【雑談】2022年5月発売の新作ノベルゲームは何を買いましたか?

皆さま、お疲れ様です。5月の新作何買います?
私が今月発売の新作ノベルゲーでチェックしたのは以下の6本です。

①資本主義社会に磨り潰された成人男性と様々な事情から現実が生き辛い少女らの交流を描く夜のひつじの炉利シリーズの最新作(『毎日キスしてロリータ』)。②令和の時代に怪盗ものするの?金恋で活躍したさかき傘を再起用したサガプラの新作(『AMBITIOUS MISSION』)。③『あおかな』のみさきち√のファンディスク←(これ制作を諦めて中途半端な状態で本編と抱き合わせというカタチで販売したのに、しれっと数年後に完成させて売りつけるのなんなの?買うけど)。④コンセプトはおじさんの孤独!ライター十全先生が描くメスガキ分からせもの(『ナマイキJKライブラリー』)。⑤原画師カントクがおらずシナリオもイマイチなCUBEがキャラゲーでどこまで戦えるのか見ものとなってる作品(『ネコと女子寮せよ』)。⑥ぽんこつギャルで勝負を仕掛けて来るういんどみる系列のピンヒロインもの(『いちかの』るな√)。

以下個別作品についての雑感を述べていきます。

【目次】

毎日キスしてロリータ (夜のひつじ) (2022-05-20)

資本主義に磨り潰される成人男性シリーズ

御存じ夜のひつじ先生の炉利シリーズ。このシリーズの特徴は、資本主義社会に磨り潰された男性と生き辛い少女の交流がコンセプト。傷の舐めあい・共依存・少女救済が多分に盛り込まれており破壊力バツグン。日常哲学的セカイ系というジャンルを確立したといっても良い作品群。高校倫理でいうところの実存主義をバックボーンにしながらも、個別具体的な問題は一切触れようとせず匂わせで処理します。あくまでも男性と少女の交流の中に生きる意味を見出していくという特徴を持っています。本作の場合は、壊れながら生きるをテーマにしており、負った傷を癒されるのではなく、それを抱えながら燃え尽きるまで生きて行く姿が描かれています。特に今回は資本主義社会における磨り潰されっぷりがキレッキレに描写されており、丸太の喩え話はまさに私のことを言ってるんじゃないかと思う程(『山月記』現象)。全てを資本主義のために投げ出さないと満足した仕事ができないことが気がかりだとする一連のモノローグは一見の価値アリです。あと今回はメスガキがいい仕事をしていて頽廃っぷりが増しています。

AMBITIOUS MISSION (SAGA PLANETS) (2022-05-27)


第一印象としては令和のこの時代に怪盗モノするとか正気か!?って感じ。怪盗モノといえばルパンのカリ城という超名作があるし、懐古アニメですが怪盗セイントテールとかあったし、ノベルゲーでも色々出てるし、流石に厳しくないですか。それでもライターはこの業界で単独で作品作れる数少ない人材の一人である「さかき傘」先生ですし、買っといたほうがいいのかな?けどけど、さかき傘先生×サガプラって、『金恋』でメインヒロインぶっ殺して感動を表現したのに、メーカーの命令によりファンディスクでアッサリ蘇生エンド書いて前作大否定したとこでしょ?作中劇でライター本人が続編書きたくなかったことが盛り込まれてたし大丈夫なのかなさかき傘とサガプラという不安感は拭いきれません。あとやっぱりさかき傘先生と言えばヒロインの攻略よりも主人公くんの生き様の方に惹かれます。今回の場合は孤児院出身の主人公くんが売却を阻止するために不法労働に従事しており、自分の生存理由である出身孤児院のために身を投げ出せるという姿に好感が持てるわ。あと攻略ヒロインズよりもカワイイのが孤児院で世話になったお姉ちゃんであり、苦楽を共にしたからこそある家族の絆がイイ感じに表現されています。私はこの孤児院お姉ちゃんのために本作を買いましたよ。どうせサガプラだからファンディスク出すんでしょ?お姉ちゃん攻略できるようにしてよ!信じてるからね!あと個人的に作中の舞台である札幌には思い入れがあるのよね。それは私が観光学院で札幌のヘリテージツーリズムについて研究していたことが背景にあるのかもしれませんが、札幌の街並みがたくさん出てきて嬉しい。

蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2 (sprite) (2022-05-27)

さきち歪んでてカワイイ

さきち√のファンディスク出るんかい!?確かあおかなのEXTRAって1の真白だけ出てそれ以降開発中止になったんだでしょ?EXTRA2の途中まで作られてた部分が本編と抱き合わせで販売されてユーザーから「何というスプライト悪徳商法」として話題になったの覚えてるもの。スルーしてもいいぐらいなのですが、みさきち√のライターは渡辺僚一先生ですし、私みさきち√大好きだったんですよね。みさきちはすごい面倒くさい少女でとても歪んでいて才能だけで楽しくプレイしていたやつが壁にぶち当たって挫折して自分を見つめ直して頭使って努力していく姿が生々しく描かれていて思い入れがあります。実はみさきち視点で描かれた小説も持ってるぐらいだし。そんなわけでメーカーの餌になるのはちょっと癪ですが、渡辺僚一先生のシナリオとみさきちの歪んだ拗らせた感情に期待して買いました。あとみさきち√では主人公くんが復活できなかったので、何がしかのカタチで救いがあるといいなぁと思われます。

ナマイキJKライブラリー (DESSERT Soft) (2022-05-27)

ぼっちが極まると相手にしてもらえるだけで嬉しくなる悲劇

近年、社会的孤立を抱える男性の寂しさを描くことにこだわってきたライター十全先生がついに「おじさん」をコンセプトに勝負を仕掛けて来たぞ!このおじさんがキモくて大変よろしい。冒頭の部分ではちょっとキモ過ぎる部分はありますが、それさえ乗り越えられれば、この「おじさん」に愛着が湧いてきます。数年前、おじさんをターゲットにした作品が増えると予想していましたが、近年はおじさんモノがマジで量産されるようになったな!本作の場合は図書館で司書教諭をするおじさんが主人公であり、彼とメスガキJKの触れあい?が丁寧に描かれています。鉄壁を誇るおじさんのガードが崩され、メスガキ分からせをする描写がグッときます。メスガキの中でも家庭が貧困かつハイカーストの奴隷にされている隷属少女が不憫かわいさを醸し出しており、漱石だったらpity is akin to love.とか言いだしそうなくらいカワイイ。原画もうすめ四郎先生で、3ヒロインの中で一番人気出そう。おじさんの寂しさを埋めるメスガキとの交流がテーマなので充分買っても良かったのですが、5月は激戦区すぎるよ。抜きゲーのためにカネも時間も割けねぇ。数年後に暇になって安くなったら買うかも。

ネコと女子寮せよ! (CUBE) (2022-05-27)

学園モノ×喫茶店モノ×女子寮モノ

CUBEといえばカントク原画のイメージが個人的には強いですが前作のシアンブルーもカントク先生抜けてたんですよね。シナリオは第1作目の『夏ノ雨』が名作でしたが、以降は鳴かず飛ばずだった気がします。本作の場合も基本路線はキャラゲーであり、シナリオにはあんまり期待できそうにない。原画はこるり先生とかいう人が一人でやるみたいだけど、ノベルゲーにおいてこの名義では実績なく大丈夫かCUBEという感じ。タイトル的には田舎の地方に行くと黒看板に黄色い文字でキリスト教布教がなされてるんだけど、その文字がはげ落ちて神がネコに読めるというのが元ネタで女子寮せよをワカイせよと読ませてるんだけど、なんで女子寮がワカイと読めるのかイマイチよく分からない。製品版読めばその謎が解けるのかな?基本的にハーレムにいるのに主人公くんが結構スカしてるので、彼を好きになれるかどうかで評価が分かれそう。キャラゲーの場合は主人公の人物像の方が影響大きいから。

一途な(処女→)彼女と恋したい ver.広橋るな (ういんどみるCOSMOS) (2022-05-27)

イモウトに彼氏への手作り弁当を作ってもらう女(ソーセージ以外)

いちかのシリーズピンヒロイン分割商法。2作目はアホの子ヒロイン頑張るがコンセプト。ヒロイン:広橋るなはハイカーストであるとされながらも実はへっぽこ・ぽんこつ。そんな彼女が彼ぴっぴである主人公のために奮闘していく姿を見るのが本作の面白ポイントである!最初はなんだ最近はやりのギャル系ヒロインか、ギャルも量産されるようになったなくらいの感想しかいだきませんでしたが、ギャルに擬態しようしとしてできていないアホの子というのが実態であり、読んでいるとなんだか愛着がでてきます。特に自分のへっぽこっぷりを意識しながらも諦めずに前を向き続ける姿はなんだかキングヘイローを思い起こしちゃったよ。最初はお弁当とか全然作れなくてソーセージすら満足に焼けなかったのに、少しずつ努力しながら腕前が上達していくというのもステキ。料理が上手になっていくというのは1/1彼氏彼女でもあったけど、あっちは無理やりクソマズ弁当を食わせようとしてくるからな……。へっぽこヒロインが頑張る姿を見たいなら本作を買ってもいいかもしれません。

まとめ

そんなわけで私は5月ゲーは夜のひつじとさかき傘と渡辺僚一の3本を買いました。皆さまは何を買いました?面白い作品があったら教えてくださいね!

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