ブルーアーカイブ Vol.4_2章「We Were RABBITs!」(前編)の感想・レビュー

武力を行使する際、兵卒の個人的な意志や感情は必要か否かについて少女たちが悩む話。
特殊訓練を施す学校に入学しラビット小隊に配属された少女たちは公園で自活生活を強いられていた。
そんな折、彼女らは先輩と合流することになり、暫しの安息を得るが、過酷な現実が突きつけられる。
先輩らは武力の行使に兵卒個人の意志など介在しないと説き、権力簒奪を狙う小悪党に使役されていたのだ。
ラビット小隊のメンバーは先輩たちに憧れて入隊したのだが彼女らの主張に安易に納得はできなかった。
そこへ先生が助け舟を出し、時間的猶予を与えて欲しいと頼んで、一時解散となる。
だが権力に執着する小悪党は悪徳企業と結んでクーデターを起こし権力を掌握してしまったのである。
七度ユキノの頭でっかちさが全ての元凶であり、シナリオを動かす原動力になっているとも言える。
このような状況の中、如何にしてラビット小隊は兵卒の意志を正当化するのかが期待されている。

軍隊における武力の行使の際に兵卒の個人的な意志は必要か

頑ななまでの頭でっかちさにより主体的意志を放棄した女の末路
  • 答えは個人的意志が必要の一択なのだろうけど、その答えをどうやって導くかをどのように描くかが見どころだよね
    • 今回のお話は兵卒の個人的な意思を消した結果、小悪党にまんまと利用されてしまった愚かさが描かれている。今回のメインを張るのはフォックス小隊であり、彼女たちは頑なに兵卒の意志を滅しようとしていた。武力の行使に当たって兵卒の意志など必要なく、引き金を引くのは上位的存在であり、一度指示が下されば、その遂行に邁進するだけという思想を抱いていた。だがこれは頭でっかちの教条主義でもあり、引き金を引く人物の決断は正しいのかどうかということを無視し、自分たちは命令に従っているだけだからと自由意志を放棄するものであった。だが人間には必ず感情があるので、それを消そうとしても消すことは出来ず、逆に澱がどんどん溜まっていくのであった。そんなフォックス小隊だが、自分たちの後輩であるラビット小隊に対しても、その考えを押し付けようとしていた。ラビット小隊のメンバーはフォックス小隊に憧れて入隊したため、先輩たちの言うことに従いたいところだが言っていることは信義に反することでもありすぐには結論が出せないことであった。そこを手助けするのが我らが先生であり、時間的猶予を貰うのであった。

  • 不知火カヤのクーデタ
    • そのような状況の中、フォックス小隊が仕えている小悪党:不知火カヤがクーデターを実行する。連邦生徒会長不在の中、七神リンが職務を代行していたのだが、扇喜アオイは彼女のためを思って権力行使に反するようになる。不知火カヤはこれに便乗して七神リン反対派を作り、不信任案を可決させてしまったのである。そして不知火カヤはその後継の座にまんまと座ったのであった。もし不知火カヤがフォックス小隊を使役することができなければ全ては画餅に終わったことであっただろう。だがフォックス小隊は兵卒に個人的意志は必要ないという信条の下、誤った人物に手を貸し、徒に火種を大きくしてしまったのであった!しかもこの不知火カヤ、三下に見せかけた有能とと思わせておいて、フツーに三下オブ三下であった。連邦生徒会長代行の座を手にするが、満足に行政を回すことが出来ず、慌てふためく描写が挿入される。なんか不知火カヤ自体、誰かに踊らされてるのではないかと思わされてしまった。
    • フツーに考えれば、この後ラビット小隊がフォックス小隊の誘いを蹴って先生を選び、七神リンと扇喜アオイを助けて不知火カヤを成敗するという流れになるんだろうけど、このシナリオをどう描くかに注目が集まっている。
大人としての責任を果たそうとする先生への敵意
権力による独裁を否定するリンちゃん
クーデターを起こす不知火カヤ
憧れた先輩に主体的意志の放棄を迫られ悩むミヤコ