ゾンビランドサガリベンジ 第12話「史上最大のSAGA」の感想・レビュー

災害復興支援のチャリティーライブという形で駅前不動産ライブのリベンジに成功する話。
1期最終部で闇落ちしていたさくらが2期最期で不安なメンバーに発破かける所は感慨深い。
佐賀県知事に直訴する幸太郎さんを始めとし、佐賀県民の心が一つになっていく。
またこれまでの登場人物たちの絆により、佐賀県が全国・全世界へと影響が広がっていく。
こうして存在自体が風前の灯火であったゾンビランドの佐賀は伝説(サーガ)となったのだ。
ゾンビたちのタイムリミットの伏線は回収されず、幸太郎さんの血痕という新たな伏線も発生。
続編あるのか!?3期ありそう。

ゾンビランド(衰退国)の象徴である佐賀県が、天災にも負けずリベンジし、伝説(サガ)となったのだ

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  • 幸太郎さんの根回しとサキの炉辺談話
    • 前回の爆死ライブは根回しが足りなかった!今回はチャリティーライブ。言葉は悪いがそれを名目にして佐賀県知事に働きかけることができる!いざ行け幸太郎さん!!と、いうことで佐賀県庁の全面的支援を得ることに成功します。しかしこれ、東日本大震災の時の某アイドルグループのような「復興商法」とかだったら鼻白んで支持を得られなかったでしょう。本当に心から佐賀県のことを思う想いが必要です。
    • この役割を幸太郎さん共に担当するのが、地元を愛するリーダーであるサキ。佐賀県という田舎の閉鎖的な社会に受け入れられずレディースやってたサキが、佐賀県のためにFMラジオで炉辺談話するシーンは熱い。特に復興商法として見られかねなくとも佐賀の為にやるという気概が胸を打ちます!!A-part末尾の部分はぜひ見て欲しいところとなっています。「〔……〕こんな時にライブとかふざけんなってなる人もおるかと思います。けどあたしらは、あたしらが歌うことでみんなが!…みんながすぐに笑えるか分からんけど…ほんの少しでも元気になるって信じて、ステージに立ちます。それが、あたしらの思う、アイドルやっけん!」。もうこの場面だけで泣けてくること限りなし。困難な状況に際し、ただ単に全国的なアイドルのライブとか世界的なスポーツイベントを開けば良いというわけではないということが、このサキ炉辺談話パートから感じられます。感涙。国民(民衆)の理解と感情の共有ってヤツがあって初めて成り立つものであって、分断された状況の中で一部の人間が上から無理やりやってもダメなんだよなぁと。このあたりサキ炉辺談話編をいれたシナリオは巧みで効果的ですごい。

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  • さくら演説と視聴者の象徴であるデスおじ
    • いよいよライブが近づくも、フランシュシュメンバーがステージに立った時には集客ゼロ。暗い雰囲気になるなか、さくら演説が発動。「私は絶対に諦めん。私は諦めんよ。どぎゃん酷か被害にあっても。頑張って頑張って頑張った挙句上手くいかんでも。何度でも立ち上がる。たとえ神だろうと。たとえ悪魔だろうと。私たちを邪魔するもの全てが音を上げるまで。リベンジし続けてやる!」この局面でさくらにこのセリフを言わせるのは極みの技。多くの視聴者には1期のさくらの様子が脳裡に浮かんだでしょう。ひたむきな努力と研鑽を重ねるも人生で一度も報われることがなかったさくら。そんなさくらがそれでも諦めないと奮起するその姿。そして頑張って上手くいかなくてもリベンジし続けるとメンバーに発破をかけるシーンはとても感慨深いものがあります。
    • 伽藍堂の会場に真っ先に駆けつけるのがデスおじというのもニクイ演出と言えるでしょう。最近の作品としてはウマ娘2期の「どうした急に?」の二人組などが思い起こされますが、視聴者はもう既に主人公でも何でもなく只々眺めるだけの存在。単なる消費者。しかし観客がいてこそライブが成り立つということで、一消費者の集合体が大きなうねりを呼ぶことを示唆しているのです。そのきっかけとして描かれるのがデスおじ。すなわち私たち。

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  • 大団円でライブ成功
    • 最後は大団円エンド。これまでの登場人物たちが一斉にライブに駆けつけるシーンは、古式ゆかしいお決まりのパターンではあるけれども、丁寧に人間関係の構築を描いてこそできる表現。それだけ各ヒロイン回での掘り下げが上手くいったことを示しているのです。1話で乱闘シーンまみれだったライブの曲が、本来あるべき姿としてフルで聞けるというのも震える展開。最後まで覚醒しなかった伝説の山田たえのボヘミアンラプソディーパロも良い配役です。(1期のテーマが時代も年齢も性別も乗り越えるアイドルだったので「覚醒していない」のではなく元々山田たえはかたわ少女的存在として配置されたのかもしれないと書くと深読みしすぎでしょうか?)。
    • ライブは大成功。楽屋でいつものようにゾンビたちをぞんざいに扱うべく説教しようとする幸太郎さんですが、それに先んじてゾンビたちの心意気が語られます。それに制される形でついにゾンビたちの前で涙を流してしまうのです。最終回だからこそ、幸太郎さんがゾンビたちの前で(一瞬にせよ)自分を出せたのかもしれません。恥ずかしさを誤魔化す幸太郎さんはゾンビたちをアンコールへと追いやります。しかしここから意味深な展開。なんと床には謎の血痕があり、それを幸太郎さんは靴で擦り付ける演出。そして2期のはじめで伏線として張られていた「幸太郎さんが焦るタイムリミット」とは一体何だったのか。さらにはラストで未確認飛行物体から謎のビームが発射されて佐賀壊滅。これは3期の前振りなのか!?

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3期伏線

幸太郎さんの血痕と未確認飛行物体からのビーム発射で佐賀壊滅。幸太郎さんは自分の寿命と引き換えにゾンビィたちを延命させたので血が出ている!?のか。

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親父キャラたち