環境的に普通の学校生活を送ることが出来なかった少女が花壇作りを通して「学ぶ」ことを学んでいく話。
秤アツコは学校に行く機会を逸し、今でも十分な学習環境が無く、学校生活に憧れる女の子。
そのため先生を度々呼び出しては秘密の学校ごっこをすることをねだっていく。
そんなアツコに趣味は無いのかと聞くと花に興味があると答え、花壇づくりを試みることになる。
アツコは一生懸命花壇を作るが大雨により台無しになり自分のせいで花が死んだとショックを受ける。
落ち込むアツコに対し先生がこれから花壇作りや花の特性などについて一緒に学んでいけばいいと助言。
これまで学ぶということを知らなかったアツコは青天の霹靂。学ぶということを学んだのであった。
バレンタインエピソードではその努力の結果、見事花壇を作り上げ、それを見ながら一緒にチョコを食べる。
チョコに添えられていたのが青いバラであり、その花言葉も先生へのこれまでの御礼となっていて感動。
秤アツコのキャラクター表現とフラグ生成過程
学校に行けず学ぶことを知らなかったアツコが先生から学ぶことを学びその成果として綺麗な花壇を作り上げるという感動のストーリーとなっている
- アツコと学校ごっこ
- 秤アツコはこれまで環境的に学校に行けなかった女の子。そのため学校生活に強い憧れがあり、しばしば先生を呼び出しては疑似的な学校生活を送りたがっていた。儚く物憂げな表情を見せるアツコだがお茶目な面もあり、先生に子づくりの方法を質問したり、一緒にシャワーを浴びて身体を洗いっこするという話題をふったりして揶揄って遊んだりもする。
- 学ぶことを学ぼう
- そんなアツコのメインテーマとなるのが「学ぶことを学ぶ」であり、その題材として「花壇作り」が扱われる。先生はアツコの趣味を訊ねるのだが、アツコはお花が好きであると答える。そしてアツコは花壇作りを始め、先生もそれを手伝うのだが……。ここでアクシデント。なんと大雨が降ったことで花壇が台無しになってしまうのである。これは雨のせいといえるかもしれないが、アツコは自責の念を深め、何の知識も無い自分が植え替えをしたせいで花を殺してしまったと嘆いていく。だがここでフォローを入れるのが我らが先生であり、じゃあこれから花壇作りの知識を学ぼうとポジティブに励ますのである。この先生、一部のシナリオではとんでもなくhentaiになるのに、ここぞという時はかなりかっこいいよね。これまで学ぶことを知らず嘆く事しか出来なかったアツコは青天の霹靂。失敗してもそれを糧にして学び次に活かせることを知ったアツコは、学ぶことを学んだのであった。
- 花壇作りを学んだ成果
- そして破壊力バツグンなのがバレンタインエピソード。先生を花壇の前に呼び出したアツコは青いバラを添えたチョコをプレゼント。余興としてアツコの過去を踏まえ「お姫様ごっこ」をする流れとなり、アツコは先生に"命令"をする。チョコを美味しく食べて欲しいし、花を枯れるまで世話して欲しいのだと。これに対して先生はドライフラワーにすると応え、花の有限性しか知らなかったアツコに、一生大切にすると述べる。これだけでもイチャラブ度はマックスなのだが、特に花壇が二人の絆の象徴となる。絆エピソードの時に花壇を台無しにしてしまいこれから一緒に花壇作りを学ぼうと誓い合った二人であったが、バレンタインの時には見事綺麗な花壇作りに成功しているのだ。これはアツコが先生と一緒に学んだことが実を結んだ結晶であった。すなわちアツコが渡した青いバラとは「夢 かなう」「奇跡」「神の祝福」であり、先生と共に花壇を作り上げたことのメタファーなのである。キャラ表現とテーマと題材がマッチしており大変素晴らしいシナリオであった。