫魔。主人公くんに命を救われたことから恩義を感じ、それがいつしか思慕に変わるのも時間の問題でした。当初、みだりは只々主人公くんの傍に侍ることができれば幸せでした。しかし主人公くんの周囲で女性関係が華やぐと、それに刺激を受け、主人公くんとの関係の深化を望むようになります。
    • みだり√でテーマになるのは異種族の問題です。みだりはその貞淑な性格の為、淫魔にも関わらず搾精することができず、魔界から追放されてしまっていたのです。家族たちはみだりを愛してやまなかったのですが、眷族に示しがつかないため致し方ない処置でした。かつてみだりの母も同じ様な境遇で魔界を追放された過去があり、人間界で搾精のトラウマを克服することができたので、みだりにも期待をかけていたのでした。みだりが主人公くんと出会ったのも丁度その時で、搾精衝動が暴走し、周囲一面を枯死させているみだりを見つけ、それを救ったのでした。以来、みだりは主人公くんの秘書となり、お仕えしていくことになったのです。


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  • フラグ成立の契機とその後の問題
    • みだりと主人公くんが関係性を変化させた契機となったのが、一対の付喪神の夫婦の問題を解決したことでした。寺院に設置された大小の釜が年月を経るうちに霊魂を宿したのですが、寺院の後継者争いの際に持ち去られ散り散りになり闇堕ちしてしまったのです。主人公くんはこれをまた一対に戻して寺院跡地に設置し直して問題を処理するのですが、この付喪神事件に自分を重ねたみだりは主人公くんへの想いをとどめきれなくなったのです。そしてフラグ成立。
    • フラグ成立後、みだりの心残りとなったのは家族との問題でした。淫魔にも関わらず一人の男性とのみ結ばれたみだりはもう魔界には帰れません。家族と理解し合えないのは、よくあることだけれでも、それはそれとして悲しいことだわ。今迄みだりが家族と疎遠になっていたのは、劣等感に囚われ自己肯定感の低いみだりが家族と連絡を取ることに引け目を感じていたからでした。そんなわけで家族に向けてビデオレターを送りましょう、という展開になり、人間界に来てから主人公くんとフラグを構築することになった経緯を振り返りながら紹介し、新たな誓いを立ててハッピーエンドとなります。
    • 途中、淫魔と人間の間で寿命が違うので、結婚してもその後のことはどうするのか?という問題が提示されるのですが、この問題の葛藤には触れられることなくスルーされたのでした。えー。まぁ主人公くんも若返りの秘法を使って道を踏み外してますし、それ故問題にならないのかもしれませんが。

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