スタディ§ステディ「舞阪茉衣」シナリオの感想・レビュー

恋する一途な後輩が難聴系主人公くんを攻略する話。フラグ成立後はバブミ化。
茉衣はとても可愛いが、シナリオは単発的なイベントの羅列を表面的になぞるだけ。
もう少しイベントを絞って中身を濃くした方が内容的には深まったと感じる。
一応雪国ならではの地域資源を活かしたイチャラブは用意されていて、それはとても良い。
芋煮会・遊覧船・クリスマス・鏡開き・雪かき・スキーなど)

しかしギリギリのマスターアップの弊害は大きく、デバックやってないんじゃない?
雪国なのに雪の無い背景CG、サンドイッチを食べて米を咀嚼、アイキヤッチ表示時系列ミス。
そして何より本作の目玉「名前呼び」の音声。違和感しか覚えない。

舞阪茉衣のキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • お母さんのお誕生日のお祝いで好感度カンスト
    • フラグ構築イベントでは母子家庭における茉衣の母親への想いが描かれます。ケーキのモンブランを巡るお涙頂戴劇場のはじまり、はじまり。父親と死別し経済的困難な中、母親は弁当屋で働きながら苦労して茉衣を育ててくれました。困窮しながらも茉衣のことを思う母は、自分の誕生日は祝わずにスルー。そのことに疑問を持った茉衣から尋ねられると、翌日には亡きお父さんが届けてくれたといってケーキを用意したのですが・・・なんとそれは母親が好きなモンブランではなく茉衣の好きなショートケーキだったのです。毎年毎年、母親の誕生日には茉衣の為にショートケーキが用意されたのです。このことに多大な母親の愛を感じ取った茉衣は、今年こそモンブランでお祝いしようとお誕生日ケーキを購入するのですが、なんとそれを落してしまうのでした。ショックを受けて愕然とする中、我らが主人公くんが颯爽とお助け!なんと前作『うちまろ』の系列店で手作りケーキ体験イベントの予約を入れ、茉衣に母親への気持ちを込めたケーキを作ろうと促すのです。当初は母親への思いから自分の手作りより美味しいプロの味のケーキを食べて欲しいと願い渋っていた茉衣でした。しかし主人公くんの説得により、母親の好みに合わせたケーキを作ることで思いを示すことを決意します。このケーキイベントがまたいいんですよ。モンブランのデティールにこだわっており、甘栗の皮まで食べられるように工夫したり、家族の思い出であるイモをいれたりなど琴線を揺さぶること請け合い。このイベントにより茉衣の好感度はカンストし、以後茉衣が大好きな先輩を攻略するタイムに入るのでした。

 
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  • クリスマスイベントで告白大会
    • 茉衣が主人公くんを攻略するぞ劇場のはじまり、はじまり。町内会の芋煮会に参加した主人公くんはここで茉衣と共にお料理タイム!さらにお礼として遊覧船のチケットをゲットし、デートへGO!ここで問題のアイキャッチ問題が発生。遊覧船デートにまだ行ってないのに、イベントが終わった後のアイキャッチが出てしまうという不具合が発生します。まぁこれくらいは些末な問題さ!遊覧船ではトリに餌やりをする体験などで主人公くんに詰め寄っていきます。しかし難聴系鈍感主人公くんは全く茉衣の好意に気づきません。主人公くんは茉衣の母の誕生日イベントを契機に、母親とも仲良くなっていました。そこで、舞阪家の家族クリスマスにご一緒することになります。当日はクリスマス会の準備の為に一緒に買い物をする約束をし、告白すると結ばれるツリーの木で待ち合わせをするのですが、突発的な茶番イベントの連続に巻き込まれた主人公くんは大遅刻してしまうのです。一応ラインでは遅れることを伝えていたのですが、未読なのを見て嫌な予感が的中します。なんと茉衣は主人公くんを待ち続けていたのです。さらに手編みのマフラーのプレゼント!茉衣の手に触れた主人公くんはその冷たさからこんなになるまで長時間待たせてしまったことを知り、茉衣の好意を噛みしめるのでした。こうして難聴系主人公くんもようやくフラグ成立。茉衣に告白し、恋仲となります。

 
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  • 雪国ならではの地域資源でイチャラブタイム
    • フラグ成立後はイチャラブが繰り広げられます。ですが色々と問題点も多いです。まず何より一つ一つのイベントが軽すぎ。たくさんのイベントをこなすという側面が前に来すぎてしまい、折角のイベントを生かし切れていませんでした。とにかく単発的なイベントの羅列のラッシュが待っています。覚えているものだけでも列挙してみましょう。朝食イベント(魚類のカレイ)、初デートと名前呼び、ピクニック、大晦日でテレフォンックス、新学期ホテルイベント、弁当イベントでサンドイッチなのに米を咀嚼、スーパーでジャガイモ詰め放題、風邪ひきイベント、町内会清掃で雪かき担当、スキーでカマクラックスなどなど。これらを次から次へと大量にこなしていきます。もう少し内容を濃くして一つ一つのイベントを詳述した方が絶対質的には良くなるよなぁと感じられてしまいました。
    • そして弁当イベント(サンドイッチ)。フラグ構築前の1回目の弁当イベントで、茉衣が母親の代わりに家事炊事しているのを知ってるにも関わらず、母親が弁当を作っていると主人公くんが勘違いした時にも違和感を覚えましたが、サンドイッチ編は明らかに設定ミス。これはバブミに特化した茉衣が、主人公くんの為に食べ物を咀嚼し口移しで与えるというイベントなのですが、サンドイッチを用意したと表記されているのに、なぜか米を咀嚼し始めます。えー、なにこれ私の読み間違い!?それともきんぴらごぼうバーガーのように楕円形の焼きおにぎりでサンドされてるの!?と戸惑ってしまいました。
    • そして最後。名前呼びの酷さ。本作のウリのひとつにヒロインから名前で呼んでもらえるというものがあるのですが、この名前呼びがスゲー酷い。前後の音声と合っておらず別撮りしたものを使いまわしていること請け合いで、文脈の雰囲気に全く合っていませんでした。デフォルトの「れえど」呼びですら、テキストの流れを断絶しまくりでした。まぁギリギリのマスターアップでしたからね。致し方ないかもしれません。

 
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  • 最後はお母さんの栄転で別れの危機!?
    • イチャラブを繰り広げる主人公くんたちでしたが、いつだって別れは唐突。なんと茉衣の母親が栄転することに!!これ自体は喜ばしいのですが、栄転=転勤となってしまいます。動揺する茉衣に対して主人公くんが出来ることといったら二つ。遠距離恋愛でも途切れない愛を語るか、一緒に住もうと同棲を持ちかけるか。この選択肢分岐でエンドが変化します。遠距離恋愛でも途切れない愛を語ると、母親は移動にはならず地元で管理職となり、主人公くんとのイチャラブも続いてメイドコスプレックスをするエンドになります。一方で同棲を選ぶと母親は転勤し、茉衣だけ地元に残り主人公くんの家で家事炊事に励む裸エプロンックスでエンドになります。後者の場合、いきなりクーグルさんが復活していて、ここでもトートツ感は免れ得ませんでした。

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