第一次世界大戦【3】ロシア・ドイツの革命と大戦の終結

1.ロシア革命

(1)三月革命(露暦二月革命)

  • ①1914 三国協商側で参戦するが、タンネンベルクの戦いでヒンデンブルクに大敗→都市への燃料・食料の供給が低下

(2)十一月革命(露暦十月革命)

  • ①二重権力状態 …臨時政府とソヴィエトが並立し、国内に二つの権力が現れる。
    • 臨時政府(戦争継続)VS労働者・兵士ソヴィエト
    • ※この間に、農民革命(農村において土地を求める)・民族革命(ウクライナフィンランド)が進行。
  • ②1917年4月 スイスからレーニン帰国「四月テーゼ」(すべての権力をソヴィエトへ)
  • ④1917年9月 コルニーロフ将軍の反政府反乱の鎮圧にボリシェヴィキが協力。勢力が全国に拡大。
  • ⑤1917年11月7日、レーニントロツキー武装蜂起して、政府を打倒。
    • 「平和に関する布告」:全交戦国に無併合・無償金・民族自決の原則による講和を呼びかける。
    • 「土地に関する布告」:農民革命を認め土地の私有権を廃止する布告。生産手段を公有化し社会主義政策の第一歩を踏み出した。

(3)世界初の社会主義政権

  • ①内政
  • ②外交…「平和に関する布告」が受け入れられなかったため、秘密条約を暴露しドイツと単独講和。
    • 1918年3月 ブレスト=リトフスク条約…ポーランド・フィンランド・バルト地方をドイツに割譲して講和。

2.ドイツ十一月革命と大戦の終結

  • 1918
    • 1月 米大統領ウィルソン「14カ条の平和原則」提案→ソ連の「平和に関する布告」に対抗
    • 3月 ブレスト=リトフスク条約…ソヴィエト政権が独墺と単独講和
    • 9-11 同盟国の降伏:ブルガリア (9月)・オスマン帝国降伏(10月)・墺降伏(11月)
    • 11月革命
      • 11.3 キール軍港水兵反乱…敗戦目前の状況で独海軍は英艦隊に一矢報いるため全艦隊に出撃を命じたが水兵たちが反乱。各地で労働者・兵士のレーテ(評議会)が成立
      • 11.10 ドイツ共和国の成立…皇帝ヴィルヘルム2世がオランダに亡命し、共和政府が樹立。
      • 11.11 ドイツ休戦協定…独と連合国が仏のコンピエーニュの森で休戦協定を結んでWWⅠが終結
    • 年末 政権を握った社会民主党が革命の急進化を恐れて旧勢力と妥協

3.ヴェルサイユ体制

(1)パリ講和会議

  • 中心人物はロイド=ジョージ(英)、クレマンソー(仏)、ウィルソン(米)
  • ①会議の原則:1918年1月に発表されたウィルソンの「14カ条の平和原則」→米国主導の国際秩序の構築
    • 秘密外交の廃止、海洋の自由、関税障壁の廃止、軍備縮小、欧州諸国民の民族自決、植民地問題の公正な解決、国際平和機構の設立など

(2)ヴェルサイユ条約 ドイツとの講和条約 in パリ郊外ヴェルサイユ宮殿

cf.ドイツ以外の講和条約
  • オーストリア → サン=ジェルマン条約
  • ハンガリー → トリアノン条約
  • オスマン帝国 → セーヴル条約
  • ブルガリア → ヌイイ条約

(3)国際連盟

  • ①特徴  
  • ②連盟の問題点
    • 主要国が連盟に不参加…ドイツ(敗戦国)・ソ連(共産)・合衆国(上院がヴェルサイユ条約批准を拒否)
    • 侵略国家への制裁手段が不十分…経済制裁のみ。総会における全会一致の原則。

(4)ヴェルサイユ体制:第一次世界体制後のヨーロッパにおける国際秩序

  • 主な成果
    • ①「パクス=ブリタニカ」に挑んだドイツの弱体化
    • ②東欧・バルカン地域の国民国家建設
    • ③ソヴィエト政権の封じ込め