北へ。White Illumination「里中梢」シナリオの感想・レビュー

我儘で他者を見下すプチブルオタサーの姫に物理で制裁したらフラグ成立!
ネット依存症で躁鬱の激しいマゾ女がデートDVにハマる様子が描かれる。
題材はパソ通だが後の2chや現代のSNS等の根本的な問題を提示している。
ネットでのトラブルが現実にも影響を及ぼす身の破滅を迎える男も登場。
90年代末期にネット社会における大衆の末路を扱った歴史的史料である。
ヒロインはヒステリーを起こしては鬱状態になりとても情緒不安定なキャラ。

里中梢のキャラクター表現とフラグ生成過程

f:id:h30shimotsuki14:20200112195924j:plainf:id:h30shimotsuki14:20200112195944j:plain
  • ネットリテラシーの欠如がもたらす諸問題
    • 里中梢は女性のオタクであり、常に二人の男を侍らすオタサーの姫。しかし梢はプチブルで甘やかされて育ったため、他者と交流する際の一般的な規範すら欠如していました。ネットでの匿名性の快感を語る梢に対して、主人公が注意をすると、梢は主人公の真似をしておちょくってきます。そんな梢に対してグーパンしてあげればフラグは成立さ。親父にも殴られたこと無いのに!をする梢でしたが、本当に自分を叱ってくれる人が初めてだったので、きゅんきゅんきてしまい、最終的に主人公にメス堕ちしてしまうのでした。
    • また梢にネットの恐怖を体感させる事件として、取り巻きの一人が炎上してしまいリアルでの破滅が起こります。このサブキャラは、何に対しても批判や不満しか述べないという典型的な批評系オタクだったのですが、この人物が炎上事件を起こしてしまい、最終的に高校を退学し、ヒキコモリになってしまうのです。梢はもし主人公が殴ってくれなかったら炎上していたのは自分かもしれないと、身に染みて思うのでした。その後も梢は始終、躁鬱な感じで、テンション上がってきゃんきゃんするものの調子に乗って主人公に注意されシュンとなってしまい鬱々とし始めます。今のジャンルでいえば「めんどくさいカワイイ」や「ウザカワ」に分類されるのでしょうが、そういったメンヘラ系ヒロインの走りだったのかもしれません。
f:id:h30shimotsuki14:20200112195931j:plainf:id:h30shimotsuki14:20200112195938j:plain