ブルーアーカイブ「戒野ミサキ」絆ストーリーの感想・レビュー

人生は無意味だと嘯き斜に構えてペシミズムを気取るが身体の苦痛には耐えられずオチがつく少女の話。
ミサキは人生に対して悲観的であり絶望感を引き摺りながら生きているという演出をする女の子。
だが耐性は低く、身体が悲鳴を上げると厭世主義の化けの皮が剥がれ生に執着していることが露見する。
頽廃的な発言が多いがそれは幸せに生きたいという言葉の何よりもの裏返しなのである。
空腹と発熱で倒れた際には先生を呼び出しホテルに連れて行ってもらうが先生は(買い物の為に)立ち去る。
それを見たミサキは置いて行かれたと思い込み寂しさを口に出しシャワーでリスカをするのであった。
陰鬱な雰囲気が漂うが必ずコミカルになり解熱剤が子ども用シロップであったことに憤慨するエンドとなる。
バレンタインでは先生にチョコを渡そうとして渡せずにいた所、チョコを持っていることがバレてオチる。

戒野ミサキのキャラクター表現とフラグ生成過程

先生への依存が深まり寂しさを抱いて自傷行為に走るシーン

戒野ミサキは頽廃的で厭世的な女の子。だが、それは全部フリである。もしかしたら本人は本当にそう思っているのかもしれないが、本人ですら認識していない本当の自分の側面というのもまた存在する。ミサキの場合は人生に意味など無い、生きている理由が無いなどと嘯いてはいるが、閉所恐怖症や花粉症などを患っており、それらが発動すると身体の痛みに耐えられず、生にしがみついていることが露呈するのである。自分の浮浪者としての生活を受け入れられずにいるが、そこから抜け出すことも出来無いので、ペシミズムを気取ることが防衛装置なのかもしれない。故にミサキは究極の構ってちゃんであり、先生に構われることを嫌がるそぶりはするものの、内心ではそれに喜びを感じているのであった。このようなムーブが一部では樋口円香と類似していると指摘される所以なのであろう。
 
先生がミサキと交流を重ねていくと、彼女は依存度を深めていくことになる。あんなに自分にも他人にも興味が無い、生きる意味はないとか言ってたにも関わらず、空腹と発熱に苦しむと迷わず先生を呼び倒れ込む。ホテルに運ばたミサキは情交を期待していたが先生が(解熱剤を買うために)去ってしまったので切なさがとまらない。思わず寂しいと口に出してしまう程であった。ひとりぼっちであることに耐え兼ねたミサキはリスカをすることで身体を痛めつけ、生きていることの実感を得ようとする。直接的な表現は無いが、シャワー室で虚ろな目をして佇んでいるイベントスチルは絶対に自傷行為をしているよね。こうして陰鬱な雰囲気が漂うのだが、ミサキシナリオではしっかりとオチがつく。ミサキの為に先生が買ってきた解熱勢は小児用シロップであったため、ミサキは大激怒。子ども扱いしないでとプンプンするのである。けど甘いシロップじゃないとミサキ飲めなかったと思うよ。こうして厭世主義を演出するもそれは裏返しであり本当は生にしがみついていて先生に依存するというキャラクター表現が破壊力バツグンになっている。

バレンタインイベントではミサキオチは健在であった。ミサキは先生を呼び出して責務と称して廃墟を連れ回すのであるが、それは先生にチョコを渡すタイミングをはかってのものであった。だがいつまでもチョコを渡せずにいたところ、先生からチョコの存在を指摘されてしまう。最初からミサキのポケットからはチョコがはみ出しており、先生にはバレていたというワケ。ミサキの恥じらう姿がとても可愛く表現されており、やれやれムーブをしながらも先生に他意は無いと念押ししまくることで、他意がありまくりであることが露見してしまい顔を赤らめる立ち絵がステキに表現されている。

ペシミズム的な発言をするミサキだが……
閉所恐怖症というオチがつく
中二病的な発言をするミサキだが……
花粉症で鼻水を垂らし先生からハンカチを借りる
先生への依存度を深め切なさに駆られて寂しさを抱く
先生への特別な感情を意識し始めるミサキだが……
小児用シロップで子ども扱いしないでとギャグオチ

バレンタインイベント

最初から先生にチョコを渡そうとしていたことがバレていたミサキ
他意はないと強調する事でありまくりなことを露呈させるミサキ