ブルーアーカイブ「槌永ヒヨリ」絆ストーリーの感想・レビュー

浮浪者生活を強いられるネガティブで自虐的な少女が、コミカルに図々しく極限生活をサバイブする話。
槌永ヒヨリはホームレスも同然の生活を送るルンペンであり自己肯定感が低く自己卑下しがちな性格。
だが案外抜け目なくちゃっかりしており、図々しくも強かにサバイブしているのでコミカル調に描かれる。
free-wifiを求めて街を彷徨い、盗電しては怒られ、廃棄雑誌を拾い集め、拾い食いをして腹を痛める。
そんなヒヨリを先生はほっとけるわけがなく色々と世話をしヒヨリも先生にだけは自分の欲望を晒せるようになる。
ある時、汚水を飲んであたったヒヨリを救うべく病院に担ぎ込むのだが、翌朝目覚めるとヒヨリの姿が無い。
焦った先生はヒヨリを探すのだが雑誌の特集記事に影響されたヒヨリは先生に臍を見て貰いたいと見せつけてくる。
バレンタインのヒヨリは自分が何よりも大切にしている古雑誌を売り払い先生にチョコを渡す健気さを見せる。

槌永ヒヨリのキャラクター表現とフラグ生成過程

盗電のため電柱にぶら下がるルンペン少女ヒヨリ

槌永ヒヨリは浮浪者ライフを送るルンペン少女。ホームレスもかくやという生活をしており、自分の人生を悲観している。だがヒヨリシナリオに悲壮感は一切ない。ヒヨリ自身は自己肯定感が低く、すぐに自己卑下するムーブを行うが、その性格はちゃっかりしているところもあり、図々しく極限生活をサバイブしているのである。古びたスマホを手に持ちfree-wifiを求めて彷徨い、電波の悪さに通信が途絶するのを愚痴る。充電するために様々な施設を周り盗電に励み、ついには電柱ボックスについているコンセントを求めて電信柱に登り始める。等々の行為がどこかコミカルに描かれていく。先生はそんなヒヨリを見て、充電パックなどを買い与えたりするのであるが、ヒヨリは迷惑をかけていることを詫びつつも、いっそのことなら雑誌も買ってくれとおねだりするのであった。
 
以降も先生はヒヨリのことを放っておくことなできず、医療品を買い与えたり、汚水を飲んで腹を下した時には病院に担ぎ込んだりする。ヒヨリは先生への恩義を負い目に感じるようになり、シリアスな雰囲気も漂い出すのだが……。なんと最後までギャグ要員にされてしまうヒヨリの哀れさよ。なんとヒヨリは先生に買って貰った雑誌の特集に影響を受け、自分のオヘソが他人とは異なるカタチではないかとショックを受け、先生に確認して貰おうとするのだ。あんなに重々しい空気が漂っていたのに、一瞬にしてへそ出しをして見せつけて来る滑稽な展開となり、へそ出しの女の名を欲しいままにするのであった。
 
そんなギャグキャラにされてしまったヒヨリではあるがバレンタインでは健気さをフンダンに見せる。最初のテキストこそギャグ調でチョコを渡すことを口実にニャンニャンするとか言い出すのだが、途中から真剣みが増してくる。ヒヨリは古雑誌集めを人生の生きる意味としていたわけだが、バレンタインに際し先生にチョコを送るため、全て売ってしまうのである。それほど先生のことを想っていることの証左であり、関係性の深さが描写されるのであった。

自分の趣味の理解者がいない寂しさを埋めてくれる先生にきゅんきゅんするヒヨリ
先生の好意に甘えるしたたかさをもつヒヨリ
お腹を壊して入院し先生にそばにいてくれることをねだるヒヨリ
シリアスな雰囲気だったのに何故か臍を見せつけて来るヒヨリ
ヘソ出しメモロビ

バレンタインイベント

先生の恩義の為、全てを差し出すヒヨリ
ヒヨリの健気さに頭ナデナデする先生