manga column

【感想】『ふつうの軽音部』1~36話まで読んだ。~初ボーカルを失敗した主人公が覚悟ガンギマリとなる16話から面白くなる~

各地で大絶賛の『ふつうの軽音部』。連載初期におススメされた時、数話で読むのをやめてしまっていた。 理由は主人公が余り活躍せずテンポが遅くて地味であり色恋沙汰やら何やらの人間関係が中心だったからである。 な、なんと本作一番の魅力である主人公・…

逃げ若(原作)を読んだら亜也子と雫が時行の側室として契る気マンマンだった件について

最初逃げ若は腐向け作品だと思っていた。主人公の北条時行は殺されかけると発情して命ギリギリの回避力を見せるという設定であり、多くの武将たちにメス顔を晒す描写が多いためである。登場人物たちの中で一番可愛く演出されているのが北条時行であり、目に…

ゆるキャン△89話で瑞浪絵真さんが「のぞりピザ」絶品と言ったから野反湖へGO!

漫画版89話「なでしこの群馬ソロキャン計画」はGWで泊まるキャンプ場を探す話であった。 その際、瑞浪絵真は職場で聞いた野反湖のことを話題に出し、なでしこにおススメする。 瑞浪絵真は「のぞりピザ」の魅力を熱心に語ったため、キャンプに誘われることに…

【感想】『宝石の国』を一応読んだので雑感を殴り書きしておく。

ポストアポカリプスもの。人間が滅んだ後のセカイ。仏教。人類は無に至るべき。 人類滅亡後、人間は魂・骨・肉体の3種類に分かれた。 魂は月で月人となり、骨は地上で宝石人となり、肉体は海で軟体動物となった。 物語は月人が宝石人を襲撃してきて、それと…

【感想】ダンジョン飯(全14巻)を読んだ~食事と生命と欲望の根源的意味~

レッドドラゴンに食われた妹を助けるためにダンジョンで魔物を食べながら深層を目指す話。 物語は主に前半と後半に分かれる。前半はダンジョン探索がメインのRPG的ゲテモノ料理モノ。 後半は死生観を題材にした世界設定考察モノとなり食事と生命と欲望の根源…

【感想】『ゆるキャン△』15巻で描かれた先輩後輩百合について~イヌメイとリン絵真~

15巻からは後輩二人組が本格的に既存メンバーと絡むことになり先輩後輩姉妹百合が現出する。 メインはロードバイクにハマったイヌ子とメイがチャリで山梨縦断をした後キャンプするチャリキャン。 これまで打ち込める物が無かったメイがイヌ子に導かれながら…

漫画版フリーレン(114話まで)におけるシュタフェルのフラグ構築イベントまとめ

アニメ6話で恐怖に怯えるシュタルクの手を取り覚悟を決めさせるきっかけとなったフェルンが大変素晴らしかった。 たまたま漫画版フリーレンを読む機会を得たのだが、漫画版では思っていたよりもさらにシュタフェル描写が濃厚であった。 本編ではフリーレンが…

【感想】こづかい万歳42話「今回も狂気回。会社にしか自分の居場所を見い出せない男が社畜ではなく"会社推し"と言う」

日本社会のディストピアを肯定的に描き出すことで有名な小遣い万歳。今回は会社大好きおじさんが登場する。 どの職場にも何故か会社にずっと居残るおじさんが存在しているのではないだろうか。なぜ彼らは会社に残り続けるのか。 彼らは社畜では無く会社員で…

『こどものままでもママになりたい!』にみる令和衰退期日本社会の狂気

古来よりキャラクター属性として「母性」を担うヒロインは多数存在していた。 電撃G'sでは『ハピレス』があり、各教科担当の先生がお母さんになるという設定であった。 その後、時代は「のじゃ炉利」こと「炉利BBA」ブームとなり年上炉利の母性に注目された…

三上ミカ先生の兄妹シリーズ。事実婚ハッピーエンドに至るために母親問題に切り込む!(『三日三晩、兄妹ふたりぐらし』より)

三上ミカ先生が手掛けている実妹モノシリーズ。生真面目で堅実な兄が妹との関係に懊悩する姿が見どころ! このシリーズは事実婚ハッピーエンドで確定しているとのことですがそのためには家族問題を描く必要がある。 それ即ち、母子家庭におけるもう一人の家…

令和リメイクとその周辺(『ドッジ弾子』を読んだ)

『ドッジ弾平』の続編である『ドッジ弾子』が話題となっている。 ここでは『ドッジ弾平』の思い出を振り返り、『弾子』がなぜ話題となったのかを考える。 【目次】 ドッジ弾平の思い出 昭和リメイクと女体化の中で バブミ系恵体巨女 オレっ子陸セパ巨女 ドッ…

「人間死ななきゃ生きれるモンさ」とウェルフィンは言った(キメラアント編などを読むなどした)

労働において感情といったものは余計なものであり、心を殺して仕事をしなければならない。 労働は義務でありそれを怠れば社会的に生きて行くことはできないのだから仕方が無いことではある。 だが社会的に生きていたとしても、心を殺せば「生きながらにして…

ついに『ゆるキャン△』にも群馬県が登場!(碓氷峠鉄道文化むら)【13巻】

聖地巡礼ビジネスにより山梨県・静岡県に多大なる恩恵をもたらした『ゆるキャン△』。 主人公なでしこ達は山梨県民なので群馬にもキャンプしに来てくれないカナーとは思っていた。 だがついに『ゆるキャン△』でも群馬が扱われたのである!!狂喜乱舞。 文脈的…

異世界おじさん アニメ8話以降の原作異世界エピソードまとめ

セガ大好きおじさんが独自の価値観で異世界を生き抜く姿が大人気となった『異世界おじさん』。だが人気絶頂の中、コロナショックにより7話までで放送は中止となり10月より1話から改めて再スタートとなってしまった。そのため8話以降は8週間も待たねばならな…

【感想】漫画版『メイドインアビス』における「烈日の黄金郷」編の終局部について

アニメ2期は最終回を目前にして特番となり1週分空いてしまった。そのため続きが気になり漫画原作で「烈日の黄金郷」編に該当する部分を読んだ。ここでは最終回に備えてアニメ11話以降の内容が漫画原作ではどのように描かれていたかをまとめていきたいと思う…

ゴールデンカムイ 主要キャラの最期まとめ

無事に連載終了を迎えたゴールデンカムイ。ここでは五稜郭の戦い・暴走列車編で死亡したキャラの死に際と、生き残ったキャラが最後どうなったかの後日談をまとめておく。 鯉登平二(音之進のパパ) 都丹庵士 二階堂浩平 ソフィア 牛山辰馬 土方歳三 尾形百之助…

ゴールデンカムイ「尾形百之助の本当の目的は何だったのか」

尾形の死では、結局人間には役割や大義など無く、ごく個人的な私怨で動くということが描かれた。ゴルカムでカルト的人気を誇っていた尾形百之助上等兵。シナリオ的にはトリックスターの位置付けで金塊争奪戦を引っ掻き回し、その動機が注目されていた。だが…

個人的な目的と社会集団全体の夢の相克(『ハイパーインフレーション』30話)

貨幣経済を題材に資本主義の最高の段階としての帝国主義を扱う作品『ハイパーインフレーション』。 第30話では主人公が掲げる奴隷解放という公約が主人公の姉を助ける為の口実ではないかと糾弾される。 ここで扱われる問題が個人的な目的と社会全体の夢の相…

「恋情慕情による倫理観の破壊」という物語構造について

主人公とヒロインの関係性は様々な表現パターンがあり、その一つに「指導的立ち位置」(指導者-被指導者)といったものがあります。知識や技術の伝授を媒介にすることで二人の間に深い関係性が生じ、その過程において様々な感情が芽生えるのです。当然そこには…

【感想】労働と生活と生き甲斐と残飯(『こづかい万歳』第24話を読んだ)

残飯をツマミに朝に晩酌をする中年夜間工場労働者の話。 この作品の面白さは登場人物が実に楽しそうに生活を語る所である。 各自が人生に楽しみや喜びを見出しておりそれを誇りとしているのだ。 家と工場を往復し残飯で安酒を呷るだけの日々が輝いて見える。…

無理やり主役をJKにしなくともオッサンが原付に乗ることを魅力的に描くことができると実証した秀逸な作品

完全にスーパーカブのアンチテーゼ。中身オッサンのJKもどきよりオッサンはオッサンのままが良い。 今回は単身赴任を契機に原付を手に入れたオッサンが主役を張ることになる。 赴任先の年下の同僚から原付を譲り受け、皆から指導を受けた後、おっかなびっく…

【感想】『ヤマノススメ』20巻「レジャーとエンタテイメントと博物館」

流し読み。JKが父親と糸魚川に翡翠を求めて遊びに行く話が良かった。 JKにもなって父親と地質系ピクニックに付き合ってくれるという幻想。 知識が無いと何事も楽しめないと言って博物館で事前学習するシーンがステキ。 レジャーとエンタテイメントと教育普及…

【感想】ゆるキャン△(原作版)第12巻「薪割り」

薪割りをしながらなでしこが野クルコンビから瑞牆キャンプの土産話を聞く話。 11巻ではなでしこ・志摩リン・アヤちゃんのダムと吊橋キャンプが描かれましたが…… なんとその裏では野クルたちが秩父多摩甲斐国立公園でキャンプをしていたのだ! そんなわけで伐…

年齢を重ねると好奇心を維持することにすら多大な努力が必要になる話(『ゲーミングお嬢様』を読んだ感想)

ゲーミングお嬢様を読んだ。 これまで呼吸をするかのようにコンテンツをひたすら消費してきたわけだが、最近はどんなものに触れても感受性が働くことは少なくなった。何を見ても粗製濫造された類似品のように感じるようになっていく。どこかで読んだことのあ…

ポイントカードのメリットを紹介しているようで、実は経済活動を矮小化し、自由を束縛しているという皮肉を描いた秀逸な作品

ポイントカードは一見するとお得なように感じる。ポイント払いで無料で買えると節約感が味わえる。嬉しい!しかしポイントカードを持つと、絶えずポイントを気にしなければならなくなり、ポイントが溜まるお店でしか買い物ができなくなっていく。また買うと…

節分ネタにおける年齢表現について~あべななさんじゅうななさい~

設定として「永遠の17歳」を謳っているキャラクター達。ネタをネタとして理解している人々はジェネレーションギャップの中におかしみを見出します。そんなわけで年齢が暴露されてしまう年中行事ネタ、干支や節分の豆などは恰好の題材となります。デレマス/…

『働かないふたり』第306話の感想「頑張っても報われなかったらどうしよう→さぁ?ダメな時はダメっすからねぇ。」

今回のお話は、やりたいことをやることの不安。 頑張って、頑張って、頑張って、頑張って、報われなかったらどうしよう。 そんな不安に対して安易に慰めるのではなく、ダメな時はダメっすからねぇという現実を突き付ける。 「努力を裏切らない論」や「すべか…

(ほとんど覚えていないが)メガドライブの思い出

『異世界おじさん』の「メガドライブ ミニ」発売記念特別編を読んだら分かりみが過ぎる。 comic-walker.com むかし、なぜかロッテリヤにメガドラがあっての まだ私が年端も行かない坊やだった頃、何故だかフレッセイ(スーパーの名称)の近くにあったロッテリ…

普段レジグナチオンを気取っている少女Bが、だからこそ実は一番自我に囚われている。それに対して、家業の経験から厳しい現実を知っている少女Aは、どことなく達観した思想を持ちつつも、それ故に物事を悲観的には捉えない。少女Aの人生観が少女Bを救う。

デレマス/デレステの二次創作漫画のはなし。 断片的なキャラ情報からプレイヤーが人物像を解釈し、二次創作により大衆がイメージを共有することで、実際にキャラクターが創り上げられていく現象。ザコメンタル×蒼メンタル×強メンタル pic.twitter.com/BsBPR…

「やりたいことや得意分野で生きればいい」ことは分かっているが、「得意なことなんてそもそもないし、やりたいことも別になく」結局は「個人の努力など無駄」であることを痛感している。

デレマス/デレステのはなし あきら 「やりたいこと」「得意なこと」で勝負すればよい。 りあむ 「得意なこと」なんてないし、そもそも「やりたいこと」なんてない。 ンゴ 結局、自然災害等の大きな力(時代構造や社会情勢)の前には「個人の努力など何をして…