【資格ビジネス】資格コレクターの話を聞くと資格の勉強したくなるけど、手段の目的化、そんなことしてる暇あったら自分の専門領域を高めるべきとオチが着く(こづかい万歳51話感想)

リスキリングとか流行ってるし一昔前は朝活とか言っていたし資格勉強って普遍的なネタ性があるよね。
勉強ネタも鉄板だし、勉強で汗かきたくないけど勉強方法を見るのは好きって層は一定数いると思う。
で、今回の話を特徴づけているのが「国家」資格という「ハク」と縛りプレイという勉強方法。
ただの民間資格ではなく「国」の資格ということでブランド化を図っている。
また勉強時間にタイマー制を設けることで競争心を煽り集中力を増す効果を描いている。
そしてまた資格モノを読むと読者も資格を取りたくなるというのが人情だが、それ含めてネタにする。
作者も資格ゲットに興味を示すのだが、我に返り、自分は自分の専門(マンガ)頑張ろとオチが着く。

資格コレクションしてる暇あったら自分の専門やれよとオチが着く

縛りプレイのススメ

資格ゲットは心惹かれるものがある。新聞広告とかの資格欄とか見てるとついつい見ちゃう。今回はそんな資格コレクターのお話である。しかもただの資格ではなく、国家資格という国のお墨付きでブランド化だ!さらにおこづかいの範囲内+時間制限という縛りプレイで勉強の効果が増すことをテクニック的な魅力として描いている。

今回の小遣い超人は元・サッカーマニア。ボランチで戦略を練るのが大好きという人物で、ビーチサッカーに嵌っていた。そんな彼がコロナによりサッカーができなくなってしまって、新たな趣味としたのが資格コレクションであった。資格を取るためにアレコレ考えることが戦略を練ることに通じており、試験会場はサッカーの試合によく似ており、問題を解く際に出るアドレナリンがサッカーの代替となったのである。そんな彼は勉強を長続きさせるコツを教えてくれる。それが縛りプレイ。参考書と問題集を本屋で数時間吟味して自分に合うものを1冊ずつ購入しそれを何度も繰り返す。そしてファミレスで500円を使い最大で「2時間まで」と区切りをつけることで、集中力を増しているのである。

縛りプレイ①参考書を吟味
縛りプレイ②勉強時間は最大2時間まで

今回のお話を読むと、僕も私も勉強して、資格取るぞ☆えいえいむん!という気分になること請け合いである。だがこれはこづかい万歳でありきちんとオチが着く。作者もまた資格に興味が湧き、勉強するぞ!という息巻くのだが……。途中でちゃんと我に返る。そして自分はマンガやらなきゃ、漫画描き頑張ろと自分の仕事に向き合うのだ。確かに資格コレクションはなんか凄そうであり、自己の能力証明とか自己肯定感がマシマシになりそう。だが結局、手段の目的化。〇〇をやりたいから資格を取るはずなのに、資格をとること自体が目的化してしまっているという現実が最後の2コマで浮き彫りになるのだ。「〇〇をやりたい」ということの方が大事で、その延長線上に資格があったり、無かったりする。漫画には資格などいらないことに気付いた作者は、漫画頑張ろと現実に帰るのであった。

この漫画、ポイントカードの時にもそうだったけど、一見すると肯定的に描いておいて、実はクソと表現するのがとてもうまいよね。

資格コレクションしている暇あったら自分の専門やれ