雑録

ゾンビランドサガリベンジ 第5話「リトルパラッポ SAGA」の感想・レビュー

永遠の子役に囚われるまさおと子役時代は仮初にすぎないコナン君の二項対立。
まさおは第二次成長期の片鱗を見て、成長することに忌避感を抱いて死んだ。
ゾンビとなったことで子役であり続けなけらばならない業を背負うことになった。
そんな中、子役時代は通過点にしか過ぎず将来の成長を見据えるコナン君が登場する。
勝負はコナン君が勝利するがまさおの活躍はコナン君の子役認識を改めさせたのである。

「子役」(テーゼ)は「成長」(アンチテーゼ)によって否定されるが「ゾンビアイドル」という存在でアウフヘーベンされるというまさお式弁証法

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  • 「子役=まさお」(テーゼ)⇔「成長=コナン君」(アンチテーゼ) →【アウフヘーベン】→ ゾンビアイドル(ジンテーゼ)
    • 今回はまさお回。サキや純子にインスパイアされたまさおは自分でテレビの仕事をとってきます。地方の埋もれた才能を発掘することをウリにした舞台芸能なら何でもアリの勝ち抜き式娯楽番組。地方大会で選出されれば全国に出られるということで、テレビの子役出身であったまさおは大張り切りになります。しかしそこにライバルが立ちはだかります。その存在は「子役」であることに拘るまさおを否定するものだったのです。
    • 1期では第二次性徴の兆しにより女装子役であり続けられないことにショックを受けて死んだまさお。その男性・女性というテーゼとアンチテーゼがゾンビという形で永遠の子役になるというユニセクシャルを得てアウフヘーベンされました。1期ではまさお回を通してLGBTが描かれたのでした。2期のテーマとなるのは「幼少期は大人になるための単なる通過点に過ぎないのか」という問題です。
    • まさおのライバルとして登場したコナン君は子役時代はいつか終わるものであるとし、常にその先を見つめ、子役であろうとするまさおを否定しにかかってくるのです。そんな子役を軽んじるコナン君がまさおにいっぱい食わされるというカタルシスが今回の見どころとなっています。予選を勝ち抜いたまさおとコナン君はついに決勝で対決することになりますが、なんとそこでのパフォーマンスが被ってしまうのです。後攻のまさおはおなじ曲を同じように歌っても負けると判断し急遽路線変更。なんと曲をパラッポ風?に編曲し、アイドルとしての歌と踊りで表現するのです。この舞台表現はコナン君の心を打ち、子役を通過点として軽んじていたコナン君の認識を改めさせたのでした。
    • 今回は成長が焦点に充てられ、本来ならば成長によって否定される幼少期の尊さがゾンビという形で昇華されたことにゾンビアイドルモノとしての巧みさがありました。しかしこれは既にもう終わってしまった存在であるゾンビが、新たな物を得ようとしているパラドックスに陥ってしまっていることも意味します。これはフランシュシュが全国区になるという挑戦には必ず立ち塞がる問題なので、第5話が作品全体を通しても転機となるであろうことが言及できそうです。

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